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【獣医が教える】犬の避妊手術を徹底解説!時期、方法、費用まで

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メス犬を飼うと、動物病院から勧められることが多い避妊手術。病気を予防するためにも、適切な時期に手術を受けておくと安心です。今回は、避妊手術にかかる費用や手術方法、メリット・デメリットなどの疑問を詳しく解説します。


目次

犬の避妊手術~時期や手術方法

犬の避妊手術費用の相場

犬の避妊手術費用に違いが見られる理由

犬の避妊手術費用の補助金・助成金

犬の避妊手術でのメリット・デメリット

犬の避妊手術を納得できる費用で受けるには

犬の避妊手術 は信頼感できる動物病院で

犬の避妊手術~時期や手術方法

ダックスフンド
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

手術の時期

・いつまでにするの?


何才までにしなければいけないという決まりはありません。しかし、避妊手術は全身麻酔で行いますので、リスクを考えるとできるだけ体力のある若いうちにしたほうがよいでしょう。また、病気を予防する目的でいえば、初めての発情前に行うことがよいといわれています。個体差はありますが、初めての発情は6カ月から1才くらいで始まり、その後は6カ月周期で起こります。

・手術時期によって病気の発症率が変わる


乳腺腫瘍の場合、避妊をしていない犬と比べ、最初の発情前に避妊手術を行った犬は発生率が0.5%ほどになります。その確率は時期を追うごとに上がっていき、2才半を過ぎると予防の効果がほとんど得られなくなるといわれています。
乳腺腫瘍の予防を期待するのならば、最初の発情前である6カ月から1才くらいの間に手術をするのが望ましいでしょう。また、術後の回復も、若くて体力がある方が早いとうメリットもあります。

・発情期は手術できない


ただし、発情しているときは手術をすることができません。発情中は、子宮が腫れて充血しているため手術中の出血量が多くなったり、急激なホルモンバランスの変化による体調不良を引き起こしたりするおそれがあるからです。発情が終わっても、しばらくは子宮が腫れた状態が続きますので、手術をする場合は発情から最低でも1カ月は期間を空けるようにしましょう。

手術の方法

メス犬の避妊手術の方法は、大きく分けて2通りあります。左右にある卵巣だけを摘出する方法と、卵巣と子宮を全摘出する方法です。それぞれの術式にメリットとデメリットがあります。

・費用はどう違うの?


動物病院によって異なりますが、回復手術で卵巣と子宮を全摘出する方法に比べ、卵巣のみを摘出する腹腔鏡手術は費用が高くなる傾向があります。その理由として、卵巣のみを摘出する手術で使用する腹腔鏡や血管シーリングシステムは、高価な医療機器であることが挙げられます。
これらの医療機器を使用するには、その医療機器を購入する費用に加え、使用するたびに行う滅菌作業や消耗品の部品に対する費用が発生するため、腹腔鏡で卵巣のみを摘出する方法の方が少し高くなることがあるようです。

・病気の予防効果に違いはあるの?


卵巣と子宮を全摘出する方法は、子宮自体に発生する病気も予防することができます。子宮蓄膿症であれば、卵巣の摘出だけでも十分に予防効果はありますが、子宮に発生するリスクは子宮を摘出しない限りなくなりません。

・リスクに差が出るの?


卵巣のみを摘出する手術を行った場合、卵巣が取り切れていなかったときに、妊娠の可能性が考えられますが、卵巣と子宮を摘出する方法で手術をすれば、その可能性はなくなるので安心です。ただし、卵巣のみを摘出する方法に比べ、卵巣と子宮を摘出する方法は傷が1cmほど大きくなり、手術時間も長くなるので麻酔時間が長くなります。
しかし、子宮を残すさまざまなリスクを考えると、現在の日本での避妊手術は、卵巣と子宮を両方摘出する方法が一般的となっています。獣医師とよく相談して、どちらの方法で手術を行うのか決めるようにしてください。

いぬのきもち WEB MAGAZINE「するならいつがベスト?女子犬の「避妊手術」の疑問5つを解説!

犬の避妊手術費用の相場

お金と犬

費用の相場

避妊手術を受けたいと思うけど費用はいくらかかるの? 手術の前には、そんな不安も出てくるでしょう。動物病院は自由診療なので、病院によって手術費・入院費等が異なります。避妊手術も同様ですが、おおよその相場として小型犬で40,000〜60,000円、大型犬で60,000〜80,000円くらいです。
かなり幅はありますが、手術前後の検査や処置・抜糸などを含めると、このような価格帯の病院が多いようです。

ペット保険の対象になる?

よくある質問のひとつに「避妊手術はペット保険の対象になるか」というものがあります。基本的に、避妊手術にかかった費用は保険の適用外です。

理由として、保険は定期的に費用を支払った人に対し、予期せぬ病気や怪我の治療費を補償するものであり(※保険会社によって補償の範囲は異なります)、自発的に行った治療もしくは予防に対しては補償できないからです。
近年、ペット保険の種類が飛躍的に多くなり、さまざまな条件の下、治療費を補償する保険会社が増えてきました。補償内容について詳しく知りたい場合は、保険会社に問い合わせてみましょう。

余談ではありますが、適切な時期に避妊手術を受けていることで、その後のペット保険の保険料が割引されるケースがあります。これは、避妊手術を受けることで、将来的に一部の病気になるリスクが減るためです。ペット保険を検討している場合は、このことについても問い合わせてみるとよいでしょう。

犬の避妊手術費用に違いが見られる理由

エリザベスカラーをつける犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

避妊手術の費用が動物病院や犬種、犬の年齢によって違いが見られる理由とは何なのでしょうか。

手術前後の処置の違い

手術前の準備には、血液検査・レントゲン検査・超音波検査・点滴・麻酔前投与薬など、手術後の処置には、抗生剤・エリザベスカラー・手術服・一泊の入院・抜糸などがあります。
これらは、セットプランになっていることがあるのですが、動物病院の方針によって、その内容が若干異なります。また、プランに入っていないものをオプションで追加するケースもあるので、費用に多少の違いが見られるのでしょう。

手術内容の違い

卵巣と子宮を全摘出する手術に比べ、卵巣のみを摘出する手術の方が高くなる傾向があるように、手術内容によって使う機械などが異なるため、費用に差が見られることがあります。

患者の「状態」の違い

犬の健康状態によっても費用に違いがでます。手術で必ず行わなければならない全身麻酔も、近年は獣医医療の進歩により、その安全性は大きく向上しました。しかし、心臓病や腎臓病を患っている高齢の犬と、若くて健康な犬とでは麻酔リスクに差が出てきます。
その大きくなったリスクを少しでも減らすため、持病がある犬や高齢犬には追加検査や追加薬剤を使用するため、費用が若干高くなることがあるようです。

患者の「体格」の違い

ほとんどの薬は、犬に対して使用する際、投薬量が体重に比例して変化します。例えば、3kgの犬に1mlの薬を投薬する場合、30kgの犬では10mlの投薬が必要に。避妊手術でも麻酔薬をはじめ、複数の薬を使用します。麻酔薬は胃薬や抗生剤などと比べると高価な薬品です。特に、大型犬ではそれだけ費用が高くなります。

価値観の違い

ここまでとは少し違った観点になりますが、実際に獣医師の先生が経験されたことをご紹介します。獣医師の先生がある病院で勤務されていたとき、ある飼い主さんから次のような意見があったそうです。

「この病院はスタッフの感じもいいし、評判もいい。治療はよく効くし、いつも本当に助けていただいています。でも、価格が安いことだけが心配なので、手術や入院が必要になったときは、治療費が高い病院に行きたいと考えています。申し訳ないのですが、よろしくお願いいたします。」

牛丼屋さんではありませんが、獣医医療も丁寧・愛情に加えて上手い・安い・早いが求められているものと考えられていた当時の先生は、勤務医ながらにはっとさせられたそうです。安すぎる費用は、飼い主さんに不安を与えることもあるのだと。
こうした個人の考え方によっても、避妊手術の費用にある程度の差が出てくるのかもしれません。

とはいえ、多くの動物病院は飼い主さんの負担が大きくならないよう、治療のクオリティを高く維持しつつ、なるべくコストを抑えて医療費に反映しようと努力しています。安価でも高いクオリティの治療をしている動物病院はたくさんあります。

犬の避妊手術費用の補助金・助成金

メス犬
いぬのきもち投稿者ギャラリー

近年、避妊手術はほかの手術と比べると、良心的な価格設定になってきています。しかし、少しでも費用を抑えられると、やはり助かりますね。そんなときは、補助金・助成金を活用する手もあります。

補助金・助成金制度とは?

住んでいる、または犬を飼育している地域の市区町村が、避妊手術に対して費用の一部もしくは全額を負担してくれる制度です。しかし、近年では多くの自治体で助成金制度の見直しがなされており、対象が「飼い主さんのいない猫」に限られてきています。
居住している地域によって制度は異なりますので、補助金・助成金を検討している場合は住んでいる市区町村に問い合わせてみましょう。

例:三重県、桑名市
・ 条件:市への犬飼育登録済み、年度内に狂犬病を接種済み
・方法:補助金申請書、獣医師の手術実施証明書を指定の役所へ提出する
・ 期間:手術後1年以内
・ 金額:2000円

犬の避妊手術のメリット・デメリット

先生と犬

ではここで、避妊手術を受ける前に知っておきたい、メリット・デメリットについて見ていきましょう。

メリット

・望まない妊娠を防ぐことができる


発情中のメス犬は特有のフェロモンを出し、それにオス犬が反応してしまうため、発情中のお散歩は、他の犬に気をつける必要があります。興奮したオス犬により事故的に妊娠ということにもつながりかねません。避妊をしていれば、望まない妊娠を防ぐことができます。

・発情に伴うストレスや興奮を予防できる


避妊手術を受けると発情しなくなるため、発情に伴う体調の変化も気にならなくなり、ストレスや興奮を予防することもできます。ストレスを少なくすることは犬のためにも、人との円滑な生活を維持する上でも大切です。

・子宮蓄膿症や卵巣腫瘍、乳腺腫瘍などの病気予防になる


避妊手術を受けることによって、子宮や卵巣など生殖器関連の病気になりにくくなります。ただし、年齢が上がるごとに病気の発症率は高くなるため、病気の予防が目的の場合はできるだけ早めの手術がよいでしょう。

デメリット

・子どもがつくれなくなる


生殖器を取り除くため、手術後は子どもをつくれなくなります。もし、子どもを産ませたいと考えているならば、手術を受けないことも選択肢のひとつです。

・太りやすくなる


手術後は、卵巣を摘出したことによりホルモンバランスが変わり、太りやすくなる傾向にあります。必要なカロリーも手術後は3割ほど減りますので、フードの見直しや食事量の調節をして肥満予防をしましょう。

・全身麻酔のリスク


避妊手術の場合は、全身麻酔をかけることになります。0.1~0.2%ほどの低い割合ですが、血圧低下などの症状がでることがあります。ごくまれですが、短頭種は術後、麻酔をかけるための気管チューブを外した後に、呼吸困難に陥るケースも見られるようです。そのため、手術前には、その可能性を見極めるための血液検査やエックス線検査を行い、全身の状態をチェックします。

いぬのきもち WEB MAGAZINE「犬の避妊去勢手術について~必要性、メリット・デメリット、方法、費用、時期」

いぬのきもちWEB MAGAZINE「獣医監修|犬の子宮蓄膿症~症状・原因・手術費用・術後のケアまで」

犬の避妊手術を納得できる費用で受けるには

見つめる犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

避妊手術の費用を抑える工夫としては、助成金もペット保険もほとんど使えないというのが現状です。となると、実際に動物病院から請求される費用が納得できる費用であることが唯一の納得解になります。そのためにはどうすればいいのか、いくつかの観点から考えていきましょう。

電話で費用を確認する

ホームページなどで避妊手術費用の公開をしていない動物病院には、電話で費用の概算を聞いてしまうのが手っ取り早いでしょう。前述したように、犬の状態によって費用は変動しますが、一般的な状態の犬の避妊手術の手術費については教えてくれるはずです。

ちなみに、ホームページなどで費用の公開をしない理由としては、動物病院の価格競争を防ぐためということがあります。病院によって、その費用に設定する事情がありますので、価格優先社会となり医療に支障をきたす事態は避けたいところです。

費用の内訳表示の有無を確認する

動物病院では、費用がかかる項目の設定について規制がありません。明細書が避妊手術の総額だけの表示であることもあれば、費用が処置や薬の項目によって細かく分けられている場合もあります。項目が細分化されている方が納得いくようであれば、どのような項目に分かれているかも質問してみましょう。

項目が細分化されている場合には、以下のような項目があります。

診察料/採血料/血液検査(血球検査、生化学検査)/レントゲン検査/注射料/抗生剤薬価/血管確保/静脈点滴/麻酔前投与薬/麻酔/手術/内服薬/抜糸料

ただし、細分化されているから安いというわけではないので注意してください。

3.信頼のおける動物病院を選択する

いかに安い費用であっても、信頼関係のない動物病院であれば納得できないかもしれませんし、いかに高い費用であっても信頼関係のある動物病院であれば納得できることもあります。普段から些細なことでも相談できる信頼関係を築いておくとよいでしょう。

犬の避妊手術は信頼感できる動物病院で

先生と犬

ここでは、避妊手術の費用を中心に解説してきましたが、獣医医療は飼い主さんと病院との信頼関係がなくては成り立たないといえます。避妊手術の費用に対して納得できないなどの問題がなければ、普段から付き合いがあり信頼関係を築いている動物病院で手術を受けるのが最も良い選択でしょう。
何かあったときに、いつでも相談できるかかりつけ医をつくっておくことが大切です。

参考/「いぬのきもち」2017年4月号『(初)避妊・去勢手術体験談』(監修:東京動物医療センター副院長 南直秀先生)
   「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『犬の避妊・去勢手術について~必要性、メリット・デメリット、方法、費用、時期』
   「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『【獣医が教える】犬の避妊手術の時期、メリット・デメリットについて』(監修:右京動物病院SAGANO院長 平野陽太先生)
監修/滝田雄磨(SHIBUYAフレンズ動物病院 院長)
文/gyo
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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