犬と暮らす
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ドッグフードに添加されている保存料は、犬にとって安全ですか?
犬の健康に影響を及ぼさない量が使用されている
微生物が繁殖するための条件の何かを阻害して、微生物の繁殖をおさえる効果をもつ物質があります。これらの中で、人や犬などの健康には影響を及ぼさないもの、あるいは影響を与えない量がわかっているものが、保存料として使用されています。
ちなみに、保存料は殺菌剤とは異なります。殺菌剤は、菌を殺す作用がある添加物のことですが、保存料は、菌の増殖をおさえる作用があるだけで、増殖してしまった菌を殺せるわけではありません。
使っていい添加物の量はどうやって決めている?
ドッグフードに使用される添加物については、長年、メーカーが独自に安全基準を設けて使用してきました。「ペットフード安全法(愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律)」の成立によって、よく使用される添加物の成分規格(使用していい上限値)と、使用してはいけないものを定められました。現在、保存料については上限値の定められたものはありません。「ペットフード安全法」に成分規格のない添加物をドッグフードに使用する場合は、各メーカーが製品の安全性を管理する責任があります。多くは人の食品の指定添加物や飼料用の使用基準に照らして、犬に使用する場合の安全量を厳格に割り出して使用しています。輸入品やグローバル企業のドッグフードなどでは、日本と同様なレベルで運用されている外国の使用基準に照らしている場合もあります。また、「ペットフード安全法」で定める安全基準は、施行後も、科学的知見に基づいて追加、見直しが行われています。
では、添加物の使用量の限度とは、どのように決められているのでしょう。
人の食品の指定添加物の場合についてまず説明しましょう。
まず、ラットやマウスなどの動物を用いた試験の結果をもとに、食品安全委員会や国際的な機関がこの量までなら無害と確かめた量を、最大無毒性量といいます。さらに、ちがう動物に使用することを考慮して人の最大無毒性量をその10分の1とし、個体差を考慮してさらに10分の1にしたものを、毎日食べ続けても安全な量として、1日摂取許容量(ADIとも略されます)としています。
さらに、複数の食品を食べても1日摂取許容量を超えないように、厚生労働省によって、1日摂取許容量を大幅に下回る使用基準が定められています。
ドッグフードに使用されている保存料についても、同様に、毎日食べ続けても健康被害が起きない安全な量が使用されています。また、FAMIC(独立行政法人 農林水産消費安全技術センター)によって、健康被害を与える量の添加物や有害物質が含まれていないかを抜き打ち検査され、その結果は公表されています。万が一、安全性に問題のある製品があった場合には、「ペットフード安全法」により、企業がそれを回収しなければなりません。
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