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白内障を発症し、両目の光を失っても活発に散歩を楽しむ ぷりんちゃんの生活を聞いた

この特集では、難病や障がいをもった愛犬とその飼い主さんの、闘病や暮らしの様子をレポートします。
今回ご紹介するのは、3才で若年性白内障を発症し、両目の視力を失ったトイ・プードルのぷりんちゃんのお話です。

3才で若年性白内障を発症

神奈川県のSさん宅に迎えられた元保護犬のぷりんちゃん(メス・11才/トイ・プードル)
神奈川県のSさん宅に迎えられた元保護犬のぷりんちゃん(メス・11才/トイ・プードル)
神奈川県にお住まいのSさん宅のぷりんちゃん(11才)は、10才のとき白内障により両目の視力を失いましたが、見えていたときと変わらずに毎日を活動的に過ごしています。
 
ぷりんちゃんが斉郷家に迎えられたのは2才のとき。当時、動物愛護団体のボランティアをしていたSさんは、初めて保護犬を自宅で一時預かりすることになり、それが2才のトイ・プードル、ぷりんちゃんでした。
目に白い点が見つかった3才の頃のぷりんちゃん
目に白い点が見つかった3才の頃のぷりんちゃん
「ぷりんは、ほかの犬と遊んだりするのが苦手と言われていましたが、わが家の先住犬、イヴとは不思議とすぐに仲よしになったんです。そして、ぷりんの愛らしい姿に夫とメロメロになってしまい、結局わが家に迎えることに」とSさん。
 
そして、ぷりんちゃんが家族の一員となって1年がたったころ、ぷりんちゃんの右目に白い点があらわれ、異変を感じたため、すぐにかかりつけの動物病院に連れていったところ、『若年性白内障』との診断が。
ぷりんちゃん(右)とイヴくん(左)。ぷりんちゃんが失明したあとも、イヴくんは適度な距離感を保って上手に遊んでいます
ぷりんちゃん(右)とイヴくん(左)。ぷりんちゃんが失明したあとも、イヴくんは適度な距離感を保って上手に遊んでいます

「ぷりんに外の世界をもっとたくさん見せてあげたくて」、手術を決断

「3才になったばかりなのに白内障なんて……と驚きましたが、ぷりんの場合は先天的、遺伝的な要因による白内障だそうで、このままだと失明のおそれがあると説明を受けました」
 
Sさんはかかりつけ医から犬の目の専門医を紹介してもらい、ぷりんちゃんの目の手術に踏み切ることにしました。
「ぷりんは保護される前、ずっと屋内に閉じこめられていたようで、外の世界をほとんど知らなかったんです。家庭での生活にも順応してきたぷりんに、これからどんどん外の世界を見せてあげようって思っていたので、なんとしても治してあげたかった」とSさんは当時を振り返ります。

手術は成功し、9才まで視力に問題なく過ごす

手術は、白内障になった水晶体を除去して人工のレンズを埋めこむというもので、当時そのスキルをもつ動物病院は都内でも少なかったとか。手術費用も大変高額でしたが、手術をすれば高い確率でこの先長い間、視力をキープできるはず、という専門医からの説明で、手術を決断することにしました。
「結果、手術に踏み切って本当によかったと思っています。ぷりんの視力はその後ずっと良好で、いろいろな場所に連れていくことができました」
Sさんがぷりんちゃんを正しい方向に歩かせるときなど、握った手を向けて「グータッチ!」と声をかけます
Sさんがぷりんちゃんを正しい方向に歩かせるときなど、握った手を向けて「グータッチ!」と声をかけます
ぷりんちゃんは、手のニオイに反応して、苦手な場所でも歩くことが可能
ぷりんちゃんは、手のニオイに反応して、苦手な場所でも歩くことが可能
次回は、両目の視力を失ったぷりんちゃんの毎日のお世話と工夫をレポートします。

※掲載の情報は「いぬのきもち」2022年5月号発売時のものです。
出典/「いぬのきもち」2022年5月号『困難と闘う!……その先のしあわせへ』
写真/犬丸美絵
写真提供/Sさん
取材協力/駒沢どうぶつ病院、マリーナストリートおかだ動物病院
取材・文/袴 もな
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