りんご形の頭とつぶらで大きな瞳をもつチワワ。今回はそんなチワワの身体的な特徴や寿命に加え、スムースコートチワワの性格やロングコートとの違い、飼いやすさ、気を付けたい病気やしつけ、お手入れの方法を解説。性格に関するアンケート結果にも注目です。
チワワについて知りたい!
チワワの身体的な特徴
世界中で愛玩犬として可愛がられ続けているチワワは、小型犬のなかでも超小型犬という分類に入るほど小柄な犬種です。体重は3kg以下の個体がほとんどで、世界最小サイズといわれています。うるうるとした大きな瞳と、上に向かってまっすぐに立っている耳、アップルヘッドといわれるりんごの形の頭が特徴的です。
チワワの寿命
獣医医療の発展やペットフードの改良、愛犬に対する飼い主さんの健康意識の向上などにより、チワワを含む犬全体の寿命は昔に比べて延びてきています。現在チワワの平均寿命は15才前後とされていますが、病気の早期発見や早期治療に成功すれば、今後さらに寿命を延ばしていくことも不可能ではありません。
チワワの被毛と毛色の種類
チワワの被毛タイプは、やわらかく長い毛で覆われたロングコートと、光沢がかった短い毛が密集して生えているスムースコートの2種類に分かれます。スムースコートチワワはロングコートチワワに比べて毛が短い分、身体の状態を確認しやすく、また放熱性が高いことでも知られています。さらに飼い主さん自身に技術や知識があれば、自宅でトリミングを行うことも可能です。
毛色の種類はさまざまで、両目の上に眉のような模様が入る「ブラック&タン」や「チョコレート&タン」、全身がクリーム色の「クリーム」、全身が金色がかった茶色で覆われた「フォーン」などが有名です。
いぬのきもちねこのきもち読者さんに聞いた!飼っているチワワの被毛タイプ
いぬのきもちねこのきもちの読者さん90名を対象に、飼っているチワワの被毛タイプを調査したところ、80%の飼い主さんがロングコートチワワを飼っていることが分かりました。スムースコートチワワを飼っている方は全体の18%で、ロングコートとスムースコートでは飼育数に約4倍の違いがあるようです。
いぬのきもちねこのきもち読者さんに聞いた!被毛タイプ別チワワの性格
続いて94名のチワワの飼い主さんに愛犬の性格を聞いたところ、上記のような回答結果が得られました。この表によると、スムースコートチワワはロングコートチワワに比べてやんちゃな一面や気が強い一面があり、さらに好奇心旺盛で賢く、警戒心が強い性格の個体も多いようです。
こういった自立心が強いタイプのチワワには、自己主張を頑固に貫き通そうとする姿勢も見られますが、やんちゃな性格の分何かが起こるとすぐに気が付き、機敏に立ち回れるという一面もあります。
一方ロングコートチワワの性格に関しては、スムースコートチワワと比べて忠誠心が強い、甘えん坊、内弁慶という回答が多く寄せられています。
チワワの気を付けたい病気
水頭症
チワワをはじめとする小型犬がかかりやすいとされている水頭症は、脳室やくも膜下腔といった脳内にある空間に脳脊髄液が過剰にたまることによって起こる病気です。主な症状としては動きや感覚が鈍くなる、歩くとふらつく、けいれん発作を起こす、視力が低下して柱にぶつかるなどがあり、最悪の場合には死に至ってしまうことも。
水頭症は先天性のケースが多く予防が難しい病気ではありますが、軽度であれば治療を行いながら生存していくことも可能です。定期健診を欠かさずに行う、少しでも様子がおかしいと感じたらすぐに病院に連れて行くといった方法で、早期発見に努めてくださいね。
歯周病
歯垢や歯石に含まれている歯周病菌が感染することによって、歯肉が腫れや出血を起こし、最終的には歯が抜けてしまう病気のことを歯周病と呼びます。この歯周病は3才以上の犬のおよそ8割がかかっている病気で、特に口が小さく歯並びが悪いチワワは発症する確率が高いといわれています。
歯が黄色くなって茶色い歯石が付着する、目の下が腫れてくる、口臭が強くなる、食事をとりにくくなるなどの症状が見られたら、早めに動物病院を受診するようにしましょう。歯周病を予防するためには、1~2日に1回の歯みがきが効果的です。歯ブラシを嫌がるチワワに対してはガーゼで歯を磨いたり、犬用のデンタルジェルを使用したり、デンタルガムを与えたりするのもおすすめです。
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼は、ひざの関節にある膝蓋骨がずれてしまう病気のことを指します。この疾患の約85%は先天性のものであり、チワワの場合は内側にずれる内方脱臼が多く見られるのが特徴です。症状としては後ろ足を片方だけ上げてスキップをするように歩く、後ろ足が内股のように見えるといったものがあげられ、重度になると手術による治療を行うこともあります。
先天性のものは防ぐことができませんが、グレードを進行しにくくするためには、適正体重を維持することや足を滑りにくくする工夫を行うことが大切です。また定期健診を忘れずに受け、普段の歩き方におかしな点がある際はすぐに獣医師に相談するようにしてください。
チワワのしつけ&お世話ポイント
おねだり吠えの対処法
飼っているチワワが自分の要求を通そうとするあまりにおねだり吠えをする場合、飼い主さんがそれに応えると愛犬はさらにわがままになり、言うことを聞かなくなってしまいます。愛犬のおねだり吠えを止めさせるためには、心を鬼にして吠えられても知らんぷりを決め込むのが効果的です。吠えるのを止めて完全に諦めたと分かったら、優しく声をかけて褒めてあげましょう。
お手入れが嫌いでうなる・噛むときの対処法
警戒心が強いチワワはお手入れなどの自分が嫌なことをされそうになったとき、飼い主さんに対してうなったり噛んだりして抵抗しがちです。そんなときには愛犬の大好きなおやつを与えながら、少しずつお手入れを行う方法がおすすめです。愛犬がおやつに夢中になっている隙を狙って1日に数回お手入れを行うなかで、徐々に時間を延ばしていくことを意識してみてください。
ブラッシングは毎日しよう
ブラッシングは抜け毛の防止と健康増進に役立ちますので、たとえ毛が短いスムースコートチワワでも可能な限り毎日行ってあげることが重要です。特に季節の変わり目や換毛期には、大量に毛が抜けるので注意しましょう。
スムースコートの場合は、ラバーブラシもしくはスリッカーブラシとペット用コームを使用し、背中、しっぽ、お尻まわり、内股、おなかの順にとかしていきます。そのあと、わき、胸と首、耳の後ろとブラッシングをして、最後に全身にコームを通して引っかかりがないかを確認したら完了です。
スムースコートチワワならではの魅力をたくさん見つけよう
気が強い性格の個体が多く、全身が短毛で覆われているスムースコートチワワには、周囲の変化にいち早く気付いて機敏に立ち回れる俊敏性の高さや、健康状態のチェックのしやすさなどの魅力があります。今回紹介した内容を参考に、スムースコートチワワならではの魅力や愛犬ならではの良さをたくさん見つけて、毎日の暮らしをさらに豊かなものにしていってくださいね。
参考/「いぬのきもち」特別編集『チワワの飼い主さん8万人の体験から作った! チワワとの暮らしがもっと楽しくなる本』(監修:しつけスクールCan!Do!代表 日本動物病院福祉協会認定家庭犬しつけインストラクター 西川文二先生、東京大学大学院農学生命科学研究科准教授 武内ゆかり先生、ジャパンケネルクラブ・日本警察犬協会および日本動物病院福祉協会認定家庭犬しつけインストラクター 戸田美由紀先生、フジタ動物病院院長 藤田桂一先生)
「いぬのきもち」2016年5月号『犬種連載シリーズvol.11 I Love チワワ』(監修:V.C.J.代官山動物病院獣医師 獣医行動診療科認定医 藤井仁美先生)
「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『チワワの特徴・性格・飼い方』(監修:ヤマザキ学園大学講師 危機管理学修士 福山貴昭先生)
「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『【獣医師が教える!】チワワの寿命と長生きのコツ』(監修:SHIBUYAフレンズ動物病院院長 滝田雄磨先生)
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/子狸ぼん
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。