オオカミのようなワイルドな容姿なのに、フレンドリーで活発な性格が魅力のシベリアン・ハスキー。ここでは、シベリアン・ハスキーの毛色を中心に、歴史や目の色などの見た目の特徴、抜け毛の対処法や飼育する上での注意点についても解説します。
シベリアン・ハスキーの毛色の種類
シベリアン・ハスキーってどんな犬種?
北極圏やシベリアの北東部に住むイヌイットなどのソリを引く、ソリ犬や猟犬として飼われていたシベリアン・ハスキー。ルーツはあまり明らかになっていませんが、スピッツの血統を受け継いでいるとされ、アラスカン・マラミュートやサモエドと近親関係にあるといわれています。中型犬ですが、ソリ犬の中では小さく軽量の犬種で、独特のまだら模様のある顔が印象的です。
また、豊富な毛色も魅力のひとつ。ここでは、画像とともにシベリアン・ハスキーの主な毛色について見ていきましょう。
ブラック&ホワイト
シベリアン・ハスキーの代表的な毛色です。ホワイトをベースに、胴体から額、顔にかけてブラックの毛が交じります。成長とともに顔の模様が変化することがありますが、模様の変化によって顔の印象が変わっていくのも、シベリアン・ハスキーを飼う楽しみのひとつです。
シルバー&ホワイト
ホワイトとシルバー(グレー)がかった毛色の組み合わせ。シルバーの色の濃さによって印象が変わることもありますが、クールで精かんな印象を与えることが多いようです。
レッド&ホワイト
赤みがかった明るい茶色(レッド)とホワイトの組み合わせ。淡い色合いなので、穏やかな印象を与えます。また、レッド&ホワイトよりも落ち着いたブラウンとホワイトで構成される毛色を「チョコレート&ホワイト」と呼ぶことも。ここ数年人気の毛色といえるでしょう。
ほかにも、日本ではめずらしいですが、「ホワイトハスキー」と呼ばれる真っ白な個体などもいます。
シベリアン・ハスキーの抜け毛のお手入れ方法
このように豊富な毛色が魅力的なシベリアン・ハスキーですが、実は抜け毛の量もかなり多い犬種です。春と秋ごろの換毛期を迎えると、相当な量が抜けるといわれています。抜け毛を予防するためにも、毎日のブラッシングは欠かせません。
基本的なブラッシング方法
① いきなりブラシでとかすと皮膚を傷つけることがあるので、まずは全身チェックから始めます。もつれや毛玉があったらその部分を指でつまんで、左右に薄く広げ少しずつほぐしましょう。
② 皮膚を傷つけないように、長い部分は手のひらに毛をのせ、毛先からとかします。
③ 全身をとかし終えたらブラシをコームに変えて、端の方を指先で支えるように持ち、コームの背を倒して毛並みに沿ってとかします。毛を下からすくうように流れを整えると、ふわっとしますよ。
④ コームで引っかかるところがあれば、ブラシに戻します。②のような手順で引っかかったところを毛先からほぐして、再度コームで整えたら完了です。
その他、シベリアン・ハスキーの外見的な特徴
シベリアン・ハスキーには、毛色以外にもさまざまな外見的特徴があります。
目の色
シベリアン・ハスキーは、黒い目をした個体はもちろん、茶色やブルーアイなど、目の色にもさまざまな種類があります。その中でも、左右の目の色が違う「オッドアイ(バイアイ)」と呼ばれる目は、シベリアン・ハスキーによく見られる特徴のひとつといえるでしょう。
ちなみに、オッドアイの犬は短命といわれることがありますが、シベリアン・ハスキーのオッドアイは、病気が原因とは考えられていません。そのため、シベリアン・ハスキーの目の色と寿命は関係ないとされています。
がっしりとした体
オスの標準体高は53.5~60cmで、メスの場合は50.5~56cm程度とされています。また、標準体重はオスが20.5~28kg、メスは15.5~23kg程度と、がっしりとしたワイルドな体型をしています。まっすぐでたくましい骨太な足と、ソリ犬として長時間走るのに適した、厚くクッション性がある肉球も特徴といえるでしょう。
シベリアン・ハスキーを飼う上での注意点
では最後に、シベリアン・ハスキーを飼う上での注意点をご紹介します。
「暑さ」に注意しよう
シベリアン・ハスキーは、もともと極寒の地「シベリア」(※)に生息していたため、湿気がある日本の夏の暑さが非常に苦手です。そこで、夏場の室内は、犬がハアハアしない程度の低い温度にエアコンを設定し、湿度にも気を配る必要があります。場合によっては、春や秋でも冷房が必要なときもあるので、しっかりと様子を観察するようにしましょう。
※「ジャパンケネルクラブ(JKC)」では、シベリアからアラスカへ渡った後の歴史を重視して、アメリカ合衆国を原産としています。
「運動量」に注意しよう
シベリアン・ハスキーは、ソリ犬なのでとにかく走ることが大好きで、疲れ知らずの犬種とされています。運動不足になってストレスがたまると、知らない人やほかの犬に対して攻撃的になることもあるので注意しましょう。毎日2回の散歩はもちろん、時間があるときはドッグランなどへ連れて行き、思いっきり走り回らせてあげることも大切です。
散歩時の引っ張りグセに注意!
ソリ犬なので、散歩のときにリードを引っ張ってしまうのはある程度仕方ありませんが、あまり強引に制限しすぎると、本能が満たされず欲求不満となり、問題行動を引き起こすケースも。リードを強く引っ張りそうになったら、声がけやおやつで誘導するなど、引っ張りたい気持ちを上手にコントロールしてあげましょう。
こんな病気に注意して!
シベリアン・ハスキーは、「進行性網膜萎縮(しんこうせいもうまくいしゅく)」という、遺伝性の目の病気にかかりやすいとされています。網膜が萎縮して少しずつ視力が低下するので、なかなか気づかない場合も。定期健診の際に、目の検査も受けておくことをおすすめします。
ほかにも、「白内障」や「外耳炎」、「脂漏症」などもシベリアン・ハスキーが注意したい病気です。
さまざまな毛色を持つシベリアン・ハスキーは、とても魅力的な犬種です。しかし、毎日ジョギングのような散歩が長時間できるなど運動時間をきちんと確保できる人でないと、飼育は難しい場合も。運動量はもちろん、食費や医療費などコスト面についてもしっかりと考え、最後までお世話をすることができる環境を整えてから迎え入れることをおすすめします。
参考/「いぬのきもち」2018年4月号『犬種連載シリーズvol.34 I Loveシベリアン・ハスキー』(監修:代官山動物病院 獣医師 獣医行動診療科認定医 藤井仁美先生)
「いぬのきもち」2017年4月号『愛犬を美しくするコツ紹介します!被毛タイプ別 サラふわ犬飼い主さんのお手入れ術』(監修:一級建築士 トリミングサロンHONDEHOK運営 トリマー 二村陽子先生)
「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『シベリアン・ハスキーの特徴と性格・価格相場|犬図鑑』(監修:ヤマザキ動物看護大学 講師 危機管理学修士 認定動物看護師 ペットグルーミングスペシャリスト 福山貴昭先生)
「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『いぬ図鑑(シベリアン・ハスキー)』(監修:ヤマザキ学園大学 動物看護学部)
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。