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犬の散歩の基礎知識~開始時期、回数、時間、注意点など

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子犬を迎え、ワクチンの接種を終えたら、いよいよお散歩デビューです。散歩には、愛犬を外の世界に慣れさせる、適度な運動で健康維持をする、ストレス発散、リフレッシュなどの目的があり、犬を飼ううえでは欠かせません。ここではより安全に散歩できるよう、「散歩のキホン」をご紹介します。

散歩の目的

散歩の目的のひとつは、運動不足によって愛犬を太らせないこと。また、適度に運動することでストレスを発散させ、気分転換をするといった犬のメンタル面の健康維持にもなります。とくに、運動が好きな犬種は、散歩ができないとストレスがたまり、吠えたり、物を破壊したりといった問題行動を起こすことも。問題行動の予防にも散歩は有効です。もうひとつの目的は、外の世界のさまざまな刺激に慣らせること。知らない人や犬、車やバイクの音、いろいろなニオイ、地面(アスファルト、土、草など)の感触などに早いうちから慣らしておくことで、人との生活がよりストレスなく、快適になります。また、散歩中にアイコンタクトをする、「オスワリ」や「マッテ」をすることで、飼い主さんと愛犬の関係性がよりよくなるというメリットもあります。

散歩はいつから? 回数・時間は?

散歩は、さまざまなものを覚え、その犬の性格を形成する社会化期に始めるのが理想。社会化期は生後3~4カ月くらいです。ワクチン接種を終えてからにしましょう。いつから始めればよいか迷うときや、回数、時間などは犬種によって異なるため、ワクチン接種をした動物病院の獣医師に相談するといいでしょう。最初は家のまわりを決まったルートで歩かせ、散歩に慣れたら(飼い主さんの指示に従えて、人通りの多い場所や車の音などを怖がらず、落ち着いていられるようになったら)ルートを変えてもかまいません。

散歩に必要なもの

首輪とリード

愛犬をコントロールするために必ず必要です。リードは持ち手が手のひらに収まりやすく、丈夫なナイロン製がおすすめです。長さを手元で調節できる伸縮リードは事故の危険性があり、散歩に慣れていない犬には不向きです。

お散歩バッグ

トイレシーツ、ウンチ袋、水入りのペットボトルなど、排泄物を処理する道具を入れて持ち歩くのがマナーです。両手が使えるよう、斜めがけできるバッグが便利。

フードやおやつ

万が一愛犬が歩かなくなったときや、段差を越えさせるとき、ほかの人や犬とすれ違うときなどに誘導のために使います。たくさん与える場合は、1日分のゴハンの適正量から差し引いて使いましょう。

散歩中のマナー

トラブルにならないために、愛犬連れの散歩では以下のようなマナーを必ず守りましょう。
・愛犬のウンチは必ず拾って持ち帰る。
・オシッコをしたときは、持参した水をかける。
・公園では、犬の立ち入りが禁止されていないか確認し、禁止の場合は立ち入らない。
・ベンチには直に乗せずに、ひざの上に乗せるか、シートを敷いてから乗せる。

散歩中に役立つしつけ

アイコンタクト

愛犬の名前を呼んだら飼い主さんの顔を見られるようにしておくと、苦手な人や犬とすれ違うときや、拾い食いをしそうなときに防ぐことができます。

オスワリ

散歩前にリードをつけるとき、排泄物を片づける間などに「オスワリ」ができると、スムーズです。

マッテ

玄関を開けた瞬間愛犬が飛び出さないよう、扉を開ける前に「マッテ」を。また、交差点を渡るとき「マッテ」ができると、愛犬が飛び出す危険を回避できます。信号のない交差点でも、「マッテ」をして安全確認をしてから渡りましょう。

散歩に慣らす手順

1 抱っこや犬用カートで外に慣らそう

はじめのうちは抱っこや犬用カートなどに乗せ、外のさまざまな刺激に慣れさせましょう。音やニオイ、風、人や犬などを見せたり、感じさせたりして。

2 地面に下ろしてみよう

ワクチン接種を終えたら、愛犬を地面に下ろしても大丈夫です。最初は車や人通りが少なく、家に近い場所でトライを。抱っこの状態から、そっと地面に下ろしてみましょう。下ろしたらフードを与えてみます。フードを食べられればその場所への恐怖心はないというサイン。フードが食べられなかったら、かなり緊張状態なので、抱っこで場所を変えたり、日を改めてみましょう。アスファルトの上やマンホールの上、グレーチング(鉄格子)の上、スロープや段差、土の上、草の上など、いろいろな地面の感触に触れさせて。

3 正しいリードの持ち方を覚えよう

リードを正しく持てれば、危険を回避しやすくなるだけでなく、愛犬もリラックスして歩けます。ここでは基本の「両手持ち」を紹介します。

・リードを右手にかける
リードの先端の輪を、右手の親指にかける。次に左手のこぶしを縦にしてリードの中間を握る。

・愛犬を左側につかせる
愛犬を飼い主さんの左側につかせ、「オスワリ」。飼い主さんはひじをわきにつけ、左腕を90°に曲げる。この状態で、「アイコンタクト」をしたりしてみる。左腕を90°に曲げたときに、リードがピンと張る位置に結び目を作っておくと、持つ場所の目安になる。

・ひじを伸ばしてリラックス
左腕を伸ばすとリードがたるみ、安全を保ちながらも愛犬がリラックス。

・フードやおやつで誘導してみよう
いろいろな地面の感触を覚えたら、フードを持った手を愛犬の鼻先につけ、その状態で歩けるかやってみましょう。まわりの刺激を気にせずに、誘導に集中できるのが目標です。数歩歩けたら、ほめてフードを与えましょう。

4 アイコンタクトをとりながら歩いてみよう

名前を呼んで愛犬が飼い主さんの顔を見たら、歩きはじめます。愛犬が飼い主さんから視線を外したら、その場で立ち止まり、再び飼い主さんを見るまで待ちます。飼い主さんを見たら、フードを与えて再び歩き、視線を外したら止まる→見上げたらフードを与えて歩く、を繰り返します。愛犬は「飼い主さんの顔を見たらイイコトがある(フードが食べられる)」と覚え、アイコンタクトを続けながら歩けるようになっていきます。覚えるまでには個体差はありますが、繰り返し、根気よく練習しましょう。

5 リードをゆるめて歩いてみよう

アイコンタクトをしながら歩けるようになったら、リードをゆるめて歩く練習を。リードをゆるませると、愛犬はニオイ嗅ぎで情報収集するなど、少し自由になります。リードをゆるめた状態で、犬だけがグイグイ進もうとしたら、飼い主さんはその場でストップ。犬が進むのをやめてリードがゆるんだら、再び歩きはじめます。「リードがゆるんだら、イイコトがある(行きたい方向に行ける)」と覚えさせるのが目標。ここまで覚えられたら、少しずつ横について歩ける距離を延ばしていきましょう。

散歩中の困りごと

犬の散歩中に起こる、さまざまな困りごとについて、Q&A形式でご紹介します。

Q 地面に下ろしても歩かないときは?

A ロープつきのおもちゃで遊ばせながら誘導を
まだ犬が外の環境に慣れず、恐怖心があるのかもしれません。お気に入りのおもちゃに長めのロープをつけて、投げて取りにいかせる要領で歩くように誘導してみましょう。外で遊ぶことで、恐怖心が薄れていくでしょう。

Q 少し歩くと止まってしまうときは?

A 動いたらフードを与えてみましょう
飼い主さんが愛犬の前に立って、愛犬が一歩でも動いたらフードを与えましょう。動いたらイイコトがあると覚えさせることが大切。動かないのにフードを与えたり抱っこしたりすると、止まっていればイイコトがあると覚えてしまい逆効果になりかねません。

Q 外だとアイコンタクトができないときは?

A 根気よく練習しましょう
外には気になるものがたくさんあるため、家の中でできることが外ではできないことはよくあることです。犬の注意をひくようなものが少ない静かな場所を選んで、繰り返し練習しましょう。犬によっては最低でも半年かかる場合も。静かなところから少しずつ、段階を踏んでトライしましょう。

Q ほかの犬とのすれ違いができない……

A 愛犬の視界にほかの犬が入らないようにしましょう
むやみに近づくと、吠えたり、場合によってはケンカになってしまうことも。アイコンタクトができるなら、飼い主さんに集中している間にすれ違うのが理想ですが、難しい場合は抱っこして背を向け、相手が通過するのを待ちましょう。

夏・冬の散歩の注意点

夏は暑い時間帯を避ける

日差しの厳しい夏場、日中散歩に出かけるのは犬にとって暑すぎ。熱中症のほか、高温になったマンホールやアスファルトの上を歩いて肉球をやけどすることもあるので、気温が低めの明け方や夜に散歩しましょう。ただし、夜は昼より涼しい半面、暗い道に危険が隠れていることも。反射するタイプや光るタイプの首輪やリードを使用し、車や自転車、ほかの歩行者に存在を気づかせる工夫をしましょう。飼い主さんも懐中電灯を持参すると、暗い中でのウンチの処理や、誤飲したら危険なゴミなどを見つける際に役立ちます。夏は虫も多いので、犬用の防虫スプレーをかけて出かけるのもいいでしょう。

冬は防寒対策をしっかりと

冬場は防寒対策をしっかりして暖かい時間帯に散歩に行きましょう。寒いのが苦手だったり、冷たい地面を嫌がって歩かなくなる犬もいます。基本の誘導でも動かない場合は無理をしないで。ただし、散歩の時間が減ると運動不足になりがちなので、散歩を減らした分は、家の中で引っ張りっこをしたりして、運動をさせるようにしましょう。

出典:『いぬのきもち』2016年9月号(初めて版) 「しつけコンプリートドリルvol.7 お散歩しつけ」、
『いぬのきもち』2016年8月号(初めて版) 「真夏の夜の散歩術」

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