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ドッグフードに表示された「グルテンフリー」「グレインフリー」の意味・犬への効果とは
「グルテンフリー」とは麦類のたんぱく質を、グレインフリーとは広く穀物を含んでいない、という意味です。愛犬に食物アレルギーがある場合に考えられるフードのひとつです。
この記事の監修
「○○フリー」と書かれたフードの意味とは?

食品や化粧品などの商品について、「○○フリー」などの言葉を目にします。これは「○○が入っていない」という意味の言葉です。ドッグフードでよく目にするものとして「グルテンフリー」、「グレインフリー」のフードが挙げられます。
「グルテンフリー」とは
「グルテンフリー」のグルテンとは、小麦などの麦類に含まれているたんぱく質の一種を指す呼び名です。「グルテンフリー」とは、このグルテンを含んでいない食品という意味ですが、麦類を避ける食習慣という意味でも使われることもあります。
もともとは、欧米に多く見られるセリアック病やグルテン過敏症の人たちのための除去食の表示に使う言葉で、これは厳密な表示規格が各国で定められています。ちなみにグルテン過敏症は、犬ではアイリッシュ・セターでしばしばみられます。
グルテンフリー食品は、セリアック病以外の麦類アレルギー患者にも利用されています。また、特にアレルギーがなくても、体調改善やダイエット効果を期待する人々が食生活に取り入れるようになりました。
犬の場合、さきに挙げたアイリッシュ・セターのグルテン過敏症のほか、麦類にアレルギー反応を起こす犬がいます。グルテンフリーのドッグフードには麦類が含まれていないので、グルテン過敏症のアイリッシュ・セターのほか、アレルゲンが麦類である犬にも適しています。
「グレインフリー」との違いは?
グレインフリーのグレインとは、穀物を意味します。そのためグレインフリーと書かれているフードはグルテンや麦だけでなく、広く穀物(グレイン)を原材料に使用していないことを指します。愛犬が複数の穀物にアレルギーがある場合には、選択肢の1つとなります。食物アレルギーが疑われる場合には、動物病院で療法食を用いてアレルゲンの確定診断をしてもらってから利用するといいでしょう。ただし、食物アレルギー用の療法食ほど厳格に、穀物のわずかな混入も防いで生産されているとは限りません。
グルテンや穀物は犬に与えてはダメなの?

「犬は本来穀物を食べないから避けたほうがいいのではないか」思われている方もいるかもしれませんが、ドッグフードに用いられている穀物は食べても問題ありません。
犬は野生動物であった頃には穀物を食べることはなかったと考えられます。というのは、犬は穀物に含まれる炭水化物をそのままでは消化することができないからです。我々人間もそのままの米を食べることはできませんが、水を加え圧力をかけて加熱すること(アルファ化)で、はじめて食べることができるようになります。ちなみに、炭水化物だけでなくグルテンをはじめとする植物性のたんぱく質についても、加熱や加工により消化性が格段にアップされています。アルファ化された複数の麦類を犬に与えたところ、100%消化吸収されたという研究があります。犬はそのままの穀物を消化吸収することはできませんが、ドッグフードはきちんと加熱調理され炭水化物もアルファ化されていますので、食べても問題なく体内で利用されます。
グルテンフリー・グレインフリーと一般のドックフードのメリット・デメリット
グルテンフリーやグレインフリーのドッグフードは、グルテンや穀物に食物アレルギーがあるとわかっている場合には愛犬の健康を守ることができますが、それ以外にはとくにメリットはありません。
グルテンフリー グレインフリー | 穀物が含まれる ドッグフード | |
---|---|---|
メリット | グルテンまたは穀物に対する食物アレルギーを避けることができる | 様々な原材料を使うことができるので、価格を抑えることができる 栄養バランスを整えやすい |
デメリット | 原材料を厳選するため高額になりがち 炭水化物が少ない傾向があるため、タンパク質が多くなりがち。そのため高齢期では内臓の負担になることも | グルテンなどに食物アレルギーがある場合は適さない |
ドッグフードの選び方
ドッグフードを選ぶうえで大切なことは、愛犬の健康を維持できることです。第一に栄養バランスが整っていること、さらに、体調に合わせたものを選ぶことです。
現在、愛犬が健康であるなら、成長段階(ライフステージ)に合った総合栄養食のドッグフードを選べば基本的には問題ないでしょう。ウンチの状態が悪い、体をかゆがる、食べたがらないなど、体調に気になる点があるなら、獣医師の診察も受けて不調の原因を正しく診断してもらい、フード選びのアドバイスを受けましょう。飼い主さんの推測だけでフード選びをすると、実際の愛犬の体調に合わないこともあります。
食物アレルギーが疑われる場合は獣医師と相談し、選択を
グルテンフリーやグレインフリーのドッグフードは、グルテンや穀物にアレルギーがある場合にメリットがあると述べてきました。しかし、アレルギーの原因となるアレルゲン(多くはたんぱく質)は、小麦や穀物に限らずさまざまです。免疫が未熟な離乳期前後に口にしたものに多く、犬の場合は牛肉・乳製品・小麦のほか、鶏肉も多いとされていますが、食環境によっても異なります。
麦類や穀物に限らず、特定の物質を原材料から排除した機能性フードはいろいろあります。食物アレルギーの場合はアレルゲンを正しく排除することが必要ですが、その一方でアレルゲンの特定が難しいという側面もあります。気になる症状がある場合には、自己判断でフードを変更するのではなく、本当に食物アレルギーなのかも含めて動物病院で確かめ、食事について相談してください。
「いぬのきもち」ユーザーが選んだ人気ブランドランキングを紹介!
では最後に、「いぬのきもちアプリ」ユーザーが選んだフードブランドランキングを下にご紹介します。愛犬に合ったドッグフードを選ぶ参考にしてくださいね。
1位 | ![]() | ロイヤルカナン ジャポン ロイヤルカナン ブリード ヘルス ニュートリション 栄養素やそのバランスからキブル(粒)の形にいたるまで、犬種ごとの特性に配慮した総合栄養食。獣医学、動物栄養学から導き出された最新の技術をベースにしています。全18犬種専用のドライフードに加え、プードル、チワワ、ダックスフンドには専用のウエットフードも。※写真は、プードル 成犬用 |
---|---|---|
2位 | ![]() | マース ジャパン ニュートロ™ シュプレモ™ 小型犬用 成犬用 チキン、ラム、サーモンを主原料に、独自の栄養学や素材学に基づいて厳選した17種類の自然素材をブレンド。素材のもつ豊富な栄養素、最適な素材の組み合わせから得られる相互作用により、愛犬の健康をサポートし、愛犬がおいしさを感じられるフードを目指しています。 |
3位 | ![]() | 日本ヒルズ・コルゲート サイエンス・ダイエット™ アダルト 小型犬用 成犬用 皮膚、被毛、骨、関節、歯と歯ぐきなど、小型犬の健康維持に必要な栄養バランスを考えたフード。オメガ3系&6系脂肪酸、カルシウムやグルコサミン、ビタミンCとビタミンDのほか、免疫力を保つために欠かせない抗酸化成分も含んでいます。 |
いぬのきもち WEB MAGAZINE「与えてよかったフードブランド部門ランキング いぬのきもちユーザー人気ランキング2019」
【人気ランキングつき】ドッグフードの評価・評判の真相|獣医師監修
ランキング/2019年5月「いぬのきもちアプリ」内調査(回答者数 340人)
※掲載商品はランクインしたブランドの一例を紹介しています。
参考/いぬのきもち『ドッグフード大事典』
監修/徳本一義先生(へリックス株式会社代表取締役社長)
取材協力/ペットフード公正取引協議会
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