今回は、ポメラニアンの平均寿命や小型犬の平均寿命ランキング、人換算年齢など寿命に関する重要事項を解説します。ポメラニアンの注意したい病気や健康長寿に役立つお世話のコツ、世界最高齢の犬の情報もご紹介しているので、参考にしてみてくださいね!
ポメラニアンの平均寿命とは
ポメラニアンとは
ポメラニアンは、ドイツとポーランドの国境にまたがるポメラニア地方に生息していた、ジャーマン・スピッツやサモエドが元祖とされる犬種です。古くはソリ犬や番犬として活躍していたため、かなり大きい犬種でしたが小型化が進められ、現在のような姿になりました。
現在の大きさは、体高18~22cm、体重1.8~2.3kgが理想とされ、首周りやお尻、しっぽの豊かな毛が作り出す横から見たときのシルエットは、「栗」に例えられることも。豊富な毛色も魅力の一つでしょう。
小型犬平均寿命ランキングでは12位
そんなポメラニアンの平均寿命は、一般的には12~15才とされていますが、2016年に発表された小型犬の平均寿命ランキングでは「13.4才」とされ、12位にランクインしています。
【小型犬平均寿命ランキング】
1位 イタリアン・グレーハウンド…15.1才
2位 ミニチュア・ダックスフンド/トイ・プードル…14.7才
4位 パピヨン…14.4才
5位 ジャック・ラッセル・テリア…14.3才
6位 ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア…14.2才
7位 カニーンヘン・ダックスフンド…14.0才
8位 ヨークシャー・テリア…13.8才
9位 チワワ…13.7才
10位 シー・ズー/ミニチュア・ピンシャー…13.6才
12位 ポメラニアン…13.4才
※2016年アニコム損保のペット保険「どうぶつ健保」調べ
ティーカップポメラニアンの寿命は変わるの?
標準サイズのポメラニアンよりもはるかに小さいポメラニアンのことを、「ティーカップポメラニアン」と呼ぶ人もいます。しかし、「ティーカップポメラニアン」は正式な犬種ではありません。ペットショップなどでは「極小ポメラニアン」と表記することもあるようです。
このような正式な犬種ではない小さいサイズの犬は、生まれつき弱く寿命が短いとされていましたが、最近では、ほとんど同じという説もあります。
世界最高齢の犬とは?
ちなみに、世界最高齢の犬は29年5カ月生きた、オーストラリアン・キャトル・ドッグの「Bluey」という犬と言われています(※掲載日現在)。犬がここまで長く生きるのは、ごくまれなことといえるでしょう。
ポメラニアンの年齢を人に例えると
平均寿命がわかると、“ポメラニアンの年齢を人に例えると何歳くらいなんだろう”と気になりませんか?ポメラニアンなどの小型犬は1才になると、人の17~18歳くらいに相当するといわれています。そして、1才を過ぎると以下のように年齢を重ねると考えられています。
ポメラニアンの人換算年齢(犬の年齢/人の年齢)
1才/17歳
2才/24歳
3才/28歳
4才/32歳
5才/36歳
6才/40歳
7才/44歳
8才/48歳
9才/52歳
10才/56歳
11才/60歳
12才/64歳
13才/68歳
14才/72歳
15才/76歳
※犬の人換算年齢の算出方法には諸説あります。
このように、ポメラニアンなどの小型犬は、人の何倍ものスピードで年齢を重ねます。限られた時間のなかで愛犬に快適に過ごしてもらうためには、年齢にあったお世話を計画的にしていくことが大切ですよ。
ポメラニアンの寿命を縮める!?注意したい病気とは
病気をせずに健康に過ごすことが犬も人も長寿の秘訣の一つですが、やはり年齢を重ねると病気をしやすくなります。ポメラニアンのなりやすい病気を知って、予防や早期発見に役立てましょう。
気管虚脱(きかんきょだつ)
気管が本来持つ弾性が失われ、平らにつぶれて呼吸がしづらくなる病気で、6~8才以降の小型犬に比較的多く見られます。ポメラニアンは遺伝的にもこの病気にかかりやすいとされますが、肥満や「気管支炎」などの呼吸器の病気にかかると発症しやすくなります。悪化すると、チアノーゼや呼吸困難を起こすようになるので注意が必要です。
歯周病
ポメラニアンのみならず3才以上の犬の約8割が「歯周病」など何らかの口内トラブルを抱えているといわれています。歯周病になるとゴハンが食べにくくなったり、「心臓病」を引き起こしたりするおそれもあるので、しっかりと歯磨きで予防しましょう。
また、永久歯が生えても乳歯が残っている「乳歯遺残」なども歯周病を引き起こす原因の一つです。乳歯遺残もポメラニアンがなりやすいとされる病気ですので注意してください。
僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)
僧帽弁と呼ばれる心臓の弁がしっかり閉じなくなることで、血液が逆流してしまう病気です。中高齢の小型犬に多い病気で、発症すると咳が出たり、呼吸が荒くなったり、運動を嫌がったりするなどの症状があらわれます。基本的には完治が難しい病気のため、定期的なケアや適正体重の維持などの体調管理が大切です。
ポメラニアンを長生きさせるお世話のコツ
病気を予防し、長生きさせるためには、飼い主さんが日ごろからしっかりとケアしてあげることが重要です。最後にポメラニアンの健康長寿につながるお世話のコツをご紹介します。
肥満は万病のもと!適正体重の維持を心がける
肥満でかかりやすくなる病気は、「糖尿病」や「心臓病」、「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」などさまざまです。とくにポメラニアンのような長毛種の場合は、毛で体型がわかりにくいこともあるので要注意です。
月に1回は体重を量り、愛犬の体を触ってボディチェックをしましょう。愛犬の体を触ってあばら骨を感じない場合は、肥満の可能性があります。
定期健診を受ける
飼い主さんが病気に気づいたときには、もう手遅れになっているケースもあります。病気を早期発見し悪化を防ぐため、年に1回、7才以降は年に2回を目安に健康診断を受けてください。
ケガ予防のために住環境の見直しを
ポメラニアンは骨折など、骨や関節の病気・ケガをしやすい犬種です。直接命に関わらなくても、ケガによる運動不足はストレスの一因になります。フローリングにカーペットやマットを敷いて滑りにくくするなどの対策を取りましょう。
今回は、ポメラニアンの寿命に関する重要事項について解説しました。できるだけ長く愛犬と暮らすためにも、日ごろから病気の予防などに努め、しっかりとケアしてあげましょう!
参考/「いぬのきもち」特別編集『ポメラニアンの飼い主さん4万人の体験から作った!ポメラニアンとの暮らしがもっと楽しくなる本』(監修:フジタ動物病院院長 獣医学博士 藤田桂一先生)
「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『ポメラニアンは初心者でも飼える?性格・特性や飼育のコツ〜注意点』(監修:いぬのきもち相談室獣医師)
「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『ポメラニアンの特徴・性格・飼い方』(監修:ヤマザキ学園大学 講師 危機管理学修士 福山貴昭先生)
「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『【年齢換算早見表あり】犬の年齢について解説~人に例えると何歳?』(監修:SHIBUYAフレンズ動物病院 院長 滝田雄磨先生)
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。