犬と暮らす
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冬の犬の散歩、融雪剤や凍結防止剤による中毒・皮膚炎に注意が必要!
こういった薬剤の上を歩いたり気がつかずに雪遊びをすることで、犬の足裏が炎症を起こしたり誤飲によって中毒を起こすことがあるそうです。
では、地面に撒かれた融雪剤や凍結防止剤に対して、どのようなことを注意すればよいのでしょうか?いぬのきもち獣医師相談室の斉藤由美先生に話を聞きました。
犬が融雪剤や凍結防止剤で中毒・皮膚炎を起こすことがある
斉藤先生:
「はい。犬が融雪剤や凍結防止剤を誤飲することで、中毒を起こす可能性はあります。
融雪剤については、成分である塩化カルシウムの融解熱や化学的な障害によって、消化管障害による流涎(よだれ)や嚥下障害、嘔吐などを起こします。また、中毒量を摂取すると、高カルシウム血症や代謝性アシドーシスを発症することがあります。
凍結防止剤については、成分である塩化ナトリウム=塩の過剰摂取によって高ナトリウム血症を起こし、嗜眠や痙攣などの中枢神経症状、嘔吐、意識障害、徐脈、呼吸異常などの脳浮腫に関連した症状がみられることがあります。」
――融雪剤や凍結防止剤で犬の散歩中に足がただれるなど、犬の皮膚への影響があるというのは本当ですか?
斉藤先生:
「はい。犬の皮膚にも影響する可能性があります。理由としては、化学的な熱傷や障害によるものと考えられます。」
犬が融雪剤や凍結防止剤をなめた・皮膚についた際の対応
斉藤先生:
「まずはかかりつけの動物病院に連絡して状況を確認しましょう。
薬剤が少量であっても症状に個体差があったり、少量と思っていても目の届かない所で多くなめている可能性もあります。犬の足裏に薬剤が付着した場合は、水またはぬるま湯で洗い流して足裏の状態を確認しましょう。
病院に受診する際は、いつ、何を、どの程度摂取または接触したかも確認すると診察に役立ちます。」
融雪剤や凍結防止剤が散布されている場所を歩く際の注意点
斉藤先生:
「そうですね。薬剤が散布されている場所を歩かせないように注意して抱っこをしたり、コースを変えること、犬用の靴(ブーツ)を履かせるなどの対策で、できるだけ薬剤に触れないようにしましょう。
また、お散歩後は足を洗い、皮膚に異変がないかを確認することも大切ですね。」
融雪剤や凍結防止剤で思わぬ中毒を起こさないように気をつけましょう。
取材・文/maki
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿されたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
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