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【獣医師監修】鳴き声でわかる犬の気持ち!しつけや対策も解説

犬の鳴き声には、さまざまなタイプがあります。今回は、鳴き声や吠え声の種類からわかる犬の気持ちを解説。また注意が必要な鳴き声や、犬種による鳴き声の違い、鳴き声による騒音トラブルについてや、ムダ吠えさせないためのしつけのポイントもご紹介します。

後藤 瞬 先生

 獣医師
 相模原プリモ動物医療センター第2病院勤務

 東京農工大学農学部獣医学科(現 共同獣医学科)卒業

●資格:獣医師

●所属:日本獣医皮膚科学会日本獣医がん学会動物介在教育・療法学会

●主な診療科目:一般診療(外科、内科)/麻酔科

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鳴き声で犬の気持ちがわかる

チワワ
犬は人と暮らすうちに鳴き声(鳴き方)が複雑化したと考えられています。なかには、飼い主さんの反応を見て習得した、その犬独自の鳴き声もあるなど、犬の鳴き声は実に多種多様です。

では、犬の鳴き声にはどのようなものがあり、その鳴き声にはどのような気持ちが込められているのでしょうか?

この鳴き声のとき、犬はどんな気持ち?

プードル
ここでは、具体的な犬の鳴き声と、そのときの犬の気持ち、どういった状況で聞くことが多いのかを見ていきましょう。

「キューンキューン」「クゥーンクゥーン」

子犬のように高くて澄んだ声で、「キューンキューン」「クゥーンクゥーン」などと鳴くときは、飼い主さんに近づきたい気持ちと関係しています。具体的には、飼い主さんがいなくて不安なときや、飼い主さんに甘えたいとき、飼い主さんに何かを要求したいときなどに、この声で鳴くことが多いようです。

「ワンワン!」「キャンキャン」

犬は警戒しているときや、遊んでいるとき、飼い主さんが反応することを学習したときに、「ワンワン!」「キャンキャン」などと連続して強めに吠えることがあります。警戒しているとき以外は、楽しいことに対する期待や興奮で、この声を出しているようです。

「ワォーン」「クォーン」

犬は救急車やパトカーなどのサイレンに反応して、「ワォーン」「クォーン」などと遠吠えすることがあります。これは、サイレンの音が遠吠えの周波数と似ているためで、犬はサイレンの音をほかの犬の遠吠えと勘違いしている可能性が高いでしょう。
また、犬の祖先とされるオオカミは、離れた場所にいる仲間に居場所を知らせるために遠吠えする傾向があり、犬の場合、飼い主さんと離れたさみしさから、留守番中に遠吠えすることがあるようです。

犬の遠吠えについて詳しく知りたいかたは、下記の記事もチェックしてみてくださいね。

「ウーウー」「ガウウウウー」

犬が低く濁った声で「ウーウー」「ガウウウウー」などとうなるときは、おもに攻撃や威嚇のサインです。尻尾を下げている場合は、攻撃態勢に入っているので、刺激しないようにしましょう。
また、遊んでいる最中に興奮して、うなり声が出ることもあります。はしゃぐように飛び跳ねたり、フセをするように上体だけ低く落としたりしているときにこの声が出ていれば、遊びに夢中で興奮しているサインと考えられるでしょう。

注意が必要な犬の鳴き声も

大型犬
ほかにも、散歩前などに「クックックックッ」と鳴くのは、飼い主さんに「早く来てほしい!」という気持ちのあらわれ、飼い主さんの帰宅時に出る「ワフワフ」と鳴くのは、飼い主さんとの再会を喜ぶ鳴き声といえます。

しかし、犬の鳴き声のなかには、注意が必要なものも。例えば、犬の体の一部を触ったときに、「キャン!」と高く短く鳴いたり、怒ってうなったりする場合は、犬が「触られたくない」と感じているケースが多いです。触られた部分に痛みがある可能性もあるため、気になる場合は動物病院を受診してください。

犬種によって鳴き声は違うの?

2匹の犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
犬種による鳴き声や鳴き方の違いについては、まだ科学的には解明されていません。

ただし、よく吠える犬種としては、狩猟犬であるビーグルやダックスフンド、警察犬としての活躍が知られるジャーマン・シェパード・ドッグ、牧羊犬のボーダー・コリーなどがあげられるでしょう。これらの犬種は、その与えられた役割を果たすために吠える必要性があり、よく吠えるようになったと考えられています。

とはいえ、犬が吠える頻度については個体差も大きく、上記のような犬種であっても、あまり吠えない犬もいるようです。

犬の鳴き声がうるさいと騒音トラブルに!

笑顔の犬
Nataba/gettyimages
犬の鳴き声は、行政に持ち込まれる犬に関わる苦情のなかでもトップ3に入る多さです。犬が吠えるのは多少仕方のない面もありますが、度が過ぎてしまうと騒音トラブルへと発展してしまうことも少なくありません。
自治会で改善の話し合いがおこなわれたり、原因となった世帯が引っ越すことになったりするケースもあるようです。

訴えられてしまうこともある

あるケースでは、小型犬とマンションで暮らしていた飼い主さんが、愛犬の吠え声によって訴えられてしまいました。
住んでいるマンションに「他の居住者に迷惑等を及ぼすおそれのある動物の飼育禁止」という規約があったこともあり、結果的に犬の飼育禁止と80万円余りの損害賠償の支払いが命じられたそうです。
飼い主の立場としては、愛犬との暮らしを守るためにも、法律や住居の規約などをよく確認し、必要なしつけや、犬のストレスを発散させる飼い方のほか、防音対策をするなどの必要があります

犬の鳴き声の騒音トラブルについては、下記の記事にも詳しく書かれていますので、参考にしてみてくださいね。

愛犬にムダ吠えさせないためのしつけのポイントは?

かわいい犬
人にとって望ましくないシーンで、犬が過剰に鳴いたり吠えたりすることを「ムダ吠え」といいます。犬のムダ吠えにはさまざまな原因があるため、ご近所迷惑にならないためにも、原因にあった方法で対策することが大切です。

「警戒心・恐怖心」が原因の場合

花火や雷といった大きな音や来客(チャイムの音)、窓の外の人影、外で会うほかの犬などに対して、警戒心や恐怖心から吠えかかる場合は、犬が吠えてしまう対象に徐々に慣らしてあげるのがポイント。また、人影が見えないよう窓にカーテンをかける、チャイムの音を鳴らさないようにするなどの工夫も必要です。

詳しい対処法については、下記の記事をチェックしてみてください。

「要求」が原因の場合

毎日同じ時間に同じことを繰り返していると、そのパターンを覚えた犬が、ごはんやおやつなど、その先に起こることを期待して、鳴いたり吠えたりしてしまうことがあります。この場合、犬は「吠えるとごはんやおやつをもらえる」と理解してしまった可能性があるため、毎日同じ時間に与えるのをやめてみるといいでしょう。

「エネルギー発散」が原因の場合

運動不足などで体力があり余っていると、犬は吠えることでエネルギーを発散しようとすることがあります。この場合は、愛犬が疲れるぐらい遊んであげるのがおすすめです。お散歩や遊び、知育玩具などで体も頭もパワーを使えば、犬が疲れてあまり吠えなくなるでしょう。

ムダ吠えのしつけ方については、下記の記事も参考にしてみてくださいね。

犬の気持ちを考えて対応しよう

ヨーキー
犬の鳴き声は多種多様で、豊かな感情が反映されていることがわかりました。犬が鳴いているときの気持ちを考えることは、ムダ吠えの解決のヒントにもつながりますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
参考/「いぬのきもち」2017年2月号『ワォ~~ン、キュンキュン……。鳴いている犬の気持ちがわかります! 鳴き声ミュージック わん!ステージ』
監修/後藤瞬先生(相模原プリモ動物医療センター第2病院勤務)
文/kagio
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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