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【獣医師監修】犬にネギは危険!食べた時に起こる中毒症状と対処法は
「犬にネギを与えてはいけない」と、聞いたことある人も多いですよね。では、なぜ犬にネギを食べさせてはいけないのでしょうか? ここでは、犬にネギがダメな理由や起こり得る中毒症状、ネギを食べてしまった場合の対処法や予防法などについて解説します。
- 目次
- 犬にネギを与えるのはNG!その理由と致死量とは
- 犬がネギを食べてしまうことで起こる中毒症状
- ネギ以外にも注意して!同じ中毒症状が起きる食材とは
- 犬がネギを食べてしまった場合の対処法
- 愛犬をネギ中毒にしないためにできる予防法
- ネギの危険性を知って、日ごろから近づけないよう対策しよう!
犬にネギを与えるのはNG!その理由と致死量とは

「犬にネギを与えていいのか、いけないのか」という話は、犬を飼ったことがない人でも、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
実際に、いぬのきもちアプリユーザーに、「ネギを犬に食べさせてもいいか、ダメかご存知ですか?」とアンケートを行ったところ、なんと99.5%の回答者が食べさせてはいけないと回答しました!
犬にネギを与えてもいいか知ってる?

ここまで有名な、犬とネギの関係。では、ネギの何が犬にとって害になるのでしょうか?
赤血球を破壊する「アリルプロピルジスルフィド」
ネギや玉ねぎなどのネギ類の中には、「アリルプロピルジスルフィド」という成分が含まれています。この成分は人には無害なのですが、犬の体の中に吸収されると溶血という現象を引き起こし、赤血球を大量に破壊してしまう恐れが。
赤血球が一度に大量破壊されてしまうと、溶血性貧血を引き起こし、最悪死に至る危険性もあるため、犬にとってネギ(類)は危険な食材なのです。
ネギの中毒量はどれくらい?
明確な数値があるわけではないのですが、一般的に体重1kgあたり5~10gが中毒量といわれています。とはいえ、体の大きさは犬によって異なり、中毒症状が起きるかどうかも個体差があるため、あくまでも目安と考えてください。
いぬのきもち WEB MAGAZINE「犬にこの野菜を与えるのはNG! 食べてしまったときの対処法は?」
犬がネギを食べてしまうことで起こる中毒症状

では、誤って愛犬がネギを食べてしまった場合、どのような中毒症状が起こるのでしょうか? ネギ中毒の代表的な症状とサインをいくつかご紹介します。
ネギ中毒の代表的な症状
- 元気がない・衰弱している
- 貧血を起こしてふらつく(溶血性貧血)
- 血尿・血便が出る
- 食欲不振
- 下痢・嘔吐をする
- 呼吸困難になっている
- 歯茎や目の粘膜などが白い
- 黄疸が出る
- 体が痙攣している
- 肝臓や脾臓が腫れる など
中でも、血尿と貧血はネギ中毒の代表的な症状です。ピンクや茶色の尿が出たり、頻繁にふらついたりする場合はネギ中毒を疑い、受診するなどすぐに対処しましょう。
ちなみにネギ中毒は、ネギを食べてすぐではなく、数日後くらいに症状が出始めることが多いです。食べてすぐは元気だからといって、そのまま放置しないようにしてください。
ネギ以外にも注意して!同じ中毒症状が起きる食材とは

ネギ以外にも、ネギの仲間の野菜やネギのエキスが入った加工品も、ネギ中毒を起こす危険性があります。以下のような食材は、愛犬のそばに近づけないようにしましょう。
ネギ中毒症状を起こす危険な食材
- にら
- 玉ねぎ
- にんにく
- すき焼きやしゃぶしゃぶなどの鍋物
- 野菜ジュース
- カレーなどのルウ
- ネギを煮たスープや味噌汁
- ケチャップやソースなどの調味料
- ハンバーグ
- 赤ちゃん用のレトルトフード など
これら以外にも、総菜パン類や丼ものなど食品はネギ類を含むものが多く、飼い主さんが目を離した隙につまみ食いしてしまうことは十分考えられます。あからさまにネギ類が入っている食品だけを遠ざけるのではなく、基本的に人の食べ物は愛犬の口に入らないよう、しっかり管理してください。
犬がネギを食べてしまった場合の対処法

愛犬がネギを食べてしまった場合、食べてそこまで時間が経っていないのであれば、病院で口から簡単に吐き出させることができるかもしれません。ただし、それでも中毒症状が出ることがあります。
食べてから時間が経っている場合は、どれだけの量を食べたのかを確認した上で、動物病院に連れて行きましょう。無理に吐き出させようとすると、誤嚥をする恐れがあり、死に至る危険性もあるので注意してください。
対処に迷ったら動物病院の指示を仰ごう!
インターネットで見るような応急処置方法は、知識の少ない一般の飼い主さんが無理に手を出すと、取り返しのつかない事態を引き起こす危険性もあります。対処の仕方に迷ったら、まずは動物病院に愛犬の状況を説明し、指示を仰ぐことをおすすめします。
いぬのきもち WEB MAGAZINE「犬が食べると“キケン”な野菜類・果物類まとめ&食べたときの対処法」
愛犬をネギ中毒にしないためにできる予防法

愛犬をネギ中毒にしないためには、愛犬がネギに触れない環境作りをすることが大切です。日ごろから、以下のような対策をとり、ネギ中毒のリスクを回避しましょう。
ネギの調理中は犬をキッチンに入れない
料理中は柵などを立てて、犬をキッチンに入れないようにしているという飼い主さんは多いかもしれません。しかし、実は調理後でも、床に落ちたネギの切れ端を愛犬が食べてしまう危険性はあります。ネギの調理中はもちろん、調理後も掃除が完了するまでは、キッチンに犬を入れないようにしてください。
ネギを触った手で犬に触れない
ネギそのものでなくても、ネギのエキスや加工品がついた手を犬がなめると、ネギ中毒を起こす恐れがあります。ネギ類を触った後はしっかり手を洗ってから、愛犬に触れるようにしましょう。
散歩中はネギ畑や落ちているネギのそばを通らない
家庭菜園がブームの昨今。散歩で通る道のすぐ横の敷地に、ネギなど犬が中毒を起こす野菜が植えてある可能性はゼロではありませんし、買い物袋から落ちてしまった野菜が、道端に落ちていることも考えられます。
散歩中はそういった野菜が植えてあるそばを通らないように意識し、愛犬が落ちている野菜を口に入れないよう、注意深く観察しましょう。
ネギの危険性を知って、日ごろから近づけないよう対策しよう!

人にはなじみ深い食材のネギですが、犬にとっては毒物と変わりありません。「少しくらいなら問題ないでしょ」「これはネギそのものじゃないし大丈夫」なんて安易に思わずに、ネギを含むものやネギに似ているものは、愛犬から遠ざけましょう。
少しでもネギやネギを含む食べ物を食べた可能性がある場合は、すぐに動物病院で診てもらうことが大切です。
参考/「いぬのきもち」2017年3月号『ついつい与えがちな食べ物も判定します|ふだん使いの健康食材 犬に与えてOK?NG?』(監修:高円寺アニマルクリニック院長 髙﨑一哉先生)
「いぬのきもち」WEB MAGAZINE「犬にこの野菜を与えるのはNG! 食べてしまったときの対処法は?」
「いぬのきもち」WEB MAGAZINE「犬が食べると“キケン”な野菜類・果物類まとめ&食べたときの対処法」
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/pigeon
※グラフは、「いぬのきもちアプリ」ユーザーアンケート、2018年3月調査より参照。
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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