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ドッグフードに使われる「家禽副産物」「肉副産物」には、捨てるところや不衛生な部分が入っていませんか?

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ドッグフードの原材料には、鶏や肉の「副産物」と呼ばれる部分も使われている場合があります。飼い主さんのなかには、「副産物」にはさまざまな部位が該当するということから、普通だったら捨てるしかない部分や不衛生な部分も入っているのではないかという心配もあるようです。

法に基づいて安全性がチェックされている

 「家禽副産物」「肉副産物」という分類は、「肉」と定義された部分以外すべてを指すので、多くの部位が該当します。とはいえ、それらの全てがドッグフードに使われているというわけではありません。ドッグフードへの使用に適した内容で、清浄に処理されたものが使用されています。
 主な部位としては、家禽副産物であれば、心臓(ハツ)や砂肝、肝臓(レバー)などで、ほかの内臓や頭や脚を含んでいる場合もあります。肉副産物は主に、肺、脾臓、腎臓、脳、肝臓、血液、骨、脂をとったあとの脂肪組織や、内容物を含まない胃や腸などです。ドライフード用では通常、熱を加えて粉末状にしたミールの状態でドッグフードの製造に使用されます。国内製造では動物性の原材料は農林水産省やFAMIC(独立行政法人 農林水産消費安全技術センター)の確認を受けた製造ラインから調達しなければならず、納入時にもメーカーが内容や安全性をチェックしています。輸入製品についても、製品が日本国内の基準に合致するように製造が管理されています。

 衛生面について、原材料が不衛生だと何が問題かというと、第一に、大腸菌などの微生物が繁殖し、その微生物が直接わたしたち人や愛犬の体内で増殖して健康に被害を与えることです。これは、「ペットフード安全法」で病原微生物に汚染された原材料を使用することがないよう、厳しく監視されています。また、ドッグフードの製造段階で何度も加熱されることで、製品内に影響が残ることはありません。
 次に、カビの発生によってカビ毒などが発生することです。これは、健康に影響を与えるようなカビ毒が残留しないように、「ペットフード安全法」で定められています。このため、ドッグフードのメーカーや輸入業者には管理責任が生じています。
 また、「ペットフード安全法」が守られているかを監視するために、国に安全管理業務を委託されたFAMICが、抜き打ちで製品の品質チェックも行って結果を公表しています。

 このようなことから、ドッグフードのメーカーは、家禽副産物や肉副産物に限らず、すべての原材料の調達やその後の製造過程において、衛生面を正しく管理することを余儀なくされています。さらに、人の食材と同じレベルで管理するなど、高度な管理体制を設けているメーカーも多くあります。

さまざまな栄養素が含まれている良さがある

 次に、部位が多岐にわたることについて考えてみましょう。
 犬やその祖先のオオカミなどは、狩りをして仕留めた動物を、消化できる部分はすべて食べてしまいます。小動物の細かな骨ならバリバリ砕いて肉といっしょに飲み込んでしまうでしょうし、昆虫や爬虫類などであれば、丸ごと食べてしまうでしょう。
 つまり犬は、筋肉組織である正肉やビタミン・ミネラル満点の肝臓などだけでなく、さまざまな部位をおいしく食べていたのです。本来はそうすることで、さまざまな栄養素を摂取してきたのです。
 さまざまな原材料から栄養バランスを調整しているペットフードでも、犬がおいしく食べてくれて栄養豊富な家禽副産物や肉副産物を、有効に活用しているというわけです。

※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」に投稿されたものです。

おいしく食べられるものをみんなで無駄なく

 次に、畜産資源の有効活用という面で考えてみましょう。
 畜産資源には限りがあり、その1頭1頭が尊い命です。また、世界的にみて、食糧需給には偏りや不足があり、人口増加や貧困、政情不安などで満足な栄養をとれていない人口は8億人近く(9人に1人の割合)にのぼります(「世界の食料不安の現状 2015年報告」FAOより)。
 世界的に見て食糧が足りていない地域がある一方、食べられる部分を無駄に捨てている「食料廃棄」「食品廃棄物」も大きな社会問題となっています。地球上の限られた資源を様々な動物たちで分け合うということは、今後さらに人口が増加することが確実な現代においては、ますます重要になってくると思われます。

 人といっしょに暮らし、人からゴハンをもらう犬は、これら人の食糧問題や生産活動の問題の中に位置する存在ともいえます。わたしたちが食品を購入して調理する際に、いつでも無理なく買える価格であるように品不足や価格の高騰を心配したり、もったいない使い方をしないように心がけたり、使わないまま無駄に腐らせたりしないように気を付けたりするでしょう。ドッグフードや、その原材料についても、同じように考えていく必要があります。

 これは何も、正肉(しょうにく)を犬が食べるのはもったいないから残り物で我慢しなさいとか、廃棄物を減らすために犬に消費してもらうとかいうことではありません。食肉文化の歴史の浅い日本では、家禽や家畜の副産物部分をモツやホルモンと呼んで食べることが一般的になったのは近年のことですが、食肉文化の歴史の長い国や地域では「鳴き声以外は食べられる」などの言葉もあるくらい、できる限り余すところなく加工・調理して食べるものでした。ここに、動物のいろいろな部位を食べて栄養をとってきた犬も加わると考えていいでしょう。
おいしくて栄養になるところを無駄にしない、そのことが畜産資源の有効活用になり、食べられるのに捨てられるものを減らすことにつながります。

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監修/徳本一義(獣医師)

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