小柄で愛らしい見た目のポメラニアン。その適正体重はどれくらいなのでしょうか?今回は、ポメラニアンの適正体重や肥満による弊害、体重維持のための体重の量り方や健康管理方法について、詳しく解説していきます!
ポメラニアンのベスト体重はどれくらい?年齢から見る適正体重の推移
ポメラニアンの適正体重は個体によって異なる
北方のサモエドを品種改良して小型化されたポメラニアンは、個体によって体格や体重に差が大きく出る犬種です。一般的なポメラニアンの標準体重は1.8kg~3.5kgといわれていますが、中には4kg~10kg以上の大きな個体もいます。
また、男性ホルモン「テストステロン」の関係で、オスの方がメスよりも体が大きく、体重も重くなります。そのため、愛犬の体に合った適正体重を知り、その体重の維持に努めることが重要といえます。
年齢別の適正体重の目安
ではここで、子犬期から成犬期にかけての体重推移を見ていきましょう。
・生後40日ごろ…約700g
・生後50日ごろ…約820g
・生後70日ごろ…約1.2kg
・生後80日ごろ…約1.4kg
・生後3ヶ月ごろ…約2.0kg
・生後5ヶ月ごろ…約3.4kg
・生後7ヶ月ごろ…約3.5kg
生後7ヶ月ごろには、歯の生え替わりや体の成長が一段落するといわれているので、その時期の体重を目安にすると良いかもしれません。ただ、こちらはあくまでも一例ですので、愛犬の適正体重がどれくらいなのか、一度動物病院で確認することをおすすめします。
お家でやってみよう!ポメラニアンの体重測定と肥満度のチェック方法
コロコロとした見た目と、たっぷりとした被毛で体型が分かりづらいポメラニアンは、他の犬種よりも肥満気味な個体が多いといわれています。肥満による病気を引き起こさないためにも、自宅で定期的に体重チェックを行い、愛犬を太らせないようにしましょう。
自宅で簡単にできる体重の量り方
動物病院で愛犬の適正体重を確認したら、月に1回は自宅で体重を量りましょう。自宅での体重の量り方は、とても簡単。愛犬を抱っこして一緒に体重を量ったら、そこから飼い主だけで量った体重を引くだけです。体重計にオスワリさせて量るよりも、抱っこして量った方がすばやく量れる上に、動いてしまうことによる誤差も少なくなるのでおすすめです。
肥満度のチェック方法
体重測定だけでなく、愛犬の体を触って肥満かどうかをチェックしましょう。指の腹全体でわき腹を軽くなで、あばら骨がどのように指に感じられるかを確認します。あばら骨が指にかすかに感じる程度が「適正」といわれています。
一方、まったくあばら骨を感じない場合は、太めの体型で肥満の恐れもあるので、体重を少し落とした方が良いかもしれません。
適正体重を維持するために日々できる健康管理方法
愛犬を肥満にさせないためにも、日々の健康管理が重要となってきます。食事・運動に焦点を当てて、飼い主だけでできる健康管理方法をご紹介します。
食事は複数回に分けて与える
ポメラニアンの適正体重を維持するには、食事コントロールが欠かせません。また、子犬期は歯や消化器官が未発達なため、食事によって体調や便の状態が大きく左右されます。年齢に合わせた食事量を、愛犬の体調を見ながら与えるようにしましょう。
子犬期は1日4回、成犬期(生後6ヶ月以降)は1日2回以上が、ポメラニアンの適正食事回数です。生後3ヶ月前までは、消化不良を起こさないようお湯でふやかして与え、生後3ヶ月以降は、愛犬の体調に合わせてふやかす、またはそのまま与えるようにしてください。食いつきが悪いときは、犬用のふりかけなどを混ぜてみるのも良いでしょう。
体重維持のための運動は1日2回の散歩で!
ポメラニアンは散歩や運動が大好きな、よく動き回る活発な犬種です。とはいえ、長時間の運動は体の負担になることもあるので、1日の適性散歩量は1回20~30分、朝と夕方の2回が目安です。また、脳を活性化させるために、アスファルトや木、石や芝生の上など、さまざまな道を歩いて肉球から刺激を取り入れるのがおすすめですよ。
運動量が足りない時は室内での遊びを取り入れよう!
ポメラニアンの適正運動量は、1日の合計が40~60分程度といわれています。基本的に1日2回の散歩で運動量は足りますが、愛犬がまだ動き足りない様子のときや体重が増えたなと感じたときは、以下のような室内遊びで運動量を補いましょう。
・円を描くように回るくるくるスピン
・脳を活性化させるおやつ探しゲーム
・狭い通路を飼い主と下がる、うしろにバック遊び
これらの遊びはしつけにも役立ちます。犬用おやつを使いながら、愛犬と楽しくコミュニケーションを図りましょう。病気予防のためにも、食後すぐではなく、2時間経過したあたりに行うようにしてくださいね。
食事管理も重要!年齢・体重別の食事量の目安
前章では、体重維持のための食事回数について述べましたが、食事量も愛犬の年齢や体型に合わせて調整する必要があります。まずは、年齢別の適正食事量について見ていきましょう。
年齢から見る適正食事量
・生後3ヶ月ごろ…約50~70g
・生後4ヶ月ごろ…約70~80g
・生後6ヶ月ごろ…約85~90g
・生後6ヶ月以降…約60~90g
体が成長段階の生後6ヶ月までは、上記を目安に食事量を調整するのがおすすめです。体の成長が一段落する生後6ヶ月以降(生後7ヶ月あたりから)は、体重から必要カロリーを計算して、食事量を調整していきます。
体重から見る必要カロリー量
生後6ヶ月以降の食事量は、「体重×50~150kcal」で算出します。例えば、3kgのポメラニアンの場合、この計算式に当てはめると、1日の必要カロリーは150~450kcalとなります。これはおやつを含めたカロリー量なので、おやつを与えた場合は、その分食事量を減らすようにしましょう。愛犬が欲しがるままに与えるのは肥満の元になりますので、必要カロリー量はしっかり守ってくださいね。
肥満は危険!体重超過によって起きてしまう病気やケガとは
「肥満は万病の元」というように、体重超過によってさまざまな病気が引き起こされる恐れがあります。愛犬にツライ思いをさせないためにも、肥満の危険性を事前に知ることが大切です。
脂肪による呼吸器への負担
肥満になると、体のあらゆる場所に脂肪がつきます。顎や首に脂肪がつくと気道が圧迫され、気管虚脱をはじめとした呼吸疾患を併発する恐れがあります。
体重を支えきれないことによる四肢や関節への負担
骨が細く、骨折などの危険性が高いポメラニアンは、体重超過によって、より四肢や関節への負担がかかります。それによって骨折だけでなく膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)や椎間板ヘルニア、関節障害などの病気を引き起こす恐れがあります。
その他、心臓への負担増大による心臓病や肝臓疾患、糖尿病など、さまざまな病気を引き起こすことも考えられます。愛犬のためにも肥満は避けたいところです。
ポメラニアンはコロコロとした体型が可愛いですが、太らせるのは愛犬のためにはなりません。日ごろから愛犬の体格に合った体重維持に努め、病気やケガなどのツライ思いをさせないようにしましょう。
参考/「いぬのきもち」特別編集『ポメラニアンの飼い主さん4万人の体験から作った!ポメラニアンとの暮らしがもっと楽しくなる本』(監修:東京大学大学院農学生命科学研究科准教授 武内ゆかり先生、ドッグトレーナー 戸田美由紀先生、しつけスクールCan!Do!代表 西川文二先生、フジタ動物病院院長 藤田桂一先生)
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/pigeon
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。