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【獣医師監修】犬にオクラを与えるときは注意が必要。与えるメリットとデメリットを解説
オクラは犬が食べても大丈夫な野菜です。食物繊維など犬の体によい栄養素が含まれていて、生でも加熱しても大丈夫。ただし、与える量や与え方には少し注意が必要です。また、稀に食物アレルギーの症状を示す場合も。犬がオクラを食べるメリットと与える際の注意点を紹介します。
佐野 忠士 先生
酪農学園大学獣医学群獣医学類准教授
酪農学園大学附属動物医療センター 集中治療科診療科長
日本獣医畜産大学(現 日本獣医生命科学大学)卒業
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻博士課程修了
北里大学獣医畜産学部および同大学獣医学部勤務
日本大学生物資源科学部獣医学科勤務
●資格:獣医師/博士(獣医学)/世界的獣医心肺蘇生ガイドラインインストラクター(RECOVER インストラクター)/CCRP
●所属:日本獣医麻酔外科学会/日本獣医学会/日本獣医師会/日本動物リハビリテーション学会/動物臨床医学研究所/日本麻酔科学会/日本臨床モニター学会
●主な診療科目:麻酔科/集中治療科
●書籍:『asBOOKS チームで取り組む獣医師動物看護師のためのICU管理超入門』/『as BOOKS チームで取り組む獣医師・動物看護師のための輸液超入門』/『動物看護師のための麻酔超入門・改訂版』 など多数
犬にオクラを与えるときは与え過ぎとアレルギーに要注意
オクラのおもな栄養素|9割が水分、食物繊維が豊富
エネルギー | 26kal |
---|---|
水分 | 90.2g |
タンパク質 | 2.1g |
脂質 | 0.2g |
炭水化物 | 6.6g |
灰分(無機質) | 0.9g |
文部科学省「食品データベース」https://fooddb.mext.go.jp/index.plより参照
なお、茹でた場合もほぼ同じ栄養素の成分です。
犬がオクラを食べるメリット|豊富な食物繊維で腸内環境を整えて快便に
食物繊維|便通を改善し、腸内環境を整える
ネバネバ成分|整腸、粘膜の保護
ペクチンは、不溶性食物繊維のひとつで、腸内の環境を整えて下痢や便秘を防ぐのに加え、コレステロールの吸収を防いだり、血糖値を調節したりする作用があります。
ムコ多糖タンパク質と糖タンパク質の混合物で、胃腸の粘膜を保護する作用が期待されます。さらに、タンパク質の分解を促進する酵素を含んでいて、タンパク質の消化・吸収もサポートしてくれます。
βカロテン|活性酸素を除去し、皮膚や粘膜を強化
また、βカロテンは犬の体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAは、正常な視覚や健康な被毛・皮膚、粘膜、歯を作る役割を果たすもので、犬は自分の体に必要な分だけビタミンAを作り出し、健康の維持に活用できるのです。
カリウム|不要な塩分の排出と高血圧の予防。腎臓病の犬は要注意!
ただし、高齢で腎臓機能が低くなっている犬や腎臓病を患っている場合は、カリウム摂取には注意が必要です。健康な犬であれば、余分なカリウムは尿で体外に排出されますが、過剰に摂取していると健康な犬でも腎臓に負担がかかります。さらに腎臓の機能が低下すると、十分な排出ができず血液中のカリウム濃度が高まる「高カリウム血症」となり、不整脈など心臓病を引き起こすこともあります。シニア犬や腎臓病、心臓病がある場合は、オクラを与える前に獣医師に相談してください。
水分|水を飲まない場合の水分補給に
犬がオクラを食べるデメリット|過剰摂取で便通異常、稀にアレルギーを起こす場合も
食物繊維|不溶性食物線の摂り過ぎで便秘になることも
タンパク質にアレルギー反応を起こす場合も
犬にオクラを与えるときの注意ポイント|生でも加熱でも、細かく刻んで
与えてよい部位
与えるときの適量
犬の体重目安 | 1日あたりの摂取可能目安 |
---|---|
小型(2~5kg) | 72g~144g(大5~10本) |
中型(6~15kg) | 165g~328g(大11~23本) |
大型(20~50kg) | 407g~810g(大29~57本) |
※オクラ(生)大1本=14gとして算出
※数値は、避妊・去勢済みの犬で体重相応のおやつ(1日の総摂取カロリー目安の1割)として算出
調理方法
オクラは適量なら犬に与えてもOK! 便通の改善に期待
文/村田典子
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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