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獣医師監修|犬が吐く原因は?危険な嘔吐物の色や症状、対処法は

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犬は吐きやすい生き物といわれます。しかし、「いつものことだから」と飼い主さんが油断していると、命にかかわる病気を見逃してしまうかもしれません。今回は愛犬が吐いたときの、吐しゃ物の色や吐いたあとの犬の様子からわかる原因や、緊急を要する症状について解説します。

この記事の監修

茶色、透明……吐しゃ物の色から考えられる、犬が吐く原因とは?

画像/iStock、Getty Images Plus

犬が嘔吐したときは、何をいつから吐いたか、繰り返して吐いているか、何色か、嘔吐のほかに異変はないかをよく観察することが大切です。犬の吐しゃ物の色がわかるように写真を撮っておいて獣医師に見せると、原因の特定の助けになり、より適切な治療にもつながります。

吐しゃ物の色と考えられる原因

吐しゃ物の色考えられる原因
茶色未消化のフードを吐いている、食べたものに血液が混ざって茶色くなっている
ピンク色または赤色口の中や食道、胃、十二指腸、腫瘍などからの出血の可能性が
濃い赤色または赤黒い、黒い色胃潰瘍や腫瘍、胃、十二指腸の粘膜からの出血などの可能性が
黄色、緑色空腹などによって胆汁が逆流した、胃腸の働きが悪くなって泡状の胆汁を出した
透明、白い色水の飲みすぎや空腹、ストレス、胃酸過多、逆流性食道炎など

すぐ病院に行ったほうがいい犬の嘔吐!症状から考えられる病気は?

ケージに入った犬

愛犬が急に吐いたとき、すぐに動物病院に連れて行くべきか判断が難しいもの。犬が嘔吐のほかに痙攣(けいれん)や震えを起こしている、ぐったりしていて意識がない、誤食したなど、緊急性の高い嘔吐については、飼い主さんが知っておくことで早期発見につながることもあります。場合によっては開腹手術などが必要になることもあるので、下記のような様子が見られたら、すぐに動物病院へ向かうようにしましょう。

下痢を伴った嘔吐を繰り返す場合

愛犬が下痢を伴った嘔吐を繰り返す場合は、胃腸炎や大腸炎、膵炎(すいえん)といった内臓系の病気や、ウイルス性疾患などが疑われます。ウイルス性疾患の中でも、感染すると嘔吐の症状が見られるのは、コロナウイルス腸炎、レプトスピラ症、パルボウイルス腸炎など。

とくに緊急性の高いものがパルボウイルス腸炎で、最悪の場合は、1~2日で死に至ることもあります。子犬に多い病気で、ワクチン接種で予防できる感染症ですが、ワクチン接種をしていない、もしくは子犬の時期の最終ワクチン接種がまだ終わっていない子犬で嘔吐やトマトケチャップのような便が出たら、すぐに動物病院で受診してください。

下痢と嘔吐が同時に起こった場合の原因や対処などについては、下記の記事でも解説しています。

吐いたあとぐったりしている場合

愛犬が吐いたあと、明らかにぐったりしている場合は、緊急性が高いおそれがあります。とくに胃拡張や胃捻転症候群は、そのまま放置すると内臓の壊死(えし)や血行障害を起こし、全身性のショック症状や多臓器不全で死に至る危険な病気です。嘔吐を繰り返して愛犬に元気や食欲がない場合は、発熱していることも。
いつも元気な犬がぐったりしているときは、どこかに異常がある場合が多いため、なるべく早く動物病院に相談してください
また、多頭飼いをしている環境だと、ほかの犬たちも同じ症状に見舞われるおそれがありますので、急いで獣医師の診断を受けましょう。

誤食による中毒の可能性がある場合

ネギ類、チョコレート、タバコなどの中毒を起こすものを誤食しているとすでにわかっている場合は、すぐに吐き出させたほうがいいことも。誤食したものの種類や量によっては一刻を争う危険な状況ですので、すぐに動物病院に連絡して指示に従いましょう。

犬が中毒を起こすものについては、下記の記事も参考にしてください。

吐いたものに血が混ざっている場合

吐いたものに明らかに血液が混ざっている場合はすぐに動物病院へ。口の中や食道、胃、そのほかの内臓からの出血や、腫瘍による出血などのおそれがあります。

水を飲んでも吐く場合

フードを食べていないのに、水を飲んでも吐くときは、消化管が閉塞している場合や、胃捻転のおそれがあります。命にかかわる危険な状態のため、一刻も早く獣医師による適切な処置が必要です。

様子を見ても大丈夫な嘔吐は?様子を見るときの注意点とは

フードを食べる犬

犬が吐くときは早食いやアレルギー、ストレス、病気などさまざまな理由があります。
ここではその中でも吐く原因として多く、緊急性が低いものを解説。犬が吐くタイミングや吐しゃ物をしっかり見極めて対処することが大切です。
犬が嘔吐したあとは、しばらく水もフードも与えずに様子を見ましょう。症状が軽いようなら、少し時間をおいてから少量与えてあげてください。これで問題なければ、いつもどおりの食事に戻して大丈夫です。

早食いによるもの

食べ物を一気に食べるクセがある犬は、消化が追いつかず、食後に嘔吐することがあります。
愛犬に早食いの傾向があるなら、フードの粒の形状や大きさを変えて与える、食事の1回分の量を減らして少量を数回に分けて与える、消化しやすいようにふやかして与えるなどの工夫をするといいでしょう。そのほかにも食べるスピードを遅くする、早食い防止対策の食器を利用して、一気に食べないようにさせることも効果的です。

フードや食材が合わない場合

ある特定のフードや食材、サプリメントを与えた際にだけ嘔吐する場合がこれにあたります。初めて与えたときだけでなく、これまでは問題なかったフードでも、加齢や体調によって、嘔吐することも。ただ体に合わないというだけではなく、食物アレルギーが関わっている場合もあります

  • 小麦などの穀物類
  • 乳や牛乳
  • 鶏肉や牛肉などの肉類
  • 大豆
  • きゅうり、すいか、りんご、バナナなどの野菜や果物

また、アレルギーを起こす食材は1つとは限りません。
食物アレルギーと思われる症状が出たときは、最近与えたフードや食材、サプリメントをメモしておき、疑いのある原料について獣医師に相談してください。その際、食物アレルギーの血液検査などの提案があれば、そちらについても前向きに対応するとよいでしょう。その後、疑いのある原料が入っていないフードやおやつを選んで、6~8週間与えて症状の改善があるか、経過を見ながら判断します。

犬を車に乗せたときの車酔い

乗り物が苦手な犬は、緊張や不安などの精神的なストレスや、移動中の車の揺れなどによる体への負担で、車の移動のたびに吐いてしまうことも。車に乗る直前は食事や水を与えない、少し運動させてストレス発散後に車へ乗せる、ウンチとオシッコをさせてから車に乗せる、途中でこまめに休憩を入れながら走行する、などの方法で対処しましょう。
乗り物酔いが原因だと明確にわかっているような場合には、事前に動物病院で相談して酔い止めを処方してもらっておくといいですね。

犬の車酔いについて詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。

泡状のものを吐くケースも……朝ごはんの前に空腹で

「朝になると愛犬が黄色を帯びた液体や泡状のものを吐く」というシーンもよく見受けられますが、吐いたものの色が黄色や緑色の場合は、胆汁が含まれているということを意味します。これは空腹が原因で、胃液に胆汁が混ざっているからです。なお、空腹が原因の嘔吐の場合は、吐いたあとに絶食させる必要はありません。
愛犬が元気でごはんをしっかり食べていて、便や尿に異常がなければあまり心配する必要はありませんが、続くようであれば症状を和らげる工夫をするほうがよいでしょう。
毎朝繰り返すような場合は、朝ごはんの時間を早くするか、夜ごはんの時間を遅めにする、食事の量を減らして回数を増やす、間食や少量の夜食を与えるなど、空腹になる時間を短くするような対応をすると、嘔吐の予防につながります。

子犬に多い!ストレスによる胃炎

子犬は生後数カ月で母犬やきょうだい犬と別れ、まったく別の環境にやってくることになります。また、新しい家に小さな子供がいる場合は、力いっぱいなでられたりして疲れてしまうことも。
このような突然のストレスにより自律神経が乱れ、胃の動きをコントロールできなくなると、胃炎を起こして嘔吐を繰り返してしまうことがあります。

愛犬が嘔吐したときは自己判断せず動物病院へ!

部屋でおすわりする柴
Irina Vaneeva/gettyimages

犬の嘔吐は、状況によっては危険を伴うことも考えられ、今回解説したほかにも腎臓や肝臓、膵臓の病気、寄生虫が原因で吐くことがあります。愛犬の様子をよく観察し、いつもと様子が違う場合は早めに動物病院で受診しましょう。

動物病院に行くメリット

愛犬の健康を守るために欠かせない動物病院には、嘔吐時や、病気やけがといったトラブルの際は早めに受診を心掛けるのはもちろんですが、普段から健康診断やワクチン接種で通うことがおすすめです。
愛犬が動物病院に慣れていると、トラブルの際にも愛犬が怖がることなく受診できます。また獣医師が愛犬の性格や普段の様子を把握していれば、些細な変化にも気が付きやすくなりますし、的確なアドバイスをもらえるというメリットも。
獣医師に気軽に相談できるような関係性を築けていると、飼い主さんの安心感にもつながるでしょう。

定期的な寄生虫対策を

また、動物病院に通うメリットの一つに寄生虫対策があります。
子犬のころだけでなく、成犬やシニアになるまできちんとした対策が必要です。
場合によっては愛犬の命をも奪いかねない、フィラリア・ノミ・マダニといった寄生虫には梅雨時期から夏にかけてはもちろん、日本全国一年中注意が必要。室内飼いであっても、人が持ち込むこともありますし、布製のおもちゃや愛犬のベッドなどにノミがいるケースがあり、対策は欠かせません。
駆除薬には、フィラリア・ノミ・マダニ・複数のお腹の虫の駆除が一度にできるタイプのものもあります。かかりつけの獣医師に相談してみましょう。

日頃から健康管理をしましょう

犬は比較的吐きやすい動物で、必ずしも病気や緊急性を伴う事態というわけではありません。しかし、これまで見てきたように、状況によっては危険が伴い、すぐに治療が必要になるケースも。

日頃から愛犬の様子をよく観察し、食べたものや排泄物、吐しゃ物の様子、愛犬が元気かどうかなどから判断をし、少しでも心配があればかかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。

参考/「いぬのきもち」『ベテラン飼い主さんも意外と知らない 愛犬のストレス事典』
監修/石田陽子先生(石田ようこ犬と猫の歯科クリニック院長)
文/kagio
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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