1. トップ
  2. 犬と暮らす
  3. 健康・病気
  4. 発情
  5. 【獣医師監修】メス犬の生理(ヒート)はいつから?期間中の過ごし方や散歩時の注意

犬と暮らす

UP DATE

【獣医師監修】メス犬の生理(ヒート)はいつから?期間中の過ごし方や散歩時の注意

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

メス犬のいる飼い主のみなさん。犬の「ヒート」についてご存知ですか? 今回は、犬のヒートのメカニズムや発情期前期・発情期・発情後期ごとの状態、さらに散歩の注意点などヒート中の過ごし方や避妊手術についても解説します。

この記事の監修

加藤 憲一 先生

 獣医師
 相模原プリモ動物医療センター院長

 日本大学生物資源科学部獣医学科卒業
 麻布大学附属動物病院腫瘍科専科研修医
 麻布大学附属動物病院腫瘍科専科非常勤勤務

●資格:獣医師/日本獣医がん学会獣医腫瘍科認定医II種

●所属:日本獣医がん学会

●主な診療科目:一般診療(外科・内科)/腫瘍科/画像診断科

続きを読む

メス犬のヒートとは?いつから何才まで起こる?

スカートを履いた小型犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

メス犬を飼ったことがないかたには、「ヒート」はあまり聞きなれない言葉かもしれません。これは、避妊手術を受けていない健康なメス犬に訪れる、犬の生理と呼ばれているものを指します。体が成熟して妊娠ができるようになり、出血をすることから、人の生理と同じように思われるかたも多いかと思いますが、そのメカニズムは異なるもの。

「ヒート」は、発情前期・発情期・発情後期の期間を総称した言葉で、通常生後6~10ヵ月ごろから始まります。個体差があるため、生後1年を過ぎてからヒートを迎える場合も。小型犬も大型犬も、主に年1~2回という周期でヒートを繰り返し、これは生涯続いていきます

ヒート期間の犬の変化と行動

トイ・プードル
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

1回のヒート期間は、個体差があるもののおよそ2~3カ月程度。この期間は妊娠に備えて、犬の心と体にさまざまな変化があらわれる時期です。また、発情期の間はホルモンバランスの変化によって免疫力が低下しやすい傾向にあります。
では、具体的にどのような変化があらわれるのか、それぞれの期間の特徴を見ていきましょう。

発情前期:約10日間の行動・変化

約10日間続く発情前期は、陰部が腫れたようにふくらんで出血します。しかし出血量が少なかったり、メス犬が自分で陰部からの出血をなめとったりした場合は、飼い主さんでも出血に気付かないことがあるでしょう。

愛犬を観察したとき、お尻を気にしてよくなめるようになったり、陰部がふくらんだりしていたら、ヒート期間に入っている可能性があります。そのほかにも、ソワソワして落ち着かなくなる、トイレへ行く回数が増える、また、食欲が落ちるといったことも。

この時期からオス犬を引き付けるフェロモンを出すようになりますが、発情前期は、まだオス犬を迎え入れる段階ではありません。

発情期:約10日間の行動・変化

出血量が少なくなると、発情前期から発情期に入ります。発情期に入ってから2~3日で排卵し、その前後5日間くらいが妊娠可能期間です。犬によってはこのタイミングで出血が止まる場合も。

この頃のメス犬は、オス犬に対してとても寛容な態度をみせることがあります。愛犬のオス犬への態度の変化に、驚く飼い主さんもいるでしょう。しかし妊娠を望まないなら、オス犬との接触には注意が必要です。
一度交尾の体勢に入ると、オス犬の性器はメス犬の膣内でロックがかかった状態になり、人の力では引き離せません。無理に引き離そうとすると、大ケガにつながるおそれもあります。

発情後期:約2カ月間の行動・変化

排卵された卵子に授精する能力が無くなると、発情期は終了します。その期間を発情後期とよび、徐々に体は通常の状態へ戻っていきます。陰部の腫れも治まるでしょう。しかし、妊娠していない犬は「偽妊娠(想像妊娠)」に注意しなければなりません。

通常、哺乳類は妊娠が成立しなかった場合、女性ホルモンの分泌は治まるもの。しかし、妊娠をしていなくてもホルモンが分泌され続けることがあり、その場合、「偽妊娠(想像妊娠)」が起こりやすくなります。

一般的には偽妊娠になっても自然と終わる犬が多いですが、中には母乳が出る犬もいます。その母乳をなめることで乳腺炎になることもあるので、偽妊娠の疑いがあるときは、獣医師に相談しましょう。

散歩やシャンプーはNG?ヒート中の過ごし方

桜の花びらの上を散歩するポメラニアン
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

ヒート中は犬の体を清潔に保ち、ストレスなく安心して過ごせる環境作りが大切です。そのためにも、散歩やシャンプー、ドッグランなど、日常的に行っていたことも見直す必要があります。
具体的にどのような対策が必要なのか、くわしく見ていきましょう。

ヒート中の散歩は最小限に!

ヒート中の散歩は、近所のオス犬の関心を引きます。散歩はストレス解消や運動不足解消に役立ちますが、ヒート中だとそのニオイを振りまくリスクがあるのです。ニオイに引かれたオス犬が脱走を図ったり、集まってきた犬同士で騒ぎをおこしたりする危険性もあります。

そのため、ヒート中の散歩は最小限にとどめ、可能ならば犬用のオムツをしてから出かけましょう。散歩ルートを出血で汚すことを防ぎ、ニオイを少なくし、もしもの場合も交尾行為を防ぐことができます。また、オムツやマナーホルダーを装着することで、ほかの飼い主さんにヒート中だということを知らせる効果もあるでしょう。

シャンプーやトリミングは慎重に

ヒート中の犬の体は免疫力が低下し、細菌感染を起こしやすくなっているので、食欲が落ちていたり元気がなかったりなど、体調を崩すことも少なくありません。ヒート中のシャンプーは体調をよく見て慎重に行ってください。もし、ニオイや陰部の汚れが気になる場合は、部分シャンプーが有効です。

また、トリミングに関しては、1頭ずつトリミングを行うサロンを選び、ヒート中であることを伝えて予約しましょう。複数の犬が同じ空間でトリミングを受けるサロンだと、散歩のときと同じく、オス犬を刺激してしまう場合があるため、注意が必要です。

ドッグランはNG!

先述したように、ヒート中のメス犬のニオイはオス犬を興奮させてしまうため、ドッグランの利用は避けるようにしましょう。興奮したオス犬同士がメス犬をめぐってケンカになってしまったり、交尾に発展してしまったりすると、望まない妊娠にもつながりかねません。ドッグランやドッグカフェなどのペット同伴型の施設では、利用規約に「ヒート中のワンちゃんの利用はお断りしています」という看板を掲げていることも多いです。

ヒート中の犬を、犬が多く集まる場所へ連れていく行為は、ほかの飼い主さんへの迷惑行為です。愛犬の体を守るためにも、ヒート中はペット同伴型の施設へ行くことはやめましょう。

以下の記事では、ドッグランでのマナーについて触れていますので、こちらも確認してみてください。

室内の対策

最後に、ヒート中の愛犬と室内で過ごすときの対策を見ていきましょう。出血で汚れてしまうことがあるため、ソファーやベッドなど、洗えないものにはカバーをかけてください。
また、床などに落ちた血はまめに拭き取るようにしましょう。

出血で愛犬の被毛も汚れてしまうため、お湯で湿らせた清潔なタオルで陰部を拭いてあげてください。出血が多い場合や気になる場合は、犬用のオムツを利用するのもおすすめです

ヒート中の便利アイテム

マナーパンツを履いたミニチュアダックスフンド
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

ヒート期間中の散歩は、オムツなどをして出血やニオイを防ぐことが大切です。犬用のサニタリーパンツも市販されており、サスペンダー付きのタイプや、服と一体型になっているタイプ、小型・中型・大型犬用とサイズ別になっているタイプなど、選択肢も豊富なのでおすすめです。

犬用オムツは常時用意しておくと安心ですが、地域によっては取り寄せや高額になってしまうことも。そんなときは、人用の生理用ナプキンや、トイレシートを折りたたんだものをマナーホルダーに装着することで、マナーパッド代わりにすることもできます。

また、愛犬の体に合わせたサイズや飼い主さんの好みで、オムツやマナーホルダーを手作りしてしまうのもいいでしょう。憂鬱になりがちな散歩タイムも楽しく過ごすことができますよ。

避妊手術をするべきなの?

くっついてくつろぐ2匹の小型犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

メス犬を含めた多頭飼いをしている家庭や、将来妊娠を考えていない飼い主さんは、避妊手術を考えるのも1つの手です。避妊手術は、初めての発情を迎える前に行うと、乳腺腫瘍の発生率が大幅にダウンするといわれています。さらに発情期に起こる情緒不安定や、本能的にオス犬を求めるといった精神的ストレスからも解放されます。そして、発情後期に起こりやすい偽妊娠の心配が無くなるといったメリットも。

一方で、避妊手術を行うと肥満になりやすくなったり、子どもを授かれなくなったりといったことがあります。何が愛犬にとって一番いいのか、慎重に考えてあげてください。

愛犬の心と体の変化を理解し、サポートしてあげよう

おすわりする柴犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

ヒート中の犬は、神経質になることもあります。しかし、飼い主さんが大らかに接することで、愛犬の気分も落ち着いてくるかもしれません。愛犬の心と体の変化を理解し、少しでも愛犬が快適に生活できるように、サポートしてあげてくださいね。

参考/「いぬのきもち」2016年10月号『体の変化や去勢・避妊手術の知識も身につく 男子犬 女子犬 違いを生かす育て方』
監修/加藤憲一先生(相模原プリモ動物医療センター院長)
文/kagio
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

CATEGORY   犬と暮らす

UP DATE

関連するキーワード一覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

人気テーマ

あわせて読みたい!
「犬と暮らす」の新着記事

新着記事をもっと見る