
ナポリタン・マスティフ
- 英語名
- Neapolitan Mastiff
- 原産国
- イタリア
- サイズ
- 超大型犬
- グループ
- 使役犬
ナポリタン・マスティフの性格と特徴・飼いやすさ
全身の皮膚にしわがあり、重厚感のある超大型犬のナポリタン・マスティフ。一見、怖そうに見えますが、性格はとっても温厚で飼い主さんに忠実です。とくに運動が好きなわけではないのでハードな運動は必要ではありませんが、毎日の規則正しい運動は必要です。
ナポリタン・マスティフの飼いやすさ 各項目の数値が大きいほど飼いやすい傾向
※参考『日本と世界の犬のカタログ』(成美堂出版)
ナポリタン・マスティフの性格
外見と異なり、やさしく温厚な犬種です。また、飼い主さんにとても忠実です。ただし、体が大きく、行動が大胆で、力も強いので、しっかりコントロールできるように子犬のころからトレーニングを行うことが大切です。とくに運動が好きということはなく、朝夕に短めの散歩と少しの自由運動をするくらいの運動量で満足します。
ナポリタン・マスティフの大きさ
オスで体高63~77㎝、体重60~70㎏、メスで体高58~70㎝、体重50~70㎏もある超大型犬です。全身の皮膚にしわがあり、とくに頭部の皮膚が大きく垂れ下がっているのが特徴です。胸は深く、とても発達した筋肉におおわれています。
オス 体高:63~77㎝/体重:60~70㎏
メス 体高:58~70㎝/体重:50~70kg
※体高:地面から首と背中の境目付近までの高さで、人の身長に相当するもの。
ナポリタン・マスティフの毛色の種類
ナポリタン・マスティフの被毛の色は、グレー、ブラック、ブラウン、フォーン(黄金色)など、胸や足先に小さな白い斑が入ることもあります。被毛は密に生えており、短くて滑らかです。
ナポリタン・マスティフの価格相場(2024年)
ナポリタン・マスティフは一般的に入手が難しく、輸入や専門ブリーダーからや、保護犬譲渡がおもな入手方法です。
※自治体により特別な飼育遵守事項が定められている場合があるので、事前に確認しましょう。
ナポリタン・マスティフの心配な病気
・加齢とともに足に負担がかかって発症する「関節炎」
・なんらかの原因で皮膚に発疹やかゆみが生じる「皮膚炎」
・大型犬に多い「股関節形成不全」
・左心室を囲む左心室壁が厚くなる「肥大型心筋症」
・胃の固定が充分でないために起きやすい「胃捻転」
ナポリタン・マスティフの飼い方
ポイント(1)毎日の散歩を規則正しく
とくに運動が好きな犬種ではないので、思いきり走らせたりジャンプをさせたりといったハードな運動は必要ありません。しかし、体重が重いため、加齢により関節に負担がかかりやすく、関節炎を発症することも。若いうちから毎日朝夕の散歩を規則正しく行い、丈夫な体を維持するように心がけましょう。
ポイント(2)子犬のころからしっかりとトレーニングを
穏やかで動じない性格なので、ほかの犬や人を攻撃することはまずありませんが、体が大きく力も強いため、意図せずケガを負わせてしまう可能性があります。子犬のころからしっかりとトレーニングを行い、行動をコントロールできるようにしておくことが大切です。初心者には扱いが難しく、不向きな犬種といえるでしょう。
ポイント(3)皮膚のしわの間の清潔を保って
皮膚のしわの間に汚れがたまったままになると、皮膚炎を起こしてしまうことも。週2~3回、ブラッシングをする際にしわの間をタオルで拭いて、清潔を保つよう心がけましょう。
ポイント(4)年齢と目的に応じたフードを
主食には、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。一般食は、栄養バランスよりも嗜好性を重視する傾向にあるため、主食には不向きです。フードのパッケージに「総合栄養食」と記載されているもののなかから、ご自身の犬に合ったフードを選択します。
犬はライフステージごとに必要とされる栄養の質と量が微妙に異なります。「子犬用」「成犬用」「シニア犬用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。
手作りフードは与えているものを飼い主さんが把握できる安心感があり、愛犬のことを思いながら調理する楽しさもあります。しかし栄養バランスを保つのが簡単ではないため必要ならばサプリメント等で補いながら実施することをオススメします。
ナポリタン・マスティフに似た犬の種類
ナポリタン・マスティフの歴史や背景
ローマン・マスティフの子孫で、ローマの軍用犬だったとされるナポリタン・マスティフ。この犬種はヨーロッパ中に広まり、多くのマスティフ犬種の祖先となったといわれています。いかつい顔に似合わないやさしい性格のもち主ですが、体の大きさから室内で飼うには不向きで、超大型犬の扱いに慣れた人向けの犬種といえるでしょう。
監修:
ヤマザキ動物看護大学 動物看護学部 准教授
福山貴昭先生 (博士[学術]愛玩動物看護師)
参考:『日本と世界の犬のカタログ』(成美堂出版)