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肝細胞がんに侵された愛犬と向き合う決意 その先に思うこと

この特集では、難病や障がいをもった愛犬とその飼い主さんの、闘病や暮らしの様子をレポートします。

今回ご紹介するのは、肝細胞がんに侵されながらも、毎日元気いっぱいに暮らしているヨークシャー・テリアのモコ吉くん(13才)のお話です。

1回目の記事|手術が難しい肝臓がんに侵されながらも、毎日元気いっぱいに暮らすシニア犬

2回目の記事|肝細胞がんの再発を告げられた飼い主さんの思い

悲観して過ごすより、毎日を楽しもうと決意

遊んでほしいとき、おもちゃをくわえておねだりするというモコ吉くん(写真提供/笹島祟行さん)
遊んでほしいとき、おもちゃをくわえておねだりするというモコ吉くん(写真提供/笹島祟行さん)
「一度目の手術を終えたとき、この先は16才くらいまではいっしょに過ごせるという、妙な安心感があった分、再発を告知されたときはひどく動揺しました」と飼い主の笹島祟行さんはその日を振り返ります。

しかし、そんな祟行さんの考えを変えてくれたのもまた、モコ吉くんでした。
「新型コロナウイルスのワクチンを打った夜、39℃の高熱を出したんです。つらくて横になるしかない私の、いつもと違う様子を察して、モコ吉の表情が明らかに不安そうでした。ふだんはすり寄ってくるのに、それもしないで距離をおいて、私を心配そうに見ていたんです」
 
祟行さんの熱が下がり体調が戻ると、モコ吉くんにもいつもの笑顔が戻ったのだそう。
それを見て「自分が健康で、最後までモコ吉を温かく見守らなくては。自分に何かがあったら、それこそモコ吉を悲しませてしまう。〝その日〞がいつ来るかはわかりませんが、その日までを悲しく思いながら過ごすのではなく、笑顔で楽しい時間を少しでも多くつくろう」と笹島さん夫妻は心に決めました。
がんの再発を宣告されてからは、毎日いっしょに寝るように。祟行さんのおなかの上に寝転び、なでられながら眠るのがモコ吉くんの至福のひととき
がんの再発を宣告されてからは、毎日いっしょに寝るように。祟行さんのおなかの上に寝転び、なでられながら眠るのがモコ吉くんの至福のひととき

病気と向き合うことを受け入れた先に、新たな楽しみが

たとえ近所への散歩でも、いっしょに外出できることが何よりの幸せだそう
たとえ近所への散歩でも、いっしょに外出できることが何よりの幸せだそう
「妻が生後2カ月のモコ吉にひとめぼれしてわが家にやってきて、結局私のほうがモコ吉にメロメロになってしまいました。これまで沖縄などの遠方へもいっしょに旅してきました。病気が発覚する前は有料サービスの記念写真など撮ったことがなかったのに、今では行く先々で記念撮影を撮っては楽しい思い出を増やしています」
 
ちなみに笹島さんがモコ吉くんを撮りためたアルバムは取材時点で36冊!
まだまだアルバムに収めきれていない写真もたくさんありました。

「妻のアルバムは10冊、僕のアルバムは8冊。ダントツでモコ吉のアルバムが多いですね(笑)」
 
病気だからと行動を制限するばかりではなく、モコ吉くんでも楽しめることを探すのが今では笹島さんの楽しみに。
「2018年に『10年日記』を購入して、モコ吉の日々の記録をつけています。4年分は埋まったけれど、できることなら2027年まで埋められたらいいですね」
いっしょに通い始めた高尾山。その回数は取材時で45回でしたが、100回を目指しているそう
いっしょに通い始めた高尾山。その回数は取材時で45回でしたが、100回を目指しているそう
※各情報は2021年10月7日現在の情報です。

出典/「いぬのきもち」2022年1月号『困難と闘う!……その先のしあわせへ』
取材協力/羽根木動物病院 院長 有井良貴先生
写真/大森大祐
取材・文/佐藤英美
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