ビアデッド・コリー
- 英語名
- Bearded Collie
- 原産国
- イギリス
- サイズ
- 大型犬
- グループ
- 牧羊犬・牧畜犬
ビアデッド・コリーの性格と特徴・飼いやすさ
ビアデッド・コリーが生まれたのは16世紀初頭といわれており、古くからスコットランドのハイランド地方で牧羊犬として活躍してきました。体全体をおおうふさふさの長い被毛と、犬種名となった「口ひげ(=ビアデッド)」が特徴です。陽気で友好的な性格と、人の言うことをよく聞き、理解しようとする賢さが魅力の犬です。
ビアデッド・コリーの飼いやすさ 各項目の数値が大きいほど飼いやすい傾向
ビアデッド・コリーの性格
陽気で甘えん坊、人といっしょにいることが大好きです。人の言うことをよく聞き、理解しようとする賢さもあるため、アジリティやフリスビーなどのドッグスポーツ、キャンプや釣りなどのアウトドアを愛犬といっしょに楽しみたい人にピッタリ。パワーあふれる牧羊犬のため、子犬〜若犬のころは元気があり余ってイタズラをすることもありますが、本来訓練されるのが好きなタイプなので、子犬のころからしつけをすれば落ち着いた愛犬になります。
ビアデッド・コリーの大きさ
体高はオスで53〜56cm、メスで51〜53cm程度のやや小さめの大型犬です。体高より体長が長く、長い被毛の下に隠れた足はやや短め。牧羊犬として雨や霧の中での作業にも耐えられる頑丈で引き締まった体が特徴です。
オス 体高:53〜56cm/体重:25kg前後
メス 体高:51〜53cm/体重:25kg前後
※体高:地面から首と背中の境目付近までの高さで、人の身長に相当するもの。
※体長:前胸の出っ張り部分から、お尻の出っ張り部分までの長さ。
ビアデッド・コリーの毛色の種類
ビアデッド・コリーの毛色は、濃淡さまざまなグレー、ブラック、フォーン、ブルー、ブラウン、サンディーなどと、ホワイトのツートーンカラーになることが多いようです。
ビアデッド・コリーの心配な病気
・目の中の水晶体が白く濁り視力が落ちる「白内障」
・網膜が変性・萎縮を起こし視力が落ちる「進行性網膜萎縮」
・アレルギー物質により引き起こされる皮膚疾患「アトピー性皮膚炎」
・皮膚に発疹や水ぶくれ、びらんが見られる「天疱瘡」
・皮膚が細菌感染して炎症を起こす「膿皮症」
・体重が増える成長期に起こりやすい「股関節形成不全」
ビアデッド・コリーの価格相場(2024年)
ビアデッド・コリーは一般的に入手が難しく、輸入や専門ブリーダーからや、保護犬譲渡がおもな入手方法です。
ビアテッド・コリーの飼い方
ポイント(1)毎日の散歩と休日には広場で発散を
もともと牧羊犬だったビアデッド・コリーは、活発でスタミナがあります。飼うにあたっては、犬の運動欲求を満たせるだけの時間的余裕があるのかをしっかり検討しておきましょう。散歩は、1日1時間は実施したいです。家では、常に遊べるおもちゃを犬に与えておくなどの工夫も必要です。休日など時間があるときには、公園やドッグランで走らせたり、アジリティなどのドッグスポーツをして体力を発散させてあげましょう。体力を充分発散させておくと、ムダ吠えやイタズラなどの問題行動を抑えることもできます。
ポイント(2)毎日ブラッシングでお手入れを
長毛でダブルコートの被毛はからみやすく、ブラッシング、コーミングには手間がかかります。定期的にプロにケアしてもらうことで日常の手入れも楽になります。目にかかる毛は束ねたりしてもいいでしょう。また、目や口のまわりの被毛が涙やヨダレで茶色に変色しやすいため、こまめに目や口まわりを拭いて防ぎましょう。
ポイント(3)年齢と目的に応じたフードを
主食には、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。一般食は、栄養バランスよりも嗜好性を重視する傾向にあるため、主食には不向きです。フードのパッケージに「総合栄養食」と記載されているもののなかから、ご自身の犬に合ったフードを選択します。
犬はライフステージごとに必要とされる栄養の質と量が微妙に異なります。「子犬用」「成犬用」「シニア犬用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。
手作りフードは与えているものを飼い主さんが把握できる安心感があり、愛犬のことを思いながら調理する楽しさもあります。しかし栄養バランスを保つのが簡単ではないため必要ならばサプリメント等で補いながら実施することをオススメします。
ビアデッド・コリーに似た犬の種類
ビアデッド・コリーのかわいい画像
ビアデッド・コリーの歴史や背景
ビアデッド・コリーの歴史は古く、人とともに家畜を管理する犬として長年活躍していました。優秀な牧羊犬として飼育され続けていましたが、第二次世界大戦のころに絶滅寸前にまで頭数が減りました。現存するビアデッド・コリーのほとんどが、一人の熱心な愛犬家の作出した犬たちの子孫だといわれています。長い口ひげと長い被毛におおわれたチャーミングな容姿と、陽気で人なつっこい性格が人気を集めています。
監修:
ヤマザキ動物看護大学 動物看護学部 准教授
福山貴昭先生 (博士[学術]愛玩動物看護師)
参考:『日本と世界の犬のカタログ』(成美堂出版)