この特集では、難病や障がいをもった愛犬とその飼い主さんの、闘病や暮らしの様子をリポートします。
今回ご紹介するのは、腰椎ヘルニア、てんかん、白内障から緑内障へと、次々と襲いかかる病気と闘う17才のミニチュア・ダックスフンド、パルくんのお話です。
目や耳が不自由でも、風やニオイがよい刺激に
奥村さんは散歩以外の時間にも、パルくんを抱っこして自宅のベランダに出て、外の空気に触れさせてあげるようにしています
今年17才になるパルくんは両目の視力を失い、加齢により聴力も失っていますが、食欲は変わらず旺盛で毎日を元気いっぱいに過ごしています。
「両目を失明したあと、一時期安全のためにパルのお散歩を控えていたんです。すると、急に認知症のような症状が出てしまって、あわてて散歩を再開しました。移動のときはカートに乗
せて、たまに地面に降ろしてにおいをかがせたりしました。その後、認知症の症状がすぐに止まったんですね。目と耳が不自由でも、外の風を受けて、においを感じることが大きな刺激となることがわかりました。これは人も犬も同じなんですね」
散歩はいつも同居犬といっしょに
散歩はいつも3頭いっしょに。パルくんお気に入りの場所では、カートから降りて少し歩いて、においをかいだりします
奥村家には、パルくんのほか、ビーグルのダグくん、プロット・ハウンドのシマくんが暮らしています。パルくんの居住スペースは低い柵で仕切ってありますが、ダグくんもシマくんも、その柵を乗り越えることはないそう。2頭ともパルくんの状態がわかっているようで、いつもやさしく接してくれるとか。
散歩はいつも3頭いっしょで、「パルの刺激になるように、散歩コースは毎日意識的に変えるようにしています。週末はパルの大好きな海辺に行くことが多いですね」と奥村さん。
休日には3頭を連れて歩いて、近くの海辺に散歩へ行きます。パルくんは海が大好き。潮風を感じてご満悦
介護が体験だと思ったことは一度もない
最後に「パルの介護が大変だと思ったことは一度もないです。シニアになると、若いころの強かった性格が弱まり、赤ちゃんみたいなかわいい面が出てきたりして、ますます愛おしくなってくるものです。パルの場合、幼齢期のほうがずっと大変だったかも(笑)。これからも、パルのペースで無理のないように、穏やかにいっしょに暮らしていければと思っています」と奥村さんは語ってくれました。
※各情報は2021年11月15日現在の情報です。
出典/「いぬのきもち」2021年11月号『困難と闘う!……その先のしあわせへ』
写真/犬丸美絵
文/袴 もな