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【獣医師監修】犬の咳の原因は?病院に連れていくべき症状や対処法も解説

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愛犬の咳が止まらないと心配になりますよね。今回は、犬の咳の原因や咳を症状とする病気、緊急時の対処法や動物病院に連れていくかどうかの判断基準などを解説します。いざというときに落ち着いて対処するためにも、しっかりと把握しておきましょう。

この記事の監修

「カッカッ」「ハァハァ、カハッ」と咳が出る原因は?どんな病気があるの?

口を開ける犬
getty

犬が咳をする原因はさまざまですが、大きく分けて3つに分類して考えられます。
1つ目は、生理的に出る咳。リードを引っ張ったときに出る「カッカッ」という乾いた咳や、吠えた後や興奮したときの咳などは、生理的に出る一時的な咳といえます。
2つ目は、誤飲や誤食などによるもの。慌てて水を飲んだときにむせて出る咳や、おもちゃなどの異物を誤って飲み込みのどや気管に詰まってしまい激しく咳込むなどの症状が出ることがあります。誤飲や誤食による咳の場合、飲み込んだ異物が咳では取り除けないと呼吸困難に陥ることもあります。
3つ目が、呼吸器や循環器などの病気が原因となって出る咳です。病気や誤飲・誤食が原因で咳が出るときは、緊急度・危険度が高いケースが多いので、すぐに動物病院を受診してください。

心臓の病気「僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)」

犬が発症しやすい心臓病のひとつです。主な症状としては、咳が出る、疲れやすい、運動をしたがらないなどが挙げられます。病状が進行すると「肺水腫」を引き起こして呼吸困難に陥ることもあるので注意が必要です。
犬種を問わず発症しますが、特に高齢の小型~中型犬に多く見られ、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルやマルチーズ、ヨークシャー・テリア、シー・ズー、チワワ、ポメラニアンなどの犬種が発症しやすいといわれています。以下の記事にも詳細が掲載されているので、チェックしてみてください。

「ゼーゼー」「ガーガー」という咳は……気管の病気「気管虚脱」

この病気は、症状の進行に伴って「ゼーゼー」「ガーガー」とアヒルの鳴き声のような独特な呼吸音が出るのが特徴で、呼吸のしにくさに伴って咳が頻繁に出るようにもなります。ひどくなると嘔吐に似た様子が見られることもあります。悪化すると呼吸困難になり、チアノーゼの症状が現れることも。
プードルやチワワ、ポメラニアン、ヨークシャー・テリアなどの小型犬に多く見られますが、大型犬でも発症することがあります。以下も参考に、その可能性がある症状なのか確認してみてください。

ウイルスや細菌による呼吸器系の感染症「ケンネルコフ」

ケンネルコフは「犬の風邪」ともいわれており、しつこい乾いた咳や発熱などが主な症状です。免疫力の低い子犬やシニア犬に多く見られ、原因はひとつではなく、ウイルスや細菌の飛沫感染などが原因で発症する症状の総称です。
軽症の場合は1週間前後で回復することがほとんどですが、悪化すると膿のような鼻水やくしゃみ、高熱などの症状が現れ、大事に至ることもあるので注意が必要です。混合ワクチンで予防できるものもあるので、定期的な接種をおすすめします。

寄生虫が原因「フィラリア症」

フィラリア症は、フィラリアの子虫をもっている蚊に刺されることで感染します。成長したフィラリアは、心臓から肺動脈にかけて寄生し、心臓や肺の血管に徐々にダメージを与えていきます。初期症状は気がつきにくいですが、そのうち咳や息が荒くなるなどの症状が見られ、やがて散歩などの運動を嫌がる、四肢のむくみ、腹水が溜まるといった症状が現れます。さらに進行すると、血を吐いたり失神を起こしたりすることもあり、最終的には死に至ります。また、それらの症状がなくても突然急激な貧血や血尿、呼吸困難などの激しい症状を起こし、急死することもあります。
感染し症状が進行するととても怖い病気ですが、毎年の定期的な投薬で予防できます。以下の記事も参考にして、しっかりと対策を行いましょう。

さまざまな原因による肺の炎症「肺炎」

犬の肺炎では、咳やくしゃみ、鼻水、「ゼーゼー」とした呼吸、呼吸の回数が多いなどの症状が見られます。重症化すると、呼吸困難に陥り、チアノーゼが見られることも。肺炎には「誤嚥性(吸引性)肺炎(ごえんせいはいえん)」や「真菌性肺炎」「細菌性肺炎」「ウイルス性肺炎」など、さまざまな種類があり、それぞれ原因が異なります。

アレルギーが主な原因「喘息(ぜんそく)」

犬が喘息になると、咳や呼吸困難などの症状が現れます。主な原因はアレルギー反応によるもの。この場合、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を特定して、取り除いてあげること、および実際の呼吸器症状を緩和し改善する治療が重要になるでしょう

犬が咳をしたときの対処法は?

チワワ
getty

では、実際に犬に咳の症状が見られたとき、どのようにしたらよいのでしょうか。
まず行いたいことは、呼吸を整えてあげることです。空気が悪かったり、乾燥していたりすると呼吸器に負担がかかりやすくなります。あまり咳がつづくようなら、呼吸器の負担がかかりにくい場所に一時的に移動するのもひとつの手。その後愛犬の様子をよく観察し、状態をチェックしましょう。普段から、たばこやお線香など煙の出るものや香りの強い芳香剤などの使用は避け、適度な加湿を心がけて室内の環境を整えるよう心がけることも大切です。

なお、咳とよく似た症状に「逆くしゃみ」というものがあります。これは主に、鼻の違和感や刺激、過剰な興奮などがきっかけになって起こる症状と考えられており、断続的に何度も強く息を鼻から吸い込む症状が特徴です。気管虚脱などが原因で出る咳と間違われやすいので注意しましょう。飼い主さんでは判別がつきにくい場合には、動画を撮って獣医師にチェックしてもらうのもよい方法です。呼吸困難になっているなどの緊急時を除いて、余裕があれば動画を撮っておきましょう

チェックしておきたい3つのポイント

犬の咳の状態をチェックする場合、3つのポイントをおさえておきましょう。
1つ目は、咳をする時間帯やタイミング。運動後や興奮したときに咳をするのか、それとも安静時でも咳をするのか。また、朝や夜中など決まった時間にするのか、1日中しているのかなど、犬が咳をするタイミングについてチェックしましょう。
2つ目は咳のしかたです。発作的に咳をするのか、繰り返し咳をするのかなどをチェックします。もしも苦しそうにしていたら、呼吸困難になっているおそれもあるので、すぐに受診してください。
3つ目は他の症状を伴っているかどうか
発熱や嘔吐がある、ぐったりしているなど、咳以外にも症状がないかを確認しましょう。その他の症状が見られる場合は、病気が原因となっているおそれがあるので、なるべく早く受診してください。

こんな症状のときは病院に!

短頭犬種
写真AC

犬の咳の中には、緊急性の高いものがあり、そのひとつに呼吸困難を伴う咳が挙げられます。以下のような症状が見られた場合は、呼吸困難に陥っているおそれがあるので、注意が必要です。
・激しい運動後でもないのに呼吸が荒くなっている、肩で呼吸している
・ぐったりしている
・歯茎や舌の色が青白くなっている(チアノーゼ)
・呼吸が苦しそうで横になることさえできない(犬座姿勢(オスワリの姿勢。特に呼吸が苦しい際には、前足の幅を広く置き、腕を体から離して脇の下が空く独特な姿勢になることが多いです)をとる・首を伸ばして呼吸する)
呼吸困難を起こしている場合は、様子を見ているうちに呼吸ができなくなって、死に至るおそれもあるので、夜間でも迷わず受診してください

誤飲・誤食で窒息しそうなときの応急処置

異物を詰まらせて咳込み、今にも窒息しそうな場合は、応急処置が必要となるケースも見られます。小型犬であれば持ち上げて頭を下にして、背中を叩いたり振ったりしてみましょう。持ち上げることが難しい大型犬なら、横向きに寝かせ、肋骨の下をグッと押すようにして取り出してみてください。
ただしこの方法は、一刻を争う場合のみ行い、誤飲・誤食をした可能性があるときは、すぐに受診することが重要です。

連れていくときの注意点

緊急で動物病院へ連れていく際は、犬の体勢を変えないように注意しながら、腕を犬の体の下に入れて優しく持ち上げ、できるだけ胸元を押さえないような抱き方をするか、愛犬が体を曲げずに入れるクレートなど、底面でしっかり犬の体を支えられるようなキャリーで、胸やお腹を圧迫しないように運びましょう。また、愛犬を興奮させないように、飼い主さんが落ち着いて対処することもポイントです。
呼吸困難など、より緊急性が高い場合には、治療をスムーズに行うためにも、あらかじめ動物病院に連絡しておくようにしましょう。

病院ではどんな治療をするの?

白い犬
getty

犬の咳の治療法は、原因によって異なります。
例えば、病気が原因の咳なら、咳の症状の緩和を目的とした治療と、咳の原因になっている病気の治療を並行して行うことが多いです。咳の症状の緩和のためには、鎮咳剤(咳止め)や気管支拡張剤などの薬による内科的治療が行われるのが一般的で、根本の原因の治療については、それぞれの病気によって異なります。なお、気管虚脱については、咳の緩和治療に加えて、病的な気管の形状の改善を目的とした外科手術が行われるケースもあります。また異物の誤食についても、気道をふさぐ異物を取り除く処置が必要になります。なお、すでに呼吸困難を起こしている場合には、本来の治療に入る前に、まず酸素吸入などの応急処置が必要になることも。

治療後は、獣医師の指示に従い自宅での経過観察をしっかりと行ってください。処方された薬を指示通りに飲ませることはもちろん、その症状に応じた空調管理や食事管理など、必要な管理を徹底的に行うことも大切です。

気になるときは動物病院へ相談しよう

ダックスフンド
getty

犬の咳を引き起こす病気の中には、定期的なワクチンの接種や予防薬の投与によって予防できるものもたくさんあります。また、動物病院での健康診断や日頃の健康チェックをしっかりとしておくことで、愛犬の体調の異変にも気づきやすくなるので、積極的に行うようにしましょう。以下の記事では、ワクチンの必要性についてくわしく解説しています。
軽い咳でも“単なる咳”と見過ごさず、気になる場合は受診してくださいね。

監修/石田陽子先生(石田ようこ犬と猫の歯科クリニック院長)
文/kagio
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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