犬と暮らす
UP DATE
【獣医師監修】犬の鼻水は病気のことも 気を付けたい症状は
犬が鼻水を垂らしているときは、病気が原因の可能性もあるので注意が必要です。今回は、犬が鼻水を垂らす原因や、注意したい鼻水の特徴について解説します。鼻水の対処法や予防法などについても解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
石田 陽子 先生
石田ようこ犬と猫の歯科クリニック院長
麻布大学獣医学部獣医学科卒業
●経歴:ぬのかわ犬猫病院本院副院長/ぬのかわ犬猫病院中田分院院長 など
●資格:獣医師
●所属:日本小動物歯科研究会/比較歯科学研究会/日本獣医動物行動研究会
犬が鼻水を垂らす原因
(1)生理的要因
犬は鼻で呼吸をする際、冷たい空気がそのまま肺に入ることがないように、鼻の奥のほうで空気を一度温めてから肺へ送りますが、この作用によって鼻水の分泌が促されるため、寒さを感じると鼻水の量が多くなることがあるのです。また、犬も人と同じように、鼻の中に異物が付くと異物を排出しようとするため、鼻水が多くなることがあるでしょう。
なお、鼻の呼吸音を聞いたときに「プスプス」「ズーズー」「プシュプシュ」といった鼻が詰まっているような音がしたら、鼻の穴や奥に異常が起こっているのかもしれないので注意が必要です。
(2)感染症やアレルギー、病気
●感染症やアレルギー
また、アレルギーなどの炎症によって鼻の粘膜が敏感になると、鼻水の量が増えることが。
アレルギーや炎症などによって、鼻水が大量に出ているときの症例写真
●歯周病
●がん(悪性腫瘍)
犬が鼻水と同時にくしゃみをしているとき
その他考えられる原因としては、肺炎、肺水腫、歯周病、鼻腔内腫瘍、副鼻腔炎、蓄膿症(ちくのうしょう)、アレルギー、鼻の内部の異物によるものなどがあります。
様子をみていい犬の鼻水の特徴
さらさらとした鼻水は、様子をみてOKの場合が
病気の可能性がある犬の鼻水の特徴
黄色や白・緑色の鼻水
愛犬の色のついた鼻水を垂らしたまま放置しておくと、犬の体調不良を助長させるだけでなく、蓄膿症になる可能性もあります。犬の蓄膿症は治療がしにくいので、早めの対処が必要です。
茶色の鼻水
鼻の粘膜は切れやすい一方で、回復も早く、出血も止まりやすいので、通常茶色の鼻水が長く続くことはありません。しかし、茶色の鼻水が長引く場合には副鼻腔炎や蓄膿症、腫瘍など、さまざまな原因が考えられるので、早めに動物病院を受診してください。
出血や膿のような鼻水(腫瘍の可能性がある場合)
鼻の奥だけではなく、歯周病の悪化が原因で鼻血や膿が出ることもあります。出血や膿のある鼻水が出ているときは、身体検査、レントゲン撮影などで愛犬の状態を詳しく調べる必要があります。また、膿のある鼻水とともに、咳や発熱の症状がある場合は、ケンネルコフなどの感染症の可能性も考えられます。
いずれにしても、病気が悪化すると全身に影響を与えてしまうので、早めに動物病院へ連れて行きましょう。特に子犬が鼻水を垂らしているときは、他に目立った症状がなくても、獣医師に相談しておくと安心です。
鼻血の症例写真
膿のような鼻水の症例写真
犬の鼻水の予防法と対策とは
なお、初めはさらさらとした透明の鼻水でも、後に症状が悪化してドロッとした鼻水に変化することもあります。鼻水の変化は健康のバロメーターでもあるので、鼻水の症状に加えて愛犬にいつもと違う様子がみられたら、獣医師に相談しましょう。
愛犬の変化に気づくことが大切
監修/石田陽子先生(石田ようこ犬と猫の歯科クリニック院長)
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
UP DATE