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徐々に進行する犬の「変形性関節症」とは? 愛犬の歩き方に注意
犬の歩き方をよく見ていると体の異変に早く気が付ける可能性があります。もし、愛犬が足を引きずって歩いたり、痛がるようなしぐさがみられたら動物病院を受診しましょう。
犬の変形性関節症について、いぬのきもち獣医師相談室の山口みき先生が解説します。
変形性関節症はシニア犬に多い関節の病気
犬の変形性関節症は、関節や軟骨の損傷や炎症によって徐々に正常な関節の形状が変形し、関節の動きにともなって常に痛みを生じるようになる病気です。
加齢によっても引き起こされるため、シニア犬に目立つ傾向がありますが、他にも肥満や関節のゆがみ、遺伝的要因なども原因となり、徐々に進行がみられます。
変形性関節症は犬の歩き方に変化がみられる
変形性関節症は、関節が動いたり負荷がかかることによって痛みを生じるため、
- 動きが緩慢になる
- 起き上がるのに時間がかかる
- 足をかばいながら歩く
変形性関節症の治療と予防方法
変形性関節症の犬が体に痛みを感じている場合は、炎症止めを服用したり安静を保つことで治療を行います。
しかし、薬は痛みを止めることはできても、変形した関節を元に戻すことはできないので、その後も痛みが再発する可能性があります。
症状と上手に付き合っていく必要がある
もし、変形性関節症と診断されたら、愛犬の適正体重を保つことや適切な運動によって筋肉をつけておくこと、サプリメントを服用するなどの予防策で対応しながら、症状と付き合っていく必要があるでしょう。
なお、変形性関節症と診断された犬に対して、走る、段差を昇り降りするなど、関節に負荷のかかる運動をさせることはおすすめできません。
愛犬の病状や症状に合った適切な運動については、主治医に相談をするとよいでしょう。
なお、日常の生活の中では平らな場所で滑りにくい地面をしっかりと歩くなど、関節に負荷がかかりにくく筋肉をしっかりと使うことのできる運動を、愛犬の様子を見ながら無理のない範囲で心がけましょう。
犬の関節の異常に気がつくポイント
変形性関節症は徐々に進行することがあり、明らかな症状がみられるまで見落としやすい疾患です。
- 愛犬が痛みで足を挙げているなどの明らかな異常がある
- ふいに鳴き声を出して震えたり、動かなくなる
- 歩き方がいつもと違う
などの様子がみられたり、日々の動きに違和感を抱いたらまずは動物病院を受診しましょう。
愛犬がシニア期を迎える前から、無理をさせない範囲で筋肉をつけておくことやできるだけ関節に負担をかけないように気をつけて生活することも大切ですね。
(監修:いぬのきもち獣医師相談室獣医師・山口みき先生)
取材・文/maki
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿されたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
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