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ドッグフードはグルテンフリーのほうが犬の健康によい?メリット・デメリットは(獣医師監修)

近年、ドッグフードにおいても耳にすることが増えた「グルテンフリー」。今回は、グルテンフリーのドッグフードが犬にどのような効果をもたらすのか、与えるメリット・デメリットやよくある質問とともに解説します。

徳本 一義 先生

 獣医師
 有限会社ハーモニー代表取締役
 日本ペット栄養学会理事
 ペットフード協会新資格検定制度実行委員会委員長
 日本獣医生命科学大学非常勤講師
 帝京科学大学非常勤講師
 など

●資格:獣医師 経営学修士(MBA)

●所属:日本ペット栄養学会

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グルテンフリーのドッグフードとは?

ボウルから水を舐める美しい白い犬
nensuria/gettyimages
グルテンフリーの「グルテン」とは、小麦などの麦類に含まれるたんぱく質の一種のことです。グルテンフリーは、このグルテンを含んでいない食品という意味ですが、麦類を避ける食習慣という意味で使われることもあります。

グルテンフリーの食事は、もともとセリアック病というグルテンに対するアレルギーを持つ人の患者向けに推奨されてきました。これが、ライフスタイルにこだわりのある人々の間で流行し、一般層に広がりをみせています。有名な男子テニス選手がいち早く実践していたことが、流行につながったともいわれているようです。

ドッグフードにもグルテンフリーがある

人の食品と同様、ドッグフードにもグルテンを含まないものがあります。これは、アイリッシュ・セターなどの犬種に報告例があるグルテン過敏症や、麦類にアレルギー反応を起こす犬に適しているとされています。

グレインフリーのドッグフードとの違いは?

グレインフリーとは、グルテンのみならず広く穀物(=グレイン)を原材料に使用していないものを指します。そのため、複数の穀物にアレルギーがある犬の場合は、グレインフリーのドッグフードが選択肢の1つになることがあるでしょう。

グレインフリーのドッグフードの詳しい情報は、以下の記事をチェックしてください。

そもそもグルテンやグレインは犬に与えてはいけないの?

先述のとおり、グルテンやグレインにアレルギーがある犬の場合は、これらが入ったドッグフードは避けたほうがよいといえます。しかし、とくにアレルギーなどの心配がない犬の場合は、グルテンやグレインを与えても問題ありません。

飼い主さんのなかには、“犬が野生時代に穀物を食べていなかった”とされることなどから、「犬は穀物を消化できないから与えてはいけない」と考える方もいるようです。しかし、ドッグフードに含まれる穀物はきちんと加熱調理され、犬が消化できるように糊化(アルファ化)されています。糊化された複数の穀類を犬に与えたところ、100%消化吸収されたという研究データもありますので、アレルギーなどの心配がないのであれば、あえてグルテンやグレインフリーのドッグフードを選ぶ必要はないでしょう。

なお、グルテン・グレインフリーのドッグフードは、食物アレルギー専用の療法食ほど厳格にグルテンやグレインの混入を防いで生産されていないことがあるという報告もあるため、穀物に食物アレルギーがある犬に与える場合には注意が必要です。

グルテンフリーのドッグフードを犬に与えるメリット・デメリット

フードボウルの横に横たわるジャーマンシェパード
Snizhana Galytska/gettyimages
グルテンフリーのドッグフードには、主に以下のようなメリット・デメリットがあります。

グルテンフリーのドッグフードのメリット

  • グルテンに対するアレルギーを避けることができる

グルテンフリーのドッグフードのデメリット

  • 原材料を厳選するため高額になりやすい
  • 炭水化物の量が減ってタンパク質が多くなる傾向にあり、高齢の犬の場合は内臓に負担がかかることがある など

グルテンフリーのドッグフードに関するQ&A

ドッグフードを食べるジャックラッセルテリア
zkolra/gettyimages
グルテンフリーのドッグフードに関する「よくある質問」は、以下のとおりです。

一般的な総合栄養食のドッグフードよりグルテンフリーのほうが犬の健康によい?

犬の主食となるドッグフードは、愛犬の年齢や体質、健康状態にあったものを与えることが大切です。そのため、先述したようなグルテン過敏症や麦類にアレルギー反応を起こす犬の場合は、グルテンフリーのドッグフードが適しているといえますが、そうでない場合はとくにグルテンフリーを選ぶ必要はありません。

むしろ一般的な総合栄養食のドッグフードは、さまざまな原材料を使うことができるので栄養バランスが整いやすく、価格を抑えやすいといったメリットもあります。

犬が下痢をしやすい場合はグルテンフリーのドッグフードがいいって本当?

犬が下痢をする原因はさまざまです。愛犬に下痢の症状が見られるときは動物病院を受診し、原因を探ることから始めましょう。犬の下痢については、以下の記事もあわせて参考にしてください。

グルテンフリーのドッグフードを選ぶときのポイントは?

グルテンフリーに限らず、犬の主食となるドッグフードを選ぶときは、愛犬の体に必要な栄養バランスが整っているかどうかをチェックするようにしてください。
例えば、健康状態が良好な犬なら、総合栄養食のドッグフードのなかから成長段階(ライフステージ)に合ったもの選び、体調に気になる点がある犬の場合は、獣医師の診察を受けて不調の原因を正しく診断してもらい、そのうえでドッグフード選ぶとよいでしょう。

愛犬に食物アレルギーが疑われる場合は獣医師と相談してドッグフードを選ぼう

ドッグフードを食べるダックスフンド
Denise Erickson/gettyimages
グルテンフリーのドッグフードは、グルテンを含む麦類にアレルギーがある場合などにメリットがあると述べてきました。しかし、犬の食物アレルギーは、原因となる物質(アレルゲン)が数多くあり、特定が難しいという側面もあるため注意が必要です。

愛犬に食物アレルギーが疑われる場合は、自己判断でグルテンフリーのドッグフードを与えるのではなく、動物病院で診察や検査を受け、獣医師に相談しながらドッグフードを選ぶようにしましょう。

犬の食物アレルギーについては、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご確認ください。
監修/徳本一義先生(有限会社ハーモニー代表取締役)
文/長谷部サチ
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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