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倒れる主を気遣う犬たち?【穴澤賢の犬のはなし】

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先日、朝起きたら視界がぐるんぐるん回っていた。同じ症状は2018年11月にもなったので「良性突発性頭位めまい」だとすぐわかった。前回は頭を手術した後遺症かと焦って大きな病院でCT検査などを受けたが、その結果、脳の問題ではなく耳石(じせき)が剥がれて半規管へ迷入することで起こる症状とのことだった。奇病かと思いきや、わりと多くの人がなるらしい。


視界が回るのは数秒で収まるが、頭を動かす度に頻繁に起こる。そのときは何かに掴まらないと立っていられないし、ひどい乗り物酔いのような吐き気がする。この前はめまい止めの薬がすぐ効いたが、今回はなぜかほとんど効果がなかった。


仕方がないので散歩は嫁に頼み、寝室で寝ていることしかできなかった。普通は2、3日で治まるし、動いた方がいいというが、とにかく気持ち悪くて起き上がる気になれなかったのだ。


吐き気のせいで食欲もなく、目を閉じてはいつの間にか少し眠り、また起きては視界が回って目を閉じるということを繰り返していたが、いつも大吉と福助がそばにいた。何をするでもなく隣で寝ているだけだが、気遣って寄り添ってくれているような気がした。


多少熱が出ても一晩で治す(厚着して汗をかく度に着替る作戦)私が寝込むことなどまずないから、彼らなりに心配しているのかもしれない。だから「大丈夫だ、すぐによくなるはずだから」と声をかけたりしながら、横になっていた。めまいは翌日も治まらず、結局丸二日寝て過ごした。その間、大吉と福助は散歩とご飯以外はほぼ寝室にいた気がする。


3日目の朝になって治まり、ようやく普通に歩けるようになったので散歩に行った。「悪かったなお前ら、もう大丈夫だから」と話しかけたりしながら。そして家に帰ると、彼らはトントントンと階段を上り、3階の寝室に消えた。その後、私は1階の仕事部屋でパソコンに向かっていたが、昼過ぎまで降りても来ない。夕方の散歩の頃になり、大吉が「そろそろ行く?」という顔で降りてきた。


そうだった。彼らは最近、日中ずっと寝室でゴロゴロしていることがよくある。あれは私を気遣ってくれていたわけではなく、日常だったのだ。気遣ってくれていると感じたのは、勘違いだったのか。実はちょっと嬉しかったのに。


追伸
「良性突発性頭位めまい」が治まった後も、頭を動かしたときに一瞬平衡感覚がぐらつくことあります。そんなときはある体操(?)すると治まるかも。私はそれですっかり解消しましたので。「めまいの即席治療法」とか「良性発作性頭位めまい症を解消する体操」で検索したらいくつか動画が見つかると思うので、同じ症状の人はぜひ試してみてね。




プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。

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