
マスティフ
- 英語名
- Mastiff
- 原産国
- イギリス
- サイズ
- 超大型犬
- グループ
- 使役犬
マスティフの性格と特徴・飼いやすさ
とても古い歴史をもち、マッチョな大型犬の源流となるマスティフ。牛やクマと闘う競技を行っていた歴史がありますが、競技が禁止になってからは護衛犬や番犬として能力を発揮し、穏やかな性格に改良されました。がっしりとした骨格と発達した筋肉をもち、いかつい顔をしていますが、気立てがよく落ち着いています。
マスティフの飼いやすさ 各項目の数値が大きいほど飼いやすい傾向
※参考『日本と世界の犬のカタログ』(成美堂出版)
マスティフの性格
気立てがよく穏和な性格で、飼い主さんにとても忠実です。また、落ち着いていて、無駄な動きがありません。しかし、超大型犬で力が強いので、破壊トラブルには注意が必要です。子犬のころから飼い主さんがしっかりと行動をコントロールできるようにしておくことが大切です。
マスティフの大きさ
オス・メス共に体重75kg以上もあり、超大型犬に分類されます。重量感のある骨格と発達した筋肉をもっています。
オス 体高:75cm以上/体重:75kg以上
メス 体高:68㎝以上/体重:75kg以上
※体高:地面から首と背中の境目付近までの高さで、人の身長に相当するもの。
マスティフの毛色の種類
マスティフの被毛の色は、アプリコット・フォーン、シルバー・フォーン、フォーン、ダークフォーン・ブリンドルが認められています。マズル、耳、鼻、目のまわりはブラックです。被毛は短く、体表にぴったりと張りついています。
マスティフの心配な病気
・加齢とともに足に負担がかかって発症する「関節炎」
・胃の固定が充分でないために起きやすい「胃捻転」
・大型犬に多い「股関節形成不全」
・なんらかの原因で皮膚に発疹やかゆみが生じる「皮膚炎」
・まぶたが外側にめくれる「眼瞼外反症」
マスティフの価格相場(2024年)
マスティフは一般的に入手が難しく、輸入や専門ブリーダーからや、保護犬譲渡がおもな入手方法です。
※自治体により特別な飼育遵守事項が定められている場合があるので、事前に確認しましょう。
マスティフの飼い方
ポイント(1)毎日の散歩を規則正しく
思いきり走らせたりジャンプをさせたりといった激しい運動は必要ありません。運動不足により筋肉量が落ちると関節に負担がかかりやすくなることも。若いうちから毎日朝夕の散歩を欠かさずに規則正しく行い、適正体重と丈夫な体を維持するように心がけましょう。
ポイント(2)子犬の頃からしっかりとトレーニングを
穏やかで落ち着いた性格ですが、体が大きく力も強いため、意図せずまわりのものなどを破壊してしまう可能性があります。また、散歩中にほかの犬などに向かっていくことも。こうしたトラブルを想定して、子犬のころからしっかりとトレーニングを行い、行動をコントロールできるようにしておくことが大切です。初心者には扱いが難しく、不向きな犬種といえるでしょう。
ポイント(3)ヨダレをケアして清潔を保って
食前や運動中にヨダレが出やすいので、固く絞ったタオルで拭いて清潔を保ちましょう。とくに、顔や首まわりのしわに汚れがたまったままになるとニオイの原因になることがあるので注意。全身の被毛のお手入れには手間はかかりません。週2回程度を目安にブラッシングをするといいでしょう。
ポイント(4)年齢と目的に応じたフードを
主食には、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。一般食は、栄養バランスよりも嗜好性を重視する傾向にあるため、主食には不向きです。フードのパッケージに「総合栄養食」と記載されているもののなかから、ご自身の犬に合ったフードを選択します。
犬はライフステージごとに必要とされる栄養の質と量が微妙に異なります。「子犬用」「成犬用」「シニア犬用」「体重管理用」など、年齢と目的に応じたフードを与えましょう。
手作りフードは与えているものを飼い主さんが把握できる安心感があり、愛犬のことを思いながら調理する楽しさもあります。しかし栄養バランスを保つのが簡単ではないため必要ならばサプリメント等で補いながら実施することをオススメします。
マスティフに似た犬の種類
マスティフの歴史や背景
マスティフは古い歴史をもつ犬で、古代ローマ時代にはすでに軍用犬や闘犬として活躍していました。その後、牛やクマと闘う競技で人気でしたが、これらの競技が禁止になってからは、護衛犬や番犬として能力を発揮しています。怖そうな顔立ちとは裏腹に性格は穏やかで、きちんとした訓練を行えば頼もしい家庭犬になります。
監修:
ヤマザキ動物看護大学 動物看護学部 准教授
福山貴昭先生 (博士[学術]・愛玩動物看護師)
参考:『日本と世界の犬のカタログ』(成美堂出版)