犬と暮らす
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がんにより足の切断手術後、再び愛犬が歩けるようになるまで
後ろ足の切断手術を決断
「必要な手術だと理解していました。でも、やっぱり飼い主の気持ちとしては『すぐに切ってほしい』とは言えませんでした」と、ご主人のHさんが当時を振り返りながら、つらそうに目を伏せました。
「それでも、くららが元気になるためには、しかたがない」。
Hさん夫妻は、くららちゃんに手術を受けさせることを決意したあと、ドライブが大好きなくららちゃんのために、愛犬たちを連れて旅行に出かけました。旅の目的地は、くららちゃんが子犬時代を過ごした伊豆。
「小さいころにくららがお世話になったテーマパークの方にも会って、『ここで元気に走り回れるのも、最後かもしれないね』なんて、話もしました」(奥さんのTさん)
夫妻はくららちゃんをたっぷり遊ばせたあと、犬の健康にご利益のある神社にお参りもして、横浜に帰宅。9月3日にいよいよ手術の日を迎えました。
すぐに3本の足で歩けるようになり、ほっと一安心
「食欲もあったし、いつもどおり元気で本当によかった」「弱ってしまうかと心配していたのにね」と、ご主人のHさんと奥さんのTさんがうなずきあいながら話してくれました。
また、獣医師から「3本の足で歩けるようになるには、長くリハビリが必要かもしれない」と言われていたにもかかわらず、くららちゃんは翌日には立てるようになり、数日後には歩いて退院できたのです。
「入院中、病院へ面会に行くと鳴いて、すごく家に帰りたそうにしていたので、その一心かもしれませんね」
ただ、その後の道のりは決して平坦ではありませんでした。
切断が原因の炎症も、夫婦で懸命にケア
2頭を代わる代わるケアしながら、ほぼ毎日のように動物病院へ通うなど、あわただしい日々が続きました。残念ながら2018年の1月にアンディくんが亡くなるという悲しい出来事もありました。
それから数カ月。腫瘍の転移などはなく、くららちゃんは毎日を元気に過ごしています。Hさん夫妻は、くららちゃんの様子をもうしばらく慎重に見守りながら、体調などに問題がなければ、また旅行に連れていきたいと考えているそうです。
長かった冬を超えて、再び訪れた暖かい日差しが、くららちゃんの足元をやさしく照らしていました。
次回は、どのようなお世話でくららちゃんを支えたのか、その工夫についてご紹介します。
出典/「いぬのきもち」2018年5月号『困難と闘う!……その先のしあわせへ』
写真/石川正勝
構成・文/林 真理子
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