犬と暮らす
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少量でも犬の命が危険な「植物・野菜」 葉や花粉、生けた水にも注意が必要!
人の食材だけでなく、庭や花壇でも注意が必要です。いぬのきもち獣医師相談室の白山さとこ先生が解説します。
犬が中毒死する可能性のある植物とは?
他にも危険な植物の例を挙げると、ユリ科の植物は犬にとって花や花粉、葉、球根など全てが有害で少量でも危険性が高く、花を生けた水や衣服、布についた少量の花粉でも死に至ることがあります。
犬が摂取した量によって違いはありますが、嘔吐・下痢・食欲不振・血尿・痙攣・吐血・大量のヨダレ・多臓器障害・肝不全などの症状がみられます。
ユリ科の植物には、ユリ、スイセン、チューリップ、ヒヤシンス、スズラン、(アロエ:現在はススキノキ科に分類)などがあり、身近に生育しているものが多いです。
タマネギ中毒は犬の命に関わる溶血性貧血を引き起こす
詳しく説明すると、ネギ類の独特なニオイは「アリルプロピルジスルフィド」という有機硫黄化合物によるもので、この成分によって有機チオ硫酸化合物の吸収が高められることで中毒症状を起こすとされています。
犬の体内にこれらの中毒物質が入ると、赤血球が壊されてしまい貧血を引き起こします。重度の貧血になると呼吸をしても身体中に必要な酸素が供給されず、体が酸欠の状態となってしまうのです。
症状が出るのは即時〜3日程で、貧血のほかにも尿細管の壊死(腎障害の一種)により腎不全を起こすなど毒性が高く、少量の摂取でも症状が出てしまう可能性があります。
ネギ類の食材やユリ科の植物など、私たちにとって身近な存在の植物は犬の命に関わる可能性があることを確認しておきましょう。
文/maki
構成/いぬのきもちWeb編集室
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿いただいたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
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