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【獣医師監修】犬に白菜を与えるときは注意が必要。与えるメリットとデメリットを解説

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鍋物や漬物でおなじみの白菜は、犬に与えても大丈夫な野菜です。水分が多く栄養価はあまり高くないイメージがあるかもしれませんが、ビタミン、食物繊維、ミネラルなど体に役立つ栄養素が含まれています。白菜の栄養と犬に与える場合の注意点を紹介します。

佐野 忠士 先生

犬に白菜を与えるときは与え過ぎに要注意

新鮮な白菜
ranmaru_/gettyimages

鍋物に欠かせない野菜のひとつ白菜。気温が下がり畑で霜に当たることで甘さが増し、繊維が柔らかくなって美味しくなる冬野菜です。
白菜はそのほとんどが水分でできているというイメージがありますが、ビタミンCやビタミンK、ビタミンB群、食物繊維、カリウムなど多くの栄養素が含まれています。

ただし、体によい栄養素が含まれているからといって、たくさん与えればよいというわけではありません。水分や食物繊維を摂り過ぎれば、消化不良や下痢を引き起こすかもしれません。また、それぞれの栄養素は人と犬とでは異なる働きをする場合もあるので、与え過ぎないようにすることが大事です。また、持病のある犬に白菜を与える場合も注意が必要です。

白菜を犬に与えるメリットとデメリット、与える際の注意点について紹介します。

白菜のおもな栄養素|約95%が水分。ビタミン、食物繊維、ミネラルも

水色の暖かそうな洋服を着て大きな目でカメラを見つめるチワワの横(斜め横向き)
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

白菜に含まれるおもな栄養素 ※数値は可食部100gに含まれる成分

エネルギー13kal
水分95.2g
タンパク質0.8g
脂質0.1g
炭水化物3.2g
灰分(無機質)0.6g

文部科学省「食品データベース」https://fooddb.mext.go.jp/index.plより参照

犬が白菜を食べるメリット|水分が豊富で低カロリー、幅広い栄養補給に

グリーンの絨毯の上に後ろ足を前に投げ出して座り、カメラをじっと見つめる薄茶色のフレンチ・ブルドッグ
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

白菜に含まれる栄養素のうち、犬の体に役立つであろうと考えられるおもなものを紹介します。

水分|約95%が水分で低カロリー

白菜は約95%が水分なので、水を飲みたがらない犬の水分補給、脱水予防などが期待できます。
また、100gあたり13Kcalと低カロリーなので、ダイエットしたい犬や肥満による糖尿病を予防したい犬には、フードのかさましに活用するのもよいでしょう。

ビタミン|さまざまな働きの相互作用で体の調子を整える

微量であっても体の機能を正常に働かせたり、代謝を円滑にしてくれるのが「ビタミン」です。白菜には、βカロテン、ビタミンC、ビタミンK、ビタミンB群など、さまざまなビタミンが含まれています。それぞれの作用は以下の通りです。

◆βカロテン
体内でビタミンAに変換され、視覚機能の維持・向上、健康な被毛、皮膚、粘膜、歯をつくる助けとなる。

◆ビタミンC
コラーゲンの合成、鉄分の吸収促進、解毒、ホルモン代謝のサポート、抗酸化作用、免疫力アップ

◆ビタミンK
凝血作用、骨を丈夫にする
 
◆ビタミンB群
脂肪・炭水化物・タンパク質・糖の代謝によってエネルギーを生成

カリウム|利尿作用、高血圧の予防

白菜に含まれているカリウムは、細胞を正常な状態に保ち、体液の浸透圧を調整するミネラルの一種です。
神経伝達や筋肉の収縮に関わっていて、体内に溜まった塩分を尿と一緒に体外に排出することで、血圧を下げる作用もあります。

食物繊維|便秘の解消、デトックス

食物繊維には、水に溶ける性質の「水溶性食物繊維」と、水に溶けない性質の「不溶性食物繊維」の2種類があります。
水溶性食物繊維には、糖質の吸収をゆるやかにして、血糖値の急上昇を抑える働きやコレステロールを体外に出す作用があります。一方、不溶性食物繊維には、腸の中で水分を吸って大きく膨らみ、便の量を増やすことで腸を刺激し、排便を促す働きがあります。さらに、不溶性食物繊維には腸内の毒素やコレステロールを体外に排出する作用もあります。

白菜には、これら2種類の食物繊維が含まれていますが、便秘の解消やデトックスに役立つ不溶性食物繊維をより多く含んでいます。

犬が白菜を食べるデメリット|甲状腺疾患や腎臓病の犬は要注意

前足を伸ばしている、足先と目の上の毛が白いミニチュア・シュナウザー。顔だけにフォーカス
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

白菜は犬が食べても大丈夫な野菜ですが、与える際に知っておきたい注意点もあります。愛犬に白菜を与える前にチェックしておきましょう。

ゴイトロゲン(グルコシノレート)|甲状腺ホルモンの分泌を妨げる

白菜、小松菜、キャベツ、クレソン、カリフラワーなど「アブラナ科」の植物には、甲状腺ホルモンの分泌を阻害する「ゴイトロゲン(グルコシノレート)」という成分が含まれています。甲状腺ホルモンの欠乏は、運動性の低下や無気力などの原因に。大量にゴイトロゲンを摂取し続けなければ、それほど心配はないと考えられますが、すでに甲状腺機能の低下が認められる犬には与えないほうが安心でしょう。

イソチオシアネート|抗酸化作用、殺菌作用

「イソチオシアネート」は、白菜、小松菜、キャベツ、クレソン、カリフラワーなど「アブラナ科」の植物に含まれている「辛味成分」です。イソチオシアネートを多量に摂取すると、胃腸を刺激し過ぎることになるので、過剰摂取にならないよう注意しましょう。ちなみに、近年、発ガン物質を無毒化する解毒酵素を誘導したりすることで、ガンの発症を抑制する研究報告がなされ、注目を集めています。

食物繊維|過剰な不溶性食物繊維で排便困難に

腸内環境を健康に保ち、正常な便通を維持するには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスが大事です。白菜には不溶性食物繊維のほうが多いので、過剰に摂取することでそのバランスが崩れてしまいます。
不溶性食物繊維が過剰になると、便が大きくなり過ぎたり、固くなり過ぎたりして、かえって排便が困難になってしまいますので、注意が必要です。

カリウム|腎臓病の犬は要注意

白菜はカリウムを多く含んでいます。
カリウムの過剰摂取は、血液中のカリウム濃度が上がる「高カリウム血症」を引き起こす恐れがあります。カリウム値が高くなると、四肢のしびれや筋力の低下、嘔吐、不整脈など体の不調をきたし、重篤な場合は命を落とす場合もあるので、注意が必要なのです。

なお、カリウムなど、体内の水分に含まれる電解質のバランス影響は、健康だから大丈夫!とは言い切れないことも多いです。とくに高齢の場合には、定期的に血液検査などで体の状態をチェックしてください。

タンパク質がアレルギー症状を引き起こすことも

白菜には、少量ですがタンパク質が含まれています。食物アレルギーは、タンパク質に免疫機能が過剰反応する現象なので、まれに白菜でアレルギーを起こす犬もあるようです。愛犬に初めて白菜を与えるときは、まず少量から。皮膚の痒み、湿疹、下痢、嘔吐などが起こらないか、様子を見てからその後も与えるかどうかを判断しましょう。

犬に白菜を与えるときの注意ポイント|ビタミンを逃さないよう短時間の加熱で

泡いっぱいのお風呂に入り、顔をあげている茶色のヨークシャー•テリア(頭のてっぺんに泡)
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

犬に白菜を与えてよい部分や与え方について紹介します。

与えてよい部位

緑色の葉の部分だけでなく、白く固い芯の部分も細かくカットすれば、犬に与えても大丈夫です。

与えるときの適量

犬に白菜を与える場合は、体重に合わせて以下の量を目安にしてください。ただし、あくまでもカロリー上の算出値なので、主食(総合栄養食)の摂取を阻害しない量にとどめることが大切です。
また、犬の年齢や健康状態によっては、特定栄養素の過剰摂取につながることもあるので注意しましょう。

犬の体重目安1日あたりの接種可能目安
小型(2~5kg)145g~288g(3枚~3.5枚)
中型(6~15kg)330g~657g(1/8個~1/4個)
大型(20~50kg)815g~1620g(1/4個~1個)

※数値は、避妊・去勢済みの犬で体重相応のおやつ(1日の総摂取カロリー目安の1割)として算出

調理方法

愛犬に白菜を与えるときは、消化をよくするために必ず加熱してから与えましょう。
加熱することでゴイトロゲンのリスクも下げることができます。

ただし、加熱時間は短く。とくに水溶性のビタミンCやカリウムは、水に溶け出しやすいので、茹でる場合はなるべく短時間にしましょう。味付けは塩分や糖分などに摂り過ぎにつながるので、不要です。人間用に調理した鍋物のスープの中から白菜を取り出し、愛犬にお裾分けしてあげるのもやめましょう。

高タンパク&高カロリーが必要な子犬には要注意

成長期の子犬には、高タンパク&高カロリーの食事が推奨されているので、低カロリー&低タンパクの白菜を与えるのはあまりおすすめできません。水分補給の目的で与えたい場合は、主食の「総合栄養食」摂取を妨げないように気をつけてください。

低カロリーの白菜は犬に与えても大丈夫。ただし、与える量と既往症には気をつけて

約95%の水分と食物繊維、さまざまなビタミン、ミネラルからできている白菜。低カロリーなので、フードのトッピングに加えてかさましに利用しやすい野菜だといえます。ただし、甲状腺疾患や腎臓疾患などがある犬には注意が必要です。健康な犬であっても、過剰摂取にならないよう、与える量に気をつけましょう。

犬には与えてはいけない食べ物や、注意したい食べ物があります。確認しておきましょう。

監修/佐野忠士先生(酪農学園大学獣医学群獣医学類准教授)
文/村田典子
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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