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ストレスが犬の皮膚トラブルのきっかけに!? 今知っておきたい犬の「心因性皮膚炎」
ストレスがきっかけで愛犬の皮膚トラブルが長引くことがあるって知っていましたか? 今回は、ここ数十年で増えてきたといわれる「心因性皮膚炎」についてくわしくご紹介します!
人との密接な生活がストレスになり、皮膚トラブルが悪化⁉

斉藤動物病院院長の齊藤邦史先生によると、「心因性皮膚炎という病気は、犬が家の中で生活するようになり、人と密着するようになった20~30年前からみられるようになりました」とのこと。
犬は快適な環境を手に入れた半面、人と密接にかかわることや、人の生活リズムに合わせることへのストレスなどを抱えるように。ストレスそのものが皮膚トラブルを起こすことはほとんどないものの、暇つぶしや感染症による皮膚病などをきっかけに、皮膚をなめる、噛む、かくなどの行為がやめられなくなることがあります。
皮膚病が完治しても、これらの行為がやめられなくなるのが「心因性皮膚炎」です。
原因不明のなめる・噛む・かく行為は「心因性皮膚炎」かも?

皮膚が赤くなる、ただれるなどして、愛犬がそこをしきりになめたり、かいたりしている場合、さまざまな原因が考えられます。細菌やカビ、寄生虫による感染でかゆみを感じているのかもしれません。
また、愛犬は気になる部位をなめることもあります。たとえば関節が痛む、手術の縫合糸が気になる、事故の後遺症で痛む部位があるなどが理由です。なめ続けるとかゆみが出るため、さらになめて皮膚に炎症を起こしてしまうのです。
なかには、暇つぶしに体をなめ続けて炎症を起こす犬も。このように、さまざまある炎症の原因を突き止め、治療を行いますが、治療で完治してもなめる・噛む・かく行為がやめられない場合、心因性皮膚炎が疑われます。
心因性皮膚炎は、皮膚をなめる・噛む・かく行為によるただれや脱毛がおもな症状です。このような症状が口と四肢が届くところならどこにでも出ます。

体をなめたりかいたりするしぐさが続く場合は、症状が悪化する前にかかりつけ医に相談しましょう。
参考/いぬのきもち5月号「犬の現代病ファイル Vol.12 心因性皮膚炎」(監修:斉藤動物病院院長 齊藤邦史先生)
イラスト/フジマツミキ
症例写真提供/斉藤動物病院
文/melanie
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