犬と散歩する際に欠かせないリードですが、さまざまな種類があるため、どれを選べばいいかわからない人も多いですよね。そこで今回は、リードの必要性や選ぶときのポイント、リードの正しい使い方などとともに、おすすめのリードアイテムもご紹介します。
犬のリードはなぜ必要なの?
リードは人と犬をつなぎ、大切な犬の命を守ります。それと同時に、ほかの犬や通行人などに迷惑をかけないためにも重要な役割を果たしているので、散歩やお出かけの際は、必ず使用してください。
ノーリードで散歩をしたり、間違った使い方をしたりしていると、犬が脱走するおそれがあるほか、犬同士のケンカなどのトラブルの原因になります。
また、ほかの通行人に飛びついてケガをさせてしまい、高額な損害賠償を支払うような事件に発展するケースも珍しくありません。
なお、ノーリードでの散歩は法律(条例)に抵触するおそれがあり、愛犬が交通事故にあうリスクもあるため、やめましょう。
犬のリードを選ぶときのポイント①種類
リードにはさまざまな種類があるので、まずは目的に合ったものを選びましょう。
スタンダードリード
ふだんの散歩やお出かけのときに使用する一般的なリードです。持ち手部分が円形になっており、反対側に犬の首輪やハーネスにつなげるための金具がついています。ナイロン製や布製、革製など、素材の種類が豊富なので、選択肢が多いのも特徴のひとつです。
伸縮リード(フレキシブルリード)
手元のスイッチでリードを伸ばしたり巻き戻したりできる伸縮性のあるリードです。犬を自由に歩かせることができるので、人の少ない広い公園などで使用するのがおすすめ。
ロックをかけていない状態だと犬のコントロールが難しくなるので、公道での散歩などに使うのはやめましょう。
ロングリード(トレーニングリード)
スタンダードリードよりも長いリードのことをロングリードといいます。製品にもよりますが、10mから長いものだと25mくらいのものも。長いぶん犬のコントロールが難しくなるため、散歩用には不向きですが、距離をとることができるので、「オイデ」などの練習に適しています。人が少なく見晴らしのいい広場などで使うようにしましょう。
マルチファンクションリード(多機能リード)
名前のとおり、さまざまな機能を持ち合わせたリードです。タスキのように肩から掛けたり、ループを作って一時的に犬をつないだりすることができます。
犬のリードを選ぶときのポイント②太さ・長さ
リードは愛犬の体格に合ったものを選ぶことも大切です。
おすすめのリードの長さ
散歩などに使うリードは、犬の大きさにもよりますが、120cm~180cmくらいが一般的です。ただし、引っ張りグセのある犬などの場合は、100cmくらいの短いリードを使うことで動きをコントロールしやすくなるでしょう。
おすすめのリードの太さ
小型犬なら1cm程度、中・大型犬の場合は2~3cmくらいの太さを目安に選ぶのがおすすめです。
太いリードのほうが耐久性はありますが、小型犬に太すぎるリードを選ぶと、重みで首に負担がかかってしまうことがあるので注意してください。また、太すぎて飼い主さんの手に収まりきらないと、犬が突然走り出したときなどに手から外れてしまうおそれもあるので、飼い主さんが持ちやすい太さを選ぶことも大切です。
犬のリードを選ぶときのポイント➂素材
犬のリードはさまざまな素材の物が販売されていますが、素材によって特徴があります。愛犬と飼い主さんが使いやすい物を選びましょう。
扱いやすく入手しやすい「布製」
布製のリードは、豊富なカラーとデザインが魅力的です。比較的安価で入手しやすく、洗濯できるものも多いため、リード初心者さんは布製から試してみるのもいいでしょう。
丈夫な「ナイロン製」
ナイロンは同じ合成繊維のポリエステルよりも摩擦や摩耗に強い素材です。そのため頑丈なリードが多く、大型犬や力の強い犬種、よく動き回る性格の犬などさまざまなタイプに使用することができます。
高級感のある見た目と手触りが魅力「革製」
見た目に高級感があり、洗練された印象を与えるのが革製のリードです。しっとりとした手触りも魅力的で、革自体の伸縮性もあり、散歩時でも快適にリードをコントロールできるでしょう。
一方で、愛犬がおもちゃ代わりに噛んでしまったり、雨や汚れに弱かったりという面も。
噛み癖があっても大丈夫「金属製」
噛み癖がある犬や、大型犬など引っ張る力の強い犬におすすめなのが、金属製のリード(チェーンリード)です。丈夫で壊れる心配が少ないでしょう。
ただし重さがあるため、首への負担を考慮し、小型犬はできるだけ軽量のものを選ぶといいでしょう。また、シニア犬などの頸部に痛みを感じやすい犬は避けたほうがいいでしょう。
スタンダードリード・伸縮リードの正しい使い方
スタンダードリードの正しい持ち方(両手で持つ方法)
1.リードを右手にかける
まずは、リードの持ち手部分を右手の親指にかけます。次に、左手でリードの中間を杖を持つようなイメージで軽く握りましょう。
2.愛犬を左側に立たせる
犬を飼い主さんの左側に立たせ、並ぶような位置に寄せてオスワリをさせます。名前を呼ぶなどして前方または上を向かせましょう。飼い主さんはひじを脇につけ、左腕を直角に曲げてください。
3.リードを結んでセーフティグリップを作る
左腕を直角に曲げた状態(2の状態)で、リードがピンと張るように握れる場所がセーフティグリップの位置です。そこに目印になるように結び目を作り、持つときはその上を握るようにしましょう。
4.ひじを伸ばして楽な姿勢に
セーフティグリップを握って手を下ろすとリードがたるみます。この姿勢でいれば、飼い主さんのそばで愛犬の安全を保ちながら、リラックスさせることもできますよ。
スタンダードリードの正しい使い方
リードを持つ手は、脇をしめたり、腰につけたりと、胴体につけるように心がけましょう。そうすることで、急に引っ張られたときの対応がしやすくなります。
引っ張りグセのある犬の場合は、リードを引っ張らずに歩くことができたら、ほめてごほうび(フードかおやつ)を与えるのがおすすめ。これを繰り返すことで、「リードを引っ張らないで歩いたらいいことがある」と学習し、飼い主さんのペースに合わせて歩くようになるはずです。
犬がリードを強く引っ張るときの対処法
犬が強くリードを引っ張るときは、リードを両手で持ち、飼い主さんのおへその高さで強く固定してみてください。「引っ張ったら前に進めない」ということを犬が認識できるまで、この方法を根気よく続けてみましょう。
なかなか引っ張りグセが改善されない場合は、引っ張りグセを防止する専用のハーネスなども販売されているので、取り入れてみるのもひとつの手ですよ。
伸縮リードの正しい使い方
伸縮リードを使うときは、まず犬が突進しそうになったときに瞬時にロックをかけ、リードが伸びないようにコントロールをする練習から始めましょう。取り扱いに慣れてきたら、人が少なく見晴らしのいい広場や川原、ビーチなどでつけ替え、愛犬を自由に散歩させるのがおすすめです。
街中での使用はNG
なお、伸縮リードの取り扱いに慣れても、街中などを歩かせるときは使用しないようにしてください。先述したように、伸縮リードのロックを解除した状態で犬を散歩させると、飼い主さんが見ていないところで拾い食いをしたり、マーキングをしたりする可能性が。また、通行人やほかの犬に飛びかかる、道路に飛び出すといった愛犬の事故だけではなく、通行人の足に引っかかってケガをさせるなどの対人事故を起こす危険性もあります。
また、たとえロックをかけて使っていたとしても、何かのはずみで解除されてしまうおそれがあり、愛犬が勢いよく走っているときに急にロックをかけると愛犬の体に大きな負担がかかります。ふだんの散歩は、基本的にスタンダードリードを使うようにしましょう。
犬がリードを嫌がったり噛んだりするのはなぜ?
犬がリードを嫌がる理由のひとつとして、飼い主さんのリードのつけ方が考えられます。犬は正面から近づいて覆いかぶさってくるものに恐怖を感じることがあるため、もし飼い主さんがこのような体勢でリードをつけていた場合は、恐怖心とリードが結びつき嫌がるようになってしまうことが。
ほかにもリードが足に絡まって痛い思いをしたことがあるなど、嫌な記憶とイメージが結びついている場合が多いでしょう。
また、リードを噛んでしまう場合は、視界で揺れているリードに興味をかき立てられ、「遊んでいる」と考えられます。
リードを嫌がるときの対処法
もしリードを見るだけで嫌がるようであれば、まずその恐怖心を払拭するところから始めましょう。
ふだん犬が近づくことのできる場所にリードを置き、まわりに犬の好きなおやつを置いておきます。犬が自分からリードに近づくことができるようになったら、飼い主さんからもおやつを与え、リードと良いイメージを結び付けていきましょう。
リードを噛んでしまうときの対処法
リードを噛んでしまいがちな犬は、散歩中に退屈し始めている可能性があるため、散歩にひと工夫を加えてみましょう。
たとえば、おやつをあげてコミュニケーションを深めたり、公園で歩く合間におもちゃで遊んであげたりと、犬が楽しくなることをしてあげて。
犬のリードは定期的にチェックすることも大切!
最近は、ファッション性の高いおしゃれなリードも市販されていますが、どんな素材であれ、耐久性に不安が残るものは避けたほうがいいでしょう。
また、ときどき「猫用のリードも使えるの?」という質問がありますが、犬と猫では骨格や力の強さなどが異なるため、犬には犬用のリードを選ぶようにしてください。
なお、リードは散歩などで毎日使うというかたが多いと思いますので、こまめに状態をチェックし、切れたり古くなったりしていたら、すぐに買い替えるようにしましょう。予備のリードをひとつ持っておくのもいい方法ですよ。
以下の記事では、リードとセットで使うことが多い首輪について詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてくださいね。
通販サイトランキングからピックアップ!2022年最新のリード
最後に、通販サイトからピックアップしたおすすめ&人気のリードを、タイプ別にご紹介します! 愛犬のリードを新調しようと思っている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね♪
スタンダードリード
布製
KS rktshop
ポリエステル生地で作られた、軽量さと速乾性が嬉しい王道のリードです。ナスカン以外の金具は使われていないため、犬がケガをするリスクも少ないでしょう。
ナイロン
Wanwan square Garden
こちらはナイロン製のウェビングを用いたリードで、高い引っ張り強度を誇ります。光が反射する素材も編み込まれているため、夜間に使用できるのも嬉しいポイントです。
革
CRYSTAL POINT
経年劣化しにくいヌメ革を使用したリードで、持ち手部分は取り外しも可能。11のカラーから選べるので、色違いで何本か持っておいてもよさそうです。
CITYDOG
こちらのクラッシックレザーカフェリードは、高級感のある質感が魅力的です。北米産の牛皮が使われており、使い込むことで風合いの変化も楽しめます。
金属
IZUKA
IZUKAのチェーンリードは、持ち手のカラーが5色から選べておしゃれ。もちろん鎖部分は犬が噛んでも切れません。鎖の太さは1cmと2cmから選べるので、愛犬に合わせて選びましょう。
伸縮リード(フレキシブルリード)
布
SMART WARK
スムーズな伸縮が使いやすいリードです。親指一本でロックすることができるため、長さの固定も簡単。カラーは4種類から選ぶことができます。
ナイロン
YSKCASE
持ち手部分が握りやすく滑りにくいラバーグリップの伸縮リードです。リード部分はナイロン製で耐久力も高く、犬の首や人の腕への負担が軽減するように設計されています。
flexi
Flexiのリードは世界中で愛用されているドイツ製のリードです。安全性・耐久性・デザイン性を兼ね備えており、スムーズな巻取りのため犬も自由に行動しやすく、同時に飼い主さんもコントロールしやすくなっています。
ロングリード(トレーニングリード)
布
トップワン
経験豊富なドッグライフデザイナーが手掛けた、日本製のロングリードです。汚れても水洗いすることができ、速乾性があるため手入れがしやすいのも魅力的です。
ナイロン
flexi
こちらは大型犬用のロングリードで、伸縮タイプなので使いやすさも抜群。持ち手やリードが蛍光加工されているため、夜間でも目立ち安全性の確保に役立ちます。
マルチファンクションリード(多機能リード)
布
Unka Space
1本6役のマルチファクションリードは、360度回転のナスカンを使用しており、着脱がしやすく頑丈な点が魅力です。反射素材付きなので、夜間のお散歩もカバーできます。
ナイロン
JOPOY
JOPOYの多機能リードは、厚手のナイロンが使われているため丈夫で劣化しにくく、力の強い犬にもおすすめです。レインボーカラーでおしゃれな点も魅力的。
愛犬と飼い主さんに優しいリード選びを
リードには多くの種類があるので、いざ選ぼうとしてもどれがいいのかなかなか絞るのが大変ですよね。大切なのは、安全で使いやすいものであるかということ。今回の内容も参考に、犬の体格や性格、飼い主さんの使いやすさなどを考慮して、自分たちに合ったものを選んでくださいね。
参考・写真/「いぬのきもち」2016年9月号『はじめてしつけ コンプリートドリル vol.7 お散歩しつけ』
参考/「いぬのきもち」2015年11月号『そうそう、これが知りたかった!はじめての愛犬のしつけ・お世話 基本のき20』
「いぬのきもち」2016年12月号『正しい使い方をプロが一から徹底指南!!散歩中の困りごと、リード使いで解決します』
監修/石田陽子先生(石田ようこ犬と猫の歯科クリニック院長)
文/田山郁
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。