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【獣医師が解説】犬の「てんかん」|原因や症状〜予防法までご紹介

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今回は、犬の「てんかん」について、症状や原因、なりやすい犬種から発作が起きたときの対処法、病院での診断・治療法にくわえて、予防策についてもご紹介いたします。急なてんかん発作に対応するには、普段からの意識が大切になってきますよ。

犬の「てんかん」とは

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まずは「てんかん」がどのような病気なのか知っておきましょう。てんかんとは脳の神経回路がショートしてその電気的ショートが周囲の神経回路に広がってしまう状態のことをさし、その結果として生じる身体的な症状を「てんかん発作」といいます。てんかんの症状としてよく知られているのが「けいれん」でしょうか。てんかん発作が起きると犬の四肢が急に硬直してしまい、横に倒れてけいれんします。

けいれんと同時に意識がなくなることもあり、無意識のうちに排泄してしまったり、口から泡を吹いたりします。初めてのことだと飼い主さんもパニック状態になるでしょうが、体をゆすったりせずに、まずは冷静に犬の様子を見守ることが大切だと覚えておいてください。

てんかんの主な原因

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てんかんの原因としては、その分類によって多少の違いがあります。

まず一般的に「てんかん」と呼ばれているものは「特発性てんかん」に分類され、原因は不明ですが遺伝的要素が強いと考えられています。この「特発性てんかん」は、音や光、ストレスなど外的刺激が引き金となることがありますので、飼い主さんは注意が必要です。

「特発性てんかん」の他に「症候性てんかん」と「潜因性てんかん」に分類することができます。「症候性てんかん」は、脳炎や脳腫瘍など脳の病気や原因がわかる損傷によるもので、「潜因性てんかん」は脳に原因不明の器質的損傷があるものとされています。

なお、てんかん様発作が見られることもありますが、厳密にはてんかんとは呼びません。獣医師の判断を仰ぎましょう。

てんかんになりやすい犬種は?

てんかんになりやすい犬種は、アイリッシュ・ウルフハウンド、ボーダー・コリー、ミニチュア・ダックスフフンド、トイ・プードル、ゴールデン・レトリーバー、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、ビーグル、シェットランド・シープドッグ、シベリアン・ハスキー、ジャーマン・シェパード、ボーダー・テリア、ラブラドール・レトリーバーなどが挙げられます。犬全体だと、およそ0.6〜0.75%の発症率とされており、上記した犬種のように遺伝的要素も強いと言われています。

てんかん発作時の対処法

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てんかんは発作を繰り返すと、最悪命にも関わる病気です。愛犬がてんかん発作を起こしたときには迅速かつ正確な対処が求められます。

・まずは冷静に見守る
・愛犬の身体にはふれない(無意識の愛犬に噛まれる危険性も)
・近くに危険なものがないか確認し、愛犬の周りの安全を確保する
・獣医師に相談できるように、状況をメモしておく

愛犬が急に発作を起こした際には、上記した点について気を配りましょう。愛犬が苦しむ様子に「何かしてあげたい」と思うことは飼い主さんとして当然ですが、まずは冷静になって対処することこそが、愛犬の命を救う手立てになります。もし発作が長引いたり、意識が戻らずまた発作を繰り返したりするようなら、一刻も早く動物病院へ連れて行きましょう。治療が遅れることで障害が残ったり、場合によっては命を落とすこともあります。

てんかんの診断法と治療法

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てんかんの診断方法としては、全身性の疾患を判別し除外するために血液検査を実施します。もし頭蓋内疾患が疑われる場合は、MRI検査を実施することも。そしててんかん発作の原因が病気によるものだとわかれば、その病気の治療を優先的に行います。

てんかん発作に対しては、発作の頻度を減らす薬を使って対処します。もし興奮が激しくなったり発作の時間が長引くようなら、獣医師に再度相談するようにしてください。特発性てんかんを患っているときは、犬の体質にあわせた抗てんかん薬を投与して治療することもあります。

てんかんと長く付き合う上での注意点

自宅療養を指示されると薬を処方されるかと思いますが、しばらく発作が起きなかったからといって自身の判断で減薬や断薬することは絶対にやめましょう。症状を悪化させることもありますし、前述したとおり命にも関わる病気なので、獣医師の指導に必ず従うようにしてください。

また可能なら、療養日記をつけておくことをおすすめします。その日の天気や愛犬の様子などを記載しておけば、治療の手助けになるかもしれませんよ。特にてんかんは天候や気圧の変化が発作と関連しているとも言われているので、些細なことでもメモしておくといざというときに役立つでしょう。

てんかん発作の予防法

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てんかん発作を予防することは、一般的には難しいとされています。しかし特発性てんかんの場合には、生活環境を整備することで余計なストレスを減らし、引き金となる音や匂い、光などを愛犬から遠ざけてあげるようにしましょう。

【参考動画】てんかん様発作のけいれん

犬の癲癇様発作 - YouTube

少々刺激が強いかもしれませんが、てんかん様発作のけいれん動画へのリンクを掲載しておきます。想像を絶するけいれん具合なので、閲覧はご自身の責任で十分にご注意ください。もしものときにパニックを起こさないためにも事前に確認しておくのも良いかもしれません。

なお、投稿された方によると、こちらの動画は動物病院で説明するために撮影したもので、現在は薬により発作は治まっているとのことです。

以上、犬のてんかんについてご紹介してきました。もし急にてんかん発作が起きたとしても、落ち着いて対処すれば最悪のケースは防げるかもしれません。てんかん自体の完治は難しいですが、何より飼い主さんの日々の心がけが重要です。てんかん治療に不安になっている方も多いでしょうが、少しずつで良いので、まずは病気を受け入れることから始めてみてください。

いぬのきもち WEB MAGAZINE「病気・症状データベース(てんかん)」

いぬのきもち WEB MAGAZINE「獣医師が答えるQ&A(脳、脊髄、神経)」

出典元/『いぬのきもち』WEB MAGAZINE「病気・症状データベース(てんかん)」
    『いぬのきもち』WEB MAGAZINE「獣医師が答えるQ&A」
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/JANE
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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