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獣医師監修|犬がゴハンを食べない…考えられる5つの原因と対処法を解説

愛犬が急にゴハン(ご飯)を食べなくと、飼い主さんはとても不安になりますよね。犬がゴハン(ご飯)を食べなくなる原因は、主に病気・ストレス・わがまま・年齢・フードなどの理由に分けられます。そこで、5つの原因に対するその対処法をご紹介します。

犬がゴハンを食べない原因①「病気」

シェットランド・シープドッグ
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

病気が原因で犬がゴハンを食べないときの特徴は?

病気が原因で犬がゴハン(ご飯)を食べないときは、下痢や嘔吐、元気がないなどの症状が見られることがあります。ゴハン(ご飯)だけではなく水も飲まない場合はとくに注意が必要です。

原因として考えられる主な犬の病気

犬の食欲が低下する病気としては、消化管や肝臓、腎臓、すい臓などの内臓疾患が考えられます。この場合は、下痢や嘔吐などの症状が見られることが多いです。

また、食べるのを躊躇する、片方の歯で食べにくそうにしているなどの場合は、歯周病や口腔内腫瘍などの病気が原因となっているケースも。この場合、歯の汚れ(歯石・歯垢)や、歯茎の腫れ・ただれ、口臭などの症状が見られるでしょう。

一時的な風邪や体調不良の場合も

風邪などで一時的に体調が悪いときや、夏場に気温が上がると、食欲が低下し食べなくなることもあります。症状がひどく熱中症などにかかった場合は、人と同様に命に関わるおそれもあるため大変危険です。

病気が原因の場合の対処法

どの病気の場合も、早期発見・治療につなげるため、異変を感じたらすぐに動物病院を受診しましょう。

また、熱中症ではなく夏バテで食欲が落ちているときは、やわらかいフードのほうが食べやすい場合もあります。そこで、いつものドライフードに水や肉のゆで汁(※)などをかけ、ふやかしてから与えてみるのもひとつの手です。

※食事制限のある犬には与えないでください。
犬の熱中症や夏バテについては、以下の記事もあわせて参考にしてみてください。

犬がゴハンを食べない原因②「年齢」

ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

年齢が原因で犬がゴハンを食べないときの特徴は?

老犬がゴハン(ご飯)を食べないときは、年齢(加齢)が原因かもしれません。犬は年齢を重ねると運動量が減り、消化吸収能力や味覚、嗅覚なども衰えてくるため、食欲が落ちる傾向にあります。そのため、老犬になって食べる量が多少減っても、体重が維持できていて、元気があれば様子を見ることもできるでしょう。

ただし、7~8才ごろから病気にかかりやすくなるので、食欲の低下を「ただの老化」と見過ごさず、動物病院で定期的にチェックしてもらうことも大切です。

子犬から成犬への成長過程で食欲に変化が見られる場合も

今まであっという間にゴハン(ご飯)を食べていた生後6カ月齢くらいの犬が、急にゴハン(ご飯)に興味を示さなくなり、食いつきが悪くなった場合も年齢が原因の可能性があります。この場合、体を成長させるためのエネルギーが少しずつ必要なくなり、年相応の食欲になっていると考えられるため、体重や元気に問題なければ心配いらないでしょう。

迎えたばかりの子犬の場合は恐怖心などが原因かも

また、生後6カ月齢を迎える前のお家にきたばかりの犬は、ゴハン(ご飯)を入れている器が怖い、環境の変化に慣れていないなどの場合も。その場合は新しい環境に慣れることを最優先にしてあげましょう。

年齢が原因の場合の対処法は?

老犬の場合

動物病院を受診してとくに病気の徴候などが見られない場合は、食欲が湧くような工夫をしてあげましょう。例えば、香りが立つようにいつものフードを温めたり、少しだけトッピングをしたりするのがおすすめ。やわらかいもののほうが食べやすそうにしているなら、ウエットフードに切り替えるのもいいでしょう。水分補給もできるので、飲水量が減った場合にも役立ちますよ。

子犬の場合

食べないからといって、もっとおいしいものを与えたりフードを色々変えてみたりする必要はありません。とくに変わった様子が見られなければ「成長によるもの」と考え、30分ほどフードを出していても食べない場合は、いったん下げてみましょう。
 
食事のリズムをつくってあげることで、「フードは出されているときに食べる」という習慣がつくようになります。また、フードの量が適正なのかどうかも確認しましょう。

犬がゴハンを食べない原因③「フード」

プードル
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

フードが原因で犬がゴハン(ご飯)を食べないときの特徴は?

犬の食事は、「子犬期」「成犬期」「シニア犬期」と、それぞれのライフステージに合ったものを与えるのが基本です。しかし、いきなり子犬期用のフードから成犬期用のフードに替えるなど、年齢に合わせてフードを替えた場合は、その違いに警戒して食べなくなる犬もいます。

また、これはわがままになっているともいえますが、単に新しいフードの味やニオイ、食感が好みではなく、食べなくなるケースも。

フードが原因の場合の対処法は?

フードの種類を新しくするときは、いつものフードに新しいフードを混ぜ、1週間ほどかけて徐々に切り替えましょう。そうすることで、新しいフードに対する警戒心が薄れるはずです。

なお、愛犬がゴハン(ご飯)を食べないからといって、次から次へと食いつきのいいものに替えたり、過剰にトッピングを追加したりすると、さらに好き嫌いをするようになるので要注意。わがままで食べなくなってしまったときと同様に、与えてから30分程度経過したらフードを下げ、次のゴハン(ご飯)の時間まで何も与えないようにし、ほかに選択肢がないことを理解させましょう。

犬がゴハンを食べない原因④「ストレス」

チワワ
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

ストレスが原因で犬がゴハンを食べないときの特徴は?

ストレスが原因で犬がゴハン(ご飯)を食べないときは、同時に元気がなくなったり、逆に吠えたり唸ったりするなどの行動が見られることもあります。

また、ストレスで自律神経のバランスが乱れると、下痢や嘔吐といった体調不良を起こすことがあるため、飼い主さんは病気と区別がつきにくいケースも。この場合は、かかりつけの獣医師に相談してみると安心です。

原因として考えられる主な犬のストレス

環境の変化

犬にとって環境の変化は、大きなストレスになることもあります。よくある例では、引っ越しなどがあげられますが、家の近くで行われる工事やその音などにストレスを感じる犬も。

スキンシップ・運動不足

飼い主さんとのスキンシップ不足や十分な散歩(運動)ができていないと、犬はストレスを感じることがあります。

ストレスが原因の場合の対処法は?

犬の食欲不振の原因がストレスの場合は、考えられるストレスの原因を取り除いてあげることが根本的な解決策となります。そのため、コミュニケーション不足が原因の場合は、一緒に遊んであげる時間を増やす、運動不足が原因の場合は、散歩の時間や回数を増やすなどして、愛犬と積極的にコミュニケーションを取るように心がけましょう。

なお、明らかに一時的なストレスが原因とわかっている場合は、いつものフードに食欲が増すようなトッピングをほんの少しだけ追加して、様子を見るのもOKです。

犬がゴハンを食べない原因⑤「わがまま」

ラブラドール・レトリーバー
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

わがままが原因で犬がゴハンを食べないときの特徴は?

「ゴハン(ご飯)は食べないけれどおやつは食べる」という場合は、犬がわがままになっているのかもしれません。おやつや人の食べ物などを過剰に与えていると、主食となるべきフードをなかなか食べてくれなくなることがあります。

フードを選り好みしている場合も

フードの食いつきがよくなかったときに、さまざまなフードを試したり、おいしいものをトッピングしたりといった変化を与えたことで、犬は「まだ好みの味のものが出てくるかも」と期待し、食べずに新しいものを待っている場合があります。
一度おいしいものを知ってしまうと、そのゴハン(ご飯)が出されるまで頑なに待ち続ける犬も。

わがままが原因の場合の対処法は?

わがままでゴハン(ご飯)を食べなくなっている場合は、与えてから30分程度経過したらフードを下げ、次のゴハン(ご飯)の時間まで何も与えないようにしましょう。いずれはお腹が空くので、食べるようになるはずです。
 
また、フードは新しいものにせずに、これまで食べていたものを与え続けることもポイント。原因がわがままだとなかなか食べてくれないかもしれませんが、根気よく続けることでもとの食生活に戻ることが多いです。

なお、一度おやつしか食べなくなってしまうと少しずつ減らすのは難しいので、やめるなら一度にスパッとやめてしまいましょう。しつけやトレーニングのごほうびを与えたいときは、ふだんのフードから少量取って与えてあげるのもおすすめです。

犬がゴハンを食べないときの気になる疑問まとめ

マルチーズ
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
いぬのきもちWEB MAGAZINEには、愛犬がゴハン(ご飯)を食べないことに関するお悩みも多数寄せられていますのでご紹介します。

Q.フードにトッピングしないと食べません

Q.ドライフードを食べません

Q.食が細くて困っています

Q.食欲が低下していますが動物病院へ行ったほうがいいですか?

Q.痩せ気味なのに食べてくれません

どうしても愛犬がゴハンを食べない場合は動物病院へ

狆
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
今回は、犬がゴハン(ご飯)を食べないときの対処法を原因別にご紹介しました。ゴハン(ご飯)を食べるように対策しても解決しない場合は、動物病院で相談してみましょう。

一見元気に見えても、何らかの病気やストレスを抱えていたというケースも少なくありません。安心して毎日を過ごすためにも、飼い主さんの適切な行動が肝心ですよ。
参考/「いぬのきもち」特別編集『80万人の飼い主さんの体験から作った!子いぬと仲良くなる育て方(健康・お世話編)』
   「いぬのきもち」2017年11月号別冊『ドッグフード大事典』
   「いぬのきもち」2016年10月号『そのしぐさで早期発見してあげて “なにか変!?”で気づく愛犬の病気』
監修/石田陽子先生(石田ようこ犬と猫の歯科クリニック院長)
文/いちのへ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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