
ブラッドハウンド
- 英語名
- Bloodhound
- 原産国
- ベルギー
- サイズ
- 超大型犬
- グループ
- 嗅覚ハウンド
ブラッドハウンドの性格と特徴・飼いやすさ
ブラッドハウンドの祖先犬は、7世紀ごろベルギーのアルデンヌ地方の修道院で飼育されていた猟犬だと考えられています。11世紀にイギリスに持ち込まれて嗅覚能力がさらに高められ、現在のブラッドハウンドの姿になったといわれます。日本では希少な犬種ですが、すぐれた嗅覚を生かして世界的に警察犬などとして活躍しています。威厳を感じさせる外見ですが、社交的で甘えん坊な一面もあります。他人やほかの犬にもやさしく接しますが、とりわけ飼い主さんには深い愛情を注ぐ犬です。
ブラッドハウンドの飼いやすさ 各項目の数値が大きいほど飼いやすい傾向
※参考『日本と世界の犬のカタログ』(成美堂出版)
ブラッドハウンドの性格
落ち着きのある穏やかな性格で、攻撃的な様子を見せることは通常ありません。人とも犬とも仲よくできる社交性ももち合わせています。飼い主さんには深い愛情をもって接し、体のサイズを忘れ甘えます。世界中で警察犬として活躍するほど賢い犬ですが、頑固な面もあってしつけがしやすいとはいえません。体も大きく力もあるため、ドッグトレーナーなどの専門家にアドバイスを受けながらしつけを行うといいでしょう。
ブラッドハウンドの大きさ
体高はオスで64~72cm、メスで58~66cmの超大型犬です。筋肉質でがっしりとした体格をしており、やわらかく豊富な皮膚が全身をおおっています。とくにデューラップというのどの皮膚の大きなたるみは特徴的で、下あごから首にかけてぶら下がるような皮膚になっています。また、用途により外見に多少の差があります。警察犬や猟犬として活躍しているタイプは皮膚のたるみが少なく、より筋肉質でがっちりしており、ショードッグや愛玩タイプは皮膚のたるみが多めで、やや重めの外見です。
オス 体高:64~72cm/体重:約46〜56kg
メス 体高:58~66cm/体重:約40~48kg
※体高:地面から首と背中の境目付近までの高さで、人の身長に相当するもの。
ブラッドハウンドの毛色の種類
ブラッドハウンドの毛色は、ブラック&タン、レバー&タン(黄褐色)、レッドの3つに分けられます。胸や尾の先にわずかなホワイトの斑点があるものは認められています。
ブラッドハウンドの心配な病気
・体重が増える成長期に起こりやすい「股関節形成不全」
・胃がねじれて起こる「胃捻転」
・まぶたが内側や外側にめくれる「眼瞼内反症・外反症」
・垂れ耳のために外耳が蒸れて起こりやすい「外耳炎」
・しわの間の汚れが原因で炎症が起きる「皮膚炎」
ブラッドハウンドの価格相場(2024年)
ブラッドハウンドは一般的に入手が難しく、輸入や専門ブリーダーからや、保護犬譲渡がおもな入手方法です。
ブラッドハウンドの飼い方
ポイント(1)1日に数kmの散歩が必要
超大型犬でタフな犬のため、1日に数kmの散歩が必要です。「魔法の嗅覚」といわれるほどのすぐれた嗅覚のもち主ゆえ、散歩中に気になるニオイをかぐと黙々と追跡します。したがって散歩時間が長くなることもしばしばですが、ニオイを追跡したいという欲求を満たすことがストレス発散にもなるため、散歩の時間は充分に確保しましょう。
ポイント(2)専門家のアドバイスを受けてしつけを
攻撃的な様子をほとんど見せない穏やかな犬とはいえ、超大型犬で力も強いので、子犬のころからしっかりしつけましょう。やや頑固な面があり、しつけがしやすいとはいえないので、ドッグトレーナーなどの専門家のアドバイスを受けながらしつけを行うといいでしょう。
ポイント(3)しわの皮膚などを清潔に
ブラッドハウンドはヨダレをたくさん出すので、顔まわりがヨダレで汚れがちです。こまめにタオルで拭き取って清潔にしておきましょう。しわの皮膚を汚れたままにしておくと、皮膚炎の原因にもなりかねません。また、垂れ耳のため耳の中が蒸れやすく細菌が増殖しやすくなります。ときどき耳の入り口のお手入れをしながらよく観察しましょう。
ポイント(4)年齢と目的に応じたフードを
主食には、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。一般食は、栄養バランスよりも嗜好性を重視する傾向にあるため、主食には不向きです。フードのパッケージに「総合栄養食」と記載されているもののなかから、ご自身の犬に合ったフードを選択します。
犬はライフステージごとに必要とされる栄養の質と量が微妙に異なります。「子犬用」「成犬用」「シニア犬用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。
手作りフードは与えているものを飼い主さんが把握できる安心感があり、愛犬のことを思いながら調理する楽しさもあります。しかし栄養バランスを保つのが簡単ではないため必要ならばサプリメント等で補いながら実施することをオススメします。
ブラッドハウンドに似た犬の種類
ブラッドハウンドに関連する記事
ブラッドハウンドの歴史や背景
ブラッドハウンドの名は、長い年月にわたり修道院で大切に繁殖されてきたことから「高貴な血を継ぐ純血の猟犬」という意味で名づけられたという説と、傷を負った獲物の血のニオイを追跡する猟犬だったことから命名されたという説があります。ニオイを追跡するという能力については全犬種のなかでもピカイチで、「魔法の嗅覚」といわれるほどです。すぐれた嗅覚と粘り強く追跡する性質を生かして世界中で警察犬として活躍し、犯人逮捕に力を発揮しています。
監修:
ヤマザキ動物看護大学 動物看護学部 准教授
福山貴昭先生 (博士[学術]愛玩動物看護師)
参考:『日本と世界の犬のカタログ』(成美堂出版)