犬と暮らす
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「膝蓋骨脱臼、肥満細胞腫、膿皮症…」愛犬が次々と病気に
今回ご紹介するのは、膝蓋骨脱臼、肥満細胞腫、膿皮症に心臓病と、相次ぐ病気にも負けない楽太郎くんのお話です。
3才で膝蓋骨脱臼、その後4才で肥満細胞腫に
最初は3才のときの膝蓋骨脱臼の手術を受け、4才のときには左前足にできた肥満細胞腫の切除手術、その後シニア期には、重度のアレルギー症状、心臓病、脾臓の腫瘍、急性膵炎などにも見舞われました。
「福岡にいたころ、生後7カ月の楽太郎を迎えました。当時はやせぎみではありましたが、元気いっぱいにドッグランを走り回っていました。
最初の異変は関東に移ってからの1才のとき、後ろ足を前に投げ出すようにして座るようになり、当時のかかりつけ医から膝蓋骨脱臼との診断を受けました。3才で外科手術を行ったところ、足の状態はよくなり、ひと安心だったのですが……」とAさん。しかし、その翌年、楽太郎くんに肥満細胞腫が発覚。
そして、より精密な検査の結果、グレード3の肥満細胞腫が判明。ただ、他部位への転移は見られなかったそうです。「当時、かかりつけ医の先生からは『余命が半年くらいになる場合も……』と告げられましたが、夫と私は絶対に希望を捨てずに、できることはすべてやってみよう、と前向きに考えることにしました」とAさん。
肥満細胞腫の手術後、足先を失うことに……
「ある日、家にいたときに、かろうじてつながっていた足先が取れてしまったんです。でも楽太郎は、気にするそぶりもなかったので、痛みがなかったのが救いでした。その足先は今も大切に保管して、楽太郎が将来虹の橋のたもとに行くときにいっしょに入れてあげようと思っています」
その後、肥満細胞腫が再発しないよう、新しいタイプの抗がん剤「分子標的薬」を何年かにわたり投与。この薬は副作用も少ないそうで、投与の結果、再発や転移を防ぐことができました。楽太郎くんは、Aさん夫妻お手製の歩行装具をつけて、元気に走り回れるまでになりました。「夫と私は旅行が大好きだったので、休暇のときは楽太郎を連れて車で日本全国を巡る旅もしました」と語るAさんご夫妻。
しばらくは大きな病気もなく、健やかに過ごしていた楽太郎くん。しかし、シニア期に入った9才のころ、今度は重度のアレルギー症状が出始め膿皮症に。検査をしたところ、肉や魚などのたんぱく質全般に反応が出てしまい、市販の療法食も受け付けなくなり、かかりつけ医の指導のもと完全手作り食に切り替えました。また、10才には心臓の僧帽弁閉鎖不全症を発症。同時期には脾臓に腫瘍ができたため全摘手術を行うことに……。
取材協力/市川動物病院
写真/尾﨑たまき
写真提供/Aさんご夫妻
取材・文/袴 もな
※掲載の情報は「いぬのきもち」2023年9月号発売時のものです。
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