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【獣医師監修】犬にグレープフルーツはNG。食べてしまったときの症状と対処方法

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犬にグレープフルーツはNG
gettyimages

この記事の監修

佐野 忠士 先生

グレープフルーツは犬が食べてはいけない果物です。消化不良の原因になるだけでなく、中毒を引き起こす成分を含んでいるからです。さらに実には、一部の薬の作用を妨げて副作用を引き起こす成分も。犬がグレープフルーツを食べてしまったときの症状と対処方法も併せて紹介します。

犬はグレープフルーツを食べてはいけない。大量摂取の場合は中毒の恐れあり

テーブル手をかけて何かほしそうに飼い主をじっと見つめるトイ・プードル
いぬのきもち投稿写真ギャラリー 

人間はグレープフルーツを分厚い外皮まで食べることはまずありませんが、犬の場合はもし目の前にグレープフルーツがあったら、皮ごとかじって食べてしまうかもしれません。グレープフルーツの皮は、消化不良や中毒など犬の健康によくない影響を与える危険性があります。

また、実の部分に多く含まれる成分は、特定の薬の作用に影響を与えることが明らかになっています。そうした理由から、グレープフルーツは犬が食べてはいけない果物だといえるでしょう。

ほかにも食べてはいけないものがあるので確認しておきましょう。

犬はグレープフルーツを食べてはいけない理由|消化不良や中毒の原因に。薬との相性にも注意

テーブルに前足をかけて食べ物を探しているビーグル
いぬのきもち投稿写真ギャラリー 

外皮・内皮・白いスジ|消化不良や中毒を引き起こす危険あり

グレープフルーツの分厚い外皮や内皮、白いスジは、犬にとって消化しにくいものです。皮ごとかじってしまうと、消化不良を起こし、下痢や嘔吐などの症状を引き起こすかもしれません。

また、グレープフルーツの外皮には、犬の健康を害す恐れのある成分が含まれています。

そのひとつが「ソラレン」です。これは、グレープフルーツだけでなくオレンジやみかん、レモンなど柑橘系の果物に含まれているもので、犬が過剰摂取をすると「ソラレン中毒」を引き起こすといわれています。

そしてもうひとつは「リモネン」。すっきりとした香りがリラックス効果やリフレッシュ効果をもたらすと考えられていることから、アロマオイルや洗剤、ハンドソープなどに使用されています。グレープフルーツの皮から抽出したオイルを犬のアロマテラピーで利用する場合もあるようですが、皮膚への刺激が強いので太陽の光に反応してシミの原因になる光毒性があるともいわれています。


犬にグレープフルーツの皮だけを与える人はいないと思いますが、皮ごとカットして食卓に並べることも多い果物なので、注意しましょう。

また、市販されているグレープフルーツのほとんどは輸入ものなので、外皮に防カビ剤などの薬剤が塗られていることが多いようです。すぐに健康を害するわけではありませんが、なにげなく置いておいたグレープフルーツの皮を舐めたりしないよう気をつけたいですね。

実(果肉部分)|薬の作用に影響を及ぼす可能性あり

疾病があって薬を服用している場合は、グレープフルーツに含まれる「フラノクマリン」という成分が悪影響を与える可能性があります。この「フラノクマリン」は薬の分解を遅らせる作用があり、そのためにかえって薬の効き目を強めてしまうと考えられています。これは人間に対しての作用ですが、犬でも同じ作用になる可能性が高いため、注意しておいたほうがよいでしょう。

また、グレープフルーツの果肉は少量ですがタンパク質を含んでいるので、タンパク質に免疫機能が過剰反応して、食物性のアレルギー反応を起こす可能性もゼロではありません。

危険な量の目安

「ソラレン」「リモネン」「フラノクマリン」のいずれも、犬に危険な摂取量がどれくらいかは、明らかになっていません。とはいっても「少しぐらいなら大丈夫」と、独自に判断するのはよくありません。とくに、子犬は消化器官がまだ発達していないので、ほんの少し食べただけでも消化不良や中有を起こしやすいため注意が必要です。

犬がグレープフルーツを食べたときに見られる症状|下痢、嘔吐、湿疹、かゆみ

散歩の途中で飼い主の手からおやつをもらうシェットランド・シープドッグ
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

ソラレン中毒の場合

◇下痢
◇嘔吐
すぐに症状が出るわけではなく、食べてから1〜数日で症状が出ることが多いようです。下痢や嘔吐が続くと脱水状態に陥りやすい、吐物を誤嚥してしまうなど、いろいろな面で注意が必要です。

食物性アレルギーの場合

人間の場合は、アレルゲンとなる食物を食べてからすぐに反応が現れる場合が多いのですが、犬の場合は食べてから数時間以上たってから症状が出ることが多いようです。おもに以下のような症状が考えられます。
◇下痢
◇嘔吐
◇皮膚の湿疹、かゆみ
◇元気がなくなる
◇目が充血する
◇顔がむくむ(腫れる)※急性アレルギー反応(アナフィラキシー反応)

犬がグレープフルーツを過剰摂取した場合の対処方法

じっと見つめるボストン・テリア
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

症状が出たらすぐに病院へ

明らかに愛犬がグレープフルーツの皮や実を食べてしまい、下痢や嘔吐などの症状がある場合は、動物病院で獣医師の診察を受けてください。
診察を受ける前に、食べたものを無理やり吐かせようとするのは危険です。ネット上などで、食塩水などを使って飲み込んだものを吐き出させるという情報を見かけますが、「催吐処置」は医師が行うべき医療行為です。素人判断で飼い主さんが行ってはいけません。まずは、なるべく早く病院に連れて行き、愛犬が食べたものや量、時間、症状の変化を獣医師に伝え、適切に処置してもらいましょう。

なお、愛犬がグレープフルーツの皮を舐めてしまったり、少し食べてしまったりしても、現状とくに症状が見られないなら、あわてて病院に駆け込む必要はありません。体調に変化がないか気をつけて見守ってください。もし、愛犬にアレルギーがあるかどうかわからない場合や、食べた量が多いと考えられる場合は、かかりつけの動物病院に相談してみましょう。

病院での治療方法

病院では、飼い主さんから話を聞いたうえで、以下のような処置や検査を行い、原因を特定して治療を行います。

催吐処置・摘出処置

犬が誤飲・誤食してしまった場合、飲み込んでから少なくとも2〜3時間程度は胃の中に残っています。その間であれば薬剤を使って異物を吐き出させる「催吐処置」を行う場合があります。止血剤のトランサミンを静脈内に注射して短時間で吐かせるケースが多く、副作用の心配もないようです。

また、グレープフルーツの皮の大きなカケラを丸呑みしてしまった場合は、麻酔をかけて内視鏡で取り除く方法もあります。ただし、体重が1kgに満たない子犬の場合は、食道が細いために内視鏡を挿入することはできません。

レントゲン・血液検査

誤飲・誤食が明らかではないときや、食べてからあまり時間がたっていないのに催吐処置を施しても犬が吐き出さない場合は、その後の処置を決めるためにレントゲン検査で食道や胃、小腸、大腸の状態を調べることがあります。
さらに、なんらかの中毒症状が見られる場合は、血液検査で腎臓、肝臓、膵臓などの働きや貧血の有無などを調べます。

点滴・投薬

下痢や嘔吐が続いたことで脱水状態にあり、経口での水分摂取が難しい場合は、点滴で水分と養分を補給します。犬の点滴には、人間と同じように静脈から行うほかに、「皮下点滴」という方法もあります。これは、背中の皮膚と筋肉の間にまとまった量の輸液を入れる方法で、10〜20分程度の処置で済むため、病院に愛犬を預ける必要はなく、犬の体への負担も軽く済みます。ただし、皮下点滴ができるのは、脱水の状態が軽いケースに限られます。

重症の場合は入院する場合も

下痢や嘔吐が激しく重度の脱水を起こしている場合や、中毒症状が深刻な場合は、入院して処置や治療を行うケースもあります。

犬のグレープフルーツ誤飲を防ぐ方法

ゴミ箱の中にすっぽり入ってしまい、顔だけ出している黒い子犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

犬の目に入る場所、手が届く場所にグレープフルーツを置かないことが大事です。飼い主さんが積極的に与えなくても、目を離したすきに、愛犬が食卓上のグレープフルーツをかじってしまうかもしれないからです。
とくに、子犬は好奇心が旺盛なので要注意。ゴミ箱をひっくりかえして中身を引っ張り出し、たまたま捨ててあったグレープフルーツの皮を見つけてしまうかもしれません。グレープフルーツの皮をかじって遊んでいるうちに、皮の大半を食べてしまった、ということがないよう、普段からゴミ箱は愛犬が触れない場所に置いておきたいですね。

なお、グレープフルーツジュースも基本的に含まれる成分はグレープフルーツと同じ。「フラノクマリン」が含まれているうえ、糖分を加えてあるものが多いので、愛犬に与えるのは避けましょう。

犬にグレープフルーツの皮も実も与えてはいけない!

犬はグレープフルーツの皮を食べることで、健康を害すことがあります。さらに、実に含まれる成分の中には、特定の薬と相互作用を及ぼすものもあります。犬にとって危険な摂取量が明らかにされていないので、「少量なら大丈夫」と自己判断するのは禁物です。愛犬がグレープフルーツを舐めたり食べたりしないよう、気をつけましょう。

犬には与えてはいけない食べ物や、注意したい食べ物をがあります。確認しておきましょう。

監修/佐野忠士先生(酪農学園大学獣医学群獣医学類准教授)
文/村田典子
※一部写真はスマホアプリ「まいにちのいぬのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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