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【栄養士監修】犬に梨をあげるのは問題なし!あげる時に注意すること

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秋になると食卓に出る事も多くなる「梨」。飼い犬も食べたそうにこちらを見てきますよね・・・梨は犬にとっては害となる食べ物なのでしょうか?ここでは、犬に梨を与えることは問題がないか?また犬に与える際の梨の適量や犬への与え方についてご紹介していきます。

犬は梨を食べてもOK!どんな栄養がある?

季節ごとの旬の食べ物をあげるとよいというものの、「梨は犬にあげてもよいのだろうか」と心配している飼い主さんも多いです。犬はもともと肉食性かつ雑食性なので、中毒を起こすとされる食べ物以外は少量食べても問題ありません。収穫時期より前の若い梨には、アミグダリンと呼ばれる成分が含まれているので注意が必要です。アミグダリンは犬が中毒を起こす危険性があるので、必ず収穫時期を迎えた梨を与えてください。スーパーや果物店で流通している梨であれば問題ありません。

カリウム

梨はカリウムを多く含有する果物です。梨100gあたり140mgのカリウムがあります。カリウムとナトリウムは切っても切れない関係ですので一緒にご説明しなければなりません。カリウムは体の様々な機能を維持する作用があり、一般的には疲労回復効果があるといわれますが、不足すると体の様々な不調が生じます。
カリウムとナトリウムのバランスは、体内水分の濃度の維持、神経機能や主に心筋や筋肉の機能調節、体のpHの調整など重要な働きをしています。現代の犬の食事はカリウムよりもナトリウムのバランスが高いことが多いです。
利尿作用のあるカリウムは、体内の余計なナトリウム(塩分)を排出させる作用があり、血圧を下げる効果があります。梨を食べた後は、通常より愛犬のおしっこの回数が多くなる可能性があることを想定して与えてください。
カリウムは筋肉を作り、筋肉の機能を調整する働きがあるので、カリウムが不足すると体がだるく、脱力感や疲労感が生まれます。カリウムをしっかりと摂取しナトリウムとのよいバランスを保つことで疲労回復にも役立ちますが、過剰摂取は禁物です。特に腎機能が弱っている犬や高カリウム血症の犬に与えるときは獣医師に一度相談することをおすすめします。

食物繊維

食物繊維は五大栄養素の他に「第六の栄養素」として人間だけでなく犬・猫の健康においても注目されている栄養素です。人間と同様に消化管(特に腸)の機能維持、便秘の防止、下痢の改善など様々な効果があります。
食物繊維は水溶性と不溶性の2種類がありますが、梨は水溶性の食物繊維を多く含み、水分を吸収しながら腸内でゆっくりと食物を移動させる作用があります。この間に糖分の吸収を抑制することで血糖値が急激に上がることを抑えます。
また、コレステロールの吸収を抑制する効果もあります。腸内の便や老廃物を排出し、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える食物繊維は、適度に与えるとお通じが良くなります。しかし、たくさん食べ過ぎると消化不良を起こして、下痢や軟便になる可能性があるので摂取量には注意が必要です。

アスパラギン酸

梨には100gあたり140mgのアスパラギン酸の含有量があります。アスパラギン酸は哺乳類の体を形成するのに必要なアミノ酸の1つです。アミノ酸は必須アミノ酸、準必須アミノ酸、非必須アミノ酸に分けられますが、アスパラギン酸は、この中の非必須アミノ酸に含まれます。
アスパラギン酸を多く含む梨には、犬のエネルギー代謝が良くなることと、利尿作用、疲労回復の効果があります。人間と同様にアンモニアの排泄などを促すため代謝全般によいとされています。

水分

梨の成分中の88%~90%は水分で、甘すぎない果物でもあるので、犬に与えやすい食材です。犬の体の構成成分のうち、水分は60%を占めています。このため常日頃から水分を摂取しなければなりません。梨はお水を飲まなくなってきた犬やシニア犬、夏バテでごはんを食べないときの栄養と水分補給にもなります。
犬が1日に必要な水分量は体重の5%〜7%程度とされています。これはあくまで目安ですが、体内の水分が極端に少ない状態だと、代謝が悪くなるだけでなく、脱水をはじめとする腎臓への負担増加などの危険性も高まります。梨を与える時に考えるだけに限らせず、徐々に暑くなってくる時期には、飼い主さんのアイデアで犬にしっかりと水分を摂取させてあげるように心がけてください

梨をあげる時の適量はどれくらい?

犬に与えることのできる梨の適量は、1日20g程度です。食べ過ぎると軟便や下痢を引き起こす場合があるので、犬の便の状態をみながら調整して与えましょう。
梨20gをいちいち量るのは手間がかかります。梨の大きさにもよりますが、1個300gの中サイズの梨の場合、皮、芯、種部分を除いて約1/12カットをした大きさと考えるとわかりやすいです。
犬は小型犬から大型犬まで体の大きさが異なるため、1日の食事量の約10%程度までは与えることができる目安と考えてください。1日の食事量が100gのフードであれば10g~20gまでが梨の限度量と考えましょう。

梨をあげるときに注意すべきこと3つ

収穫時期以前の梨は犬が中毒を起こす可能性があるとお伝えしましたが、その他梨を犬に与えるときに気をつける注意点をご紹介します。

加熱せず生で与える

梨に限らずどの食材も、生の食材には酵素やビタミンなどの栄養が豊富に含まれています。加熱することで成分自体が壊れてしまうか、水溶性の場合は流出してしまう場合もあります。
生の梨に含まれる成分「カリウム」は熱に弱いところが特徴です。その他のビタミン類も摂取できるので、できれば生の状態の梨を犬に与えることをおすすめします。

皮は剥いて細かく刻む

梨は食べても問題ないですが、消化がよいとはいいづらい果物のため、なるべく小さく刻んで与えるのがよい方法です。梨の皮については硬く食べづらく、あえて犬に与える必要はありません。さらに、梨の皮に農薬や消毒液が付着している可能性もあるので、皮は剥きましょう。
超小型犬、小型犬の場合、カットした梨が大きいと、喉に詰まる恐れがあり、シャリシャリと噛んで食べさせることができない場合は、おろし器ですりおろすか、フードプロセッサーでペースト状にして与えるのも体内で吸収しやすい状態で食べさせることのできる方法です。このときフードプロセッサーを回しすぎて梨に熱が加わらないように注意してください。種や種周辺の芯部分は、消化が悪いので与えないようにしましょう。

当然食べ過ぎはNG!

犬に梨を与える場合は1日20gが目安となりますので、これ以上の食べ過ぎは消化不良を起こす可能性があり、おすすめできません。
梨は消化されにくい細胞である「石細胞」が多く含まれていて、与えすぎると下痢になりやすいので気をつけましょう。これは、梨の成分が結晶化して細胞壁に蓄積されることで「石細胞」となり、梨のシャリシャリとした食感を味わうことができるのです。
消化が悪いといっても、犬に少量の梨をあげるくらいでは全く問題ありません。季節の食材なので旬の梨を、ほんの少しだけ愛犬に食べさせてあげればよいと考えてください。

梨は食べてもいいと知っている飼い主さんは84%!

いねのきもち編集室で行った果物に関するアンケート結果によると、「梨は食べてもいい果物である」とご存知の飼い主さんはなんと84.9%。食べさせてはいけない、と思っていらっしゃる方は9.7%で、分からないと回答した方は5.4%となりました。
みなさん、さすがよくご存知です!

更には「わんちゃんはこの果物を好きで良く食べる?」という質問では、なんと84.6%もの飼い主が「よく食べる」と回答しており、人間も大好きないちご(72.6%)を上回り、りんご(87.3%)と同じくらい犬にとってのお気に入りの果物のようです。
りんごと梨・・・というとあのシャリシャリとした食感が特徴。アンケートを見ていくと、夏のシャリシャリフルーツであるスイカが好きな犬も多いという結果もあるので、犬は味と併せて食感も楽しむとってもグルメな生き物なのかも?!

まとめ

シャリシャリとした食感が、とても美味しい梨。水分補給も栄養も食物繊維も少量で効率よく摂取できるので、犬のおやつとしてあげるにはよい果物です。梨は犬の水分摂取にはもってこいの果物ですが、喜んで食べるからといって、与え過ぎには注意してください。愛犬の健康管理の一環に旬の果物として与えるとよいでしょう。

監修/獣医師 ペット栄養管理士 佐野忠士先生(酪農学園大学 准教授 )

佐野忠士先生

※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※まいにちのいぬのきもちアプリユーザーアンケート、回答者数777名

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