犬と暮らす
UP DATE
ボーダー・コリーにサマーカットは必要?注意点を専門家が解説!
ロングコートのボーダー・コリーと暮らしていると、「サマーカットにしたほうがよいのかな」と気になる飼い主さんも多いのではないでしょうか? そこで今回は、サマーカットの必要性や注意点について解説します。まずは被毛の特徴について見ていきましょう!
まずはボーダー・コリーの被毛について理解しよう

ボーダー・コリーの被毛は大きく分けて2種類
ボーダー・コリーは毛の長さで、「ロング(ラフ)コート」と「スムースコート」の2種類に大別できます。
ロングコートは、ウェーブがかかったような長い毛をしているのが特徴で、スムースコートはまっすぐな短い毛をしているのが特徴です。
ボーダー・コリーはダブルコートの犬種
犬の毛には、皮膚を保護する「オーバーコート」と、体温調節する「アンダーコート」の2種類あります。
そして、その両方の毛をもつ犬種を「ダブルコート」、オーバーコートのみをもつ犬種を「シングルコート」と呼び、ボーダー・コリーはロングコート、スムースコートどちらも、ダブルコートに属する犬種です。
ボーダー・コリーの抜け毛は多め
ボーダー・コリーをはじめとするダブルコートの犬種には、通常の毛周期のほか、「換毛期」と呼ばれるアンダーコートが大量に抜け落ちる時期が夏前と冬前に訪れます。
個体差はありますが、この時期のボーダー・コリーの抜け毛の量は多いといわれているので、ブラッシングやシャンプーなどで正しく対策してあげる必要があるでしょう。
いぬのきもち WEB MAGAZINE「ボーダー・コリーの特徴と性格・価格相場|犬図鑑」
ボーダー・コリーにサマーカットは必要?

ここからは、サマーカットについて詳しく見ていきましょう。
そもそもサマーカットとは
サマーカットとは、暑さや熱中症の予防対策のために、犬の毛をいつもより短くカットすることです。ふだんはカットしていなくても、夏の間だけ愛犬の毛をカットするというご家庭も少なくないでしょう。
ちなみに、ボーダー・コリーがトリミングサロンでカットする場合は、サロンによって前後しますが、シャンプー込みで7,000~8,000円くらいが相場のようです。なお、もつれや毛玉ができている場合などは、追加でオプション料金がかかることもあるでしょう。
ボーダー・コリーはカットが必要な犬種ではない
生まれつき毛の短いスムースコートはもちろん、ロングコートのボーダー・コリーの場合も、一定の長さになると毛が伸びなくなるため、基本的にカットの必要はありません。そのため、夏場にサマーカットにするかしないかは、飼い主さん次第といえるでしょう。
実は、サマーカットにはメリットだけでなくデメリットもあるので、両者をよく比較したうえで検討してみるとよいかもしれません。
サマーカットのメリット・デメリット
◆サマーカットのメリット
- 毛の量が減ることで、体に熱がこもりにくくなる
- 涼しげに見えるなど、見た目の印象がよくなる
- もつれや毛玉ができにくくなるので、お手入れが楽になる
- 蒸れたり汚れたりしにくくなるので、皮膚病予防につながる など
◆サマーカットのデメリット
- 短くしすぎると、紫外線などの悪影響を皮膚が受けやすくなる
- 被毛には断熱効果があるため、熱をまともに受けてかえって暑くなることもある
- 物理的な刺激や虫刺されなどによる皮膚炎の危険性が高まる
- バリカンを使って短く刈り込むと、毛質が変わることがある
- 毛が伸びてくるとムラになることがある
- トリミングサロンでカットする場合は費用が掛かる など
いぬのきもち WEB MAGAZINE「獣医師監修|チワワにサマーカットは必要?動画でわかるカット方法も」
ボーダー・コリーをサマーカットにする際の注意点

では最後に、サマーカットにする際の注意点をご紹介します。
短くカットしすぎない
先述通り、暑さ対策だからといって短くカットしすぎてしまうと、皮膚に悪影響を及ぼすおそれがあります。そのため、自宅でカットする際は短くしすぎないように注意し、トリミングサロンでお願いする場合は、希望の長さについてあらかじめ伝えておきましょう。
なお、毛質の変化が心配な方は、バリカンを使わないようにお願いしておくと安心です。
自宅でカットするときはケガに注意
自宅でカットする場合は、コストが抑えられたり、お手入れが好きな犬の場合はスキンシップになったりとメリットがあります。しかし、専門的な知識がない飼い主さんがカットすると、バリカンやハサミなどによるケガが発生するおそれもあるので、取り扱いには十分注意してください。
短時間で行い、体調不良のときは避けて
犬が嫌がっているのに無理にカットを続けると、お手入れ嫌いになってしまう心配があります。そのため、短時間で何回かに分けて行う、おやつやフードをあげながら行うなど、様子を見ながら行うことも大切です。
なお、カットは犬にとって負荷がかかる作業ですので、体調不良のときや皮膚病を患っているとき、ヒート中や妊娠中は控えるようにしてください。
シニア犬の場合は体調面と相談しながら
一般的に、犬は7才以上になると「シニア犬(老犬)」と呼ばれるようになります。シニア犬になると疲れやすく、心臓の負担が大きくなるので、体調が万全のときにカットするようにしましょう。
また、健康状態にもよりますが、犬が10才を過ぎると「お断り」するトリミングサロンも少なくありません。シニア犬の場合は体調面とよく相談しながら、カットするかを決めるようにしましょう。
いぬのきもち WEB MAGAZINE「【専門家が解説】おしゃれだけじゃない?犬のトリミングの役割や方法、費用について」
愛犬にあったお手入れでこの夏を快適に過ごそう

今回は、ボーダー・コリーのサマーカットについてお話ししてきました。ボーダー・コリーはカット自体を必須とする犬種ではありませんが、肉球の間の毛やお尻周りの毛などを短くカットすることは、ケガや病気の予防につながります。
また、こまめなブラッシングや月1回程度のシャンプーは、暑さ対策に一役買うのはもちろんのこと、犬の衛生管理上非常に重要ですので、忘れずに行ってあげてください。
愛犬にあったお手入れをして、この夏を快適に乗り越えましょう!
参考/「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『ボーダー・コリーの特徴と性格・価格相場|犬図鑑』(監修:ヤマザキ動物看護大学講師 危機管理学修士 認定動物看護師 ペットグルーミングスペシャリスト 福山貴昭先生)
「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『獣医師監修|チワワにサマーカットは必要?動画でわかるカット方法も』(監修:いぬのきもち相談室獣医師)
「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『【専門家が解説】おしゃれだけじゃない?犬のトリミングの役割や方法、費用について』(監修:SJDドッグ グルーミングスクール代表 中央ケネル事業協同組合連合会会長 鈴木雅実先生)
参照/Instagram
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/ハセベサチコ
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
UP DATE