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専門家監修|ドッグフードの手作り簡単レシピ~健康への注意点とともにご紹介

愛犬のフードを手作りしたいとお考えのかたも多いでしょう。そこで今回は、ドッグフードを手作りする前に知っておきたいことや、おすすめの食材、簡単レシピをご紹介。危険な食材やトッピングレシピもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

徳本 一義 先生

 獣医師
 有限会社ハーモニー代表取締役
 日本ペット栄養学会理事
 ペットフード協会新資格検定制度実行委員会委員長
 日本獣医生命科学大学非常勤講師
 帝京科学大学非常勤講師
 など

●資格:獣医師 経営学修士(MBA)

●所属:日本ペット栄養学会

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ドッグフードを手作りする前に知っておきたいこと

フードを見つめるパグ
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
愛犬のフードを手作りする前に、以下の点についてきちんと理解しておくことが大切です。

手作りドッグフードのメリット・デメリットを知っておく

手作りのドッグフードは、飼い主さんが愛犬に食べさせているものを完全に把握できるというメリットがあります。また、添加物や愛犬の食物アレルギーが気になる場合は、それらを排除できるといったメリットも。実際に手作りしている飼い主さんのなかには、食事を通して愛情表現ができることに喜びを感じているかたも多いようです。

しかし、手作りのドッグフードのみで愛犬に必要な1日の栄養素をまかなおうとすると、かなりの知識と労力が必要になるほか、金銭的にも高くつく傾向が。そのため、主食となるドッグフードを毎日手作りするのは、非常に難易度が高いといえます。

特に、市販のドッグフードと比べると、手作りのドッグフードは栄養がアンバランスになりがちであることが懸念点とされているため、基本的に手作りフードはエネルギーベースで1日の20%までにして、80%を総合栄養食でまかないましょう。

なお、市販のドッグフードに使用される添加物は、安全性が確認されているものですので、極端に心配する必要はありません。また、愛犬が食物アレルギーの場合は、食物アレルギー用の療法食を与えるという方法もありますので、かかりつけの獣医師に相談してみるといいでしょう。

手作りするとき「味付け」は絶対にせず、与える量に十分注意する

ドッグフードを手作りするときに重要なのは、嗜好性よりも健康を意識することです。おいしさと栄養バランスを両立させたくても、人の味覚でおいしく感じるものを犬がおいしいと感じているわけではないので、ペットフードよりおいしく仕上げることは難しいです。

また、ドッグフードのレシピは、作りやすい分量で紹介されているものが多いため、一度に作った分をすべて愛犬に与えると、カロリーオーバーしてしまうことがあります。ちなみに、手作りフード同様、おやつ(主食以外の食べ物)を与えるときも1日に必要なエネルギー要求量の20%以下におさめるのが基本ですので、おやつを与えたときはそのカロリー分、主食のドッグフードの量を減らすなど、適量を意識して食べさせるようにしましょう。

手作りドッグフードにおすすめの食材・危険な食材

ごはんとミニチュアダックスフンド
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
人が食べても大丈夫なものうち、一部の食材について犬が食べてはいけないものがありますので注意が必要です。ではここで、ドッグフードを手作りする際におすすめの食材と、絶対に使ってはいけない危険な食材について見ていきましょう。

手作りドッグフードにおすすめの食材

野菜・果物類

バナナ/りんご/いちご/すいか/キャベツ/にんじん/きゅうり/じゃがいも/さつまいも /ブロッコリー/トマト/大根/レタス など

魚介・肉類

まぐろ(赤身)/鮭/たら/たい/ささみ・胸肉などの鶏肉/豚肉/牛肉(赤身肉)/レバー など(※)

その他

ヨーグルト/ごはん/豆腐/納豆 など
※犬や猫は脂肪の消化吸収能力が高いため、特定の病気でない限り、脂肪を多く含むものが消化不良の原因になることはありません。しかし、バラ肉のような脂肪分が多い肉などは、肥満の原因となるだけでなく、膵臓(すいぞう)に負担がかかり、急性膵炎(すいえん)という重篤な病気の引き金になることも。
とはいえ、脂肪の摂取量が少なすぎても皮膚の調子を崩してしまうことがあるため、肉を与えるときは赤身の多い部位を選んだり、魚の場合は低脂肪の白身魚にしたりして、適度な量を守ることが重要です。
また、レバーはほかの食材から得られにくいミネラルやビタミンが豊富に含まれているため、サプリメントを使用しない場合には、栄養バランスを整えるのに便利です。

手作りドッグフードに使用してはいけない危険な食材

下記の食材は、犬に与えることで病気になったり中毒を引き起こしたりするおそれがあります。ドッグフードを手作りする際は、絶対に使用しないでください。また、これ以外にも手作りの際は与えると危険な食材が含まれていないか確認してください。

野菜・果物類

ねぎ・にら・玉ねぎ・にんにく/ぶどう/なす/アボカド/いちじく/プルーン など

魚介・海藻類

いか・たこ/えび・かに/貝類 など

その他

チョコレート/マカダミアナッツ/生のぎんなん/生卵(白身)/ドライフルーツ など
そのほか、人用に調理されたものは、油や調味料を使っているため、犬には脂肪のとりすぎになることもあります。また、カフェインやアルコールが入ったドリンク類、刺激物、珍味、お菓子・スナック類などもすべて有害です。
調味料を使っていなくても、餅のように加工された、かまなければ食べられない食品も犬には不向きですので、注意してください。

いぬのきもちWEB MAGAZINE「危険な食べ物」

ペット栄養管理士「いちかわあやこ先生」考案・手作りドッグフードレシピ

ここからは、はじめてのかたでも簡単に作れる、手作りドッグフードのレシピをご紹介します。ペット栄養管理士である、いちかわあやこ先生考案のレシピです。特別な日にぜひ作ってあげてみてくださいね。

豆腐のミニショートケーキ (全量132kcal)

《材料》 6cm角1個分

  • 木綿豆腐 6×6cm

  • いちご 1個

  • キウイ 20g(種の部分をとりのぞく)

  • オートミール 5g

《作り方》

  1. フライパンにオートミールを入れて火にかけ、きつね色になるまで乾煎りする。

  2. キウイは5mm角に刻む。

  3. 木綿豆腐の側面に1をまぶし、中央にいちごをのせ、いちごのまわりに2を散らす。

サーモンピンクのハンバーグプレート(全量254 kcal)

《材料》直径8cm型1個分

  • 鮭(皮・骨は取り除く) 70g

  • ごはん 80g

  • 赤パプリカ 20g

  • モッツァレラチーズ 10g

  • にんじん 5mm

《作り方》

  1. 赤パプリカはみじん切りに、にんじんは輪切りにする。モッツアレラチーズは細かくちぎる。

  2. にんじんを耐熱容器に入れ、600Wの電子レンジで1分間加熱し、ハート型にくり抜く。(500Wの場合は1分20秒)残りは包丁でたたいてペースト状にする。

  3. 生鮭、モッツァレラチーズ、にんじんペーストをこねて直径8cmの丸に成型する。

  4. テフロン加工のフライパンを熱して3の生地を入れ、両面に焼き色がつくまで焼く。

  5. セルクル(底のない丸型)にごはんを詰め、赤パプリカ、4のハンバーグ、ハート型のにんじんの順に重ねる。

ノンフライチキンナゲット(全量329kcal)

《材料》4cmのもの5個分

■チキンナゲット
  • 鶏ひき肉 120g

  • 片栗粉 10g

  • ごま油 小さじ1/2


■付け合わせ
  • ミニトマト 20g

  • プリーツレタス 適宜

《作り方》

  1. 鶏ひき肉を粘りが出るまでこね、5等分にし小判形にまとめる。

  2. 表面に片栗粉をまぶす。

  3. フライパンを熱してごま油を入れ、全体に焼き色がつくまで焼く。

  4. ミニトマトをみじん切りにしてソース状にする。

  5. お皿に3を盛り、プリーツレタス、ミニトマトソースを添える。

たいめし風チャーハン (全量294 kcal)

《材料》作りやすい分量

  • たい(骨・皮を取り除く) 30g

  • ごはん 50g

  • 卵(Lサイズ) 1個

  • レタス(せん切り) 2g

  • ごま油 小さじ1

  • 黒すりごま ひとつまみ

《作り方》

  1. 卵をときほぐす。レタスは千切りにする。

  2. フライパンを熱してごま油を入れ、溶き卵を入れて半熟になるまで加熱する。

  3. たい、ごはんを入れ、全体に火が通るまで加熱する。

  4. 皿に盛ってレタスをのせ、黒すりごまを散らす。

市販のドッグフードにトッピングするのも◎

すべて手作りするのは少し大変というかたの場合は、ふだん与えている市販のドッグフードにトッピングをするのもいい方法です。ここでは、ペット栄養管理士 いちかわあやこ先生考案のトッピングレシピを3つご紹介します。

焼きかつおのトッピングごはん

かつおを焼いてほぐし、市販のドッグフードにのせます。ごま油を少量ふって香りづけしても◎

チキンスープがけごはん

鶏肉とにんじんを茹でてフードにのせます。ゆで汁を冷ましてかけると水分補給にも。

ボロネーゼ風トッピングごはん

合いびき肉、刻んだピーマン、ミニトマトを加熱してドッグフードにのせ、カッテージチーズを散らします。

繰り返しになりますが、手作りのドッグフードは、お誕生日やイベントごとなど、特別な日のごほうびとして適量を守って与えるのがベストです。また、ドッグフードにトッピングする場合は、おやつを与えるときと同様に、愛犬の1日に必要なエネルギー要求量の2割以下にとどめるようにしてください。

市販のドッグフードはどう選ぶ?

ごはんを待つコニーちゃん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
市販のドッグフードにはさまざまな種類のものがあり、何を選んだらよいのか迷う飼い主さんもいるかもしれませんね。
購入する際には、パッケージに「総合栄養食」と表示されているものを選びましょう。総合栄養食は、成長期(子犬用)や維持期(成犬用)などライフステージごとに分類されています。迷うときは、かかりつけの獣医さんに相談し、愛犬の体調や体格を考慮して判断するのもよいですね。また、できるだけ新鮮なものを与えるため、1ヶ月以内で食べきれる量を購入しましょう。
毎日の食事は愛犬の健康をつくるための大切な習慣です。手作りフードは特別な日の楽しみにとどめ、「総合栄養食」のドッグフードを主食として栄養管理を行いながら、愛犬の健康を守ってあげてくださいね。
監修/徳本一義先生(有限会社ハーモニー代表取締役)
レシピ考案/いちかわあやこ(犬ごはん先生/ペット栄養管理士)
愛犬の体調不良をきっかけに犬のごはん・犬のおやつについて学び始める。犬の雑誌やWEBへのレシピ提供・撮影を中心に活動中。自身のブログやSNSでも、簡単で楽しい犬のための手作りレシピやドライフードのアレンジレシピを公開中。
いちかわ先生
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