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後ろ足が動かなくなった愛犬を支えた「犬の鍼灸治療」

この特集では、難病や障がいをもった愛犬とその飼い主さんの、闘病や暮らしの様子をレポートします。
今回ご紹介するのは、11才のときに「両後肢の固有位置感覚の低下」と指摘されたパグのガブくんと、そのご家族であるKさん。
それまでは、友達犬と追いかけっこをしたり、飼い主さんと旅行を楽しんだりと、ごく普通に生活していたガブくんでしたが、徐々に後ろ足の機能が低下し、最終的には足の甲を地面に擦って歩くようになってしまいました。
しかし、そんなガブくんを東洋医学も取り入れながら前向きにサポートする飼い主さんと、現在のガブくんの様子についてご紹介します。

1回目の記事|友達犬との追いかけっこが大好きだった愛犬の後ろ足に、突然異変が……。

2回目の記事|排泄が上手にできなくなり膀胱炎を繰り返す愛犬。そんなとき出会った東洋医療

犬の鍼治療との出会いで進行が抑えられた!

月に1、2回、自宅近くのトリミングサロンで行われる鍼灸治療へ行くというガブくん。全身に鍼を打ったあと15分おく間は、体を支えられながら静かに待つのだそう。
Kさんはすぐに予約を取って、2017年3月からガブくんに鍼灸治療を受けさせることにしました。

「鍼灸治療によって、ガブの後ろ足の裏表がわからなくなる麻痺症状の進行が抑えられるようになったと思います。
通常は発症すると、どんどん後ろ足が機能しなくなるらしいのですが、発症から4年以上たった今も、ガブは少しの間なら後ろ足の裏を床につけて立ち姿勢をキープできるんです。
それに、鍼灸治療はガブが加入している保険の適用内だったのも、ありがたいですね」と、Kさんはいつもプラス思考を心がけています。

何ごとも前向きにとらえ、ガブくんとの日々の生活を楽しむことが、Kさんの介護の秘訣といえそうです。

ガブが楽しいと思うことを少しでも多くつくりたい

「足腰の負担にならないように、現在お散歩は週に2~3回にしています。公園まではカートに乗せていきます」とKさん。
ガブくんの今の楽しみは、週に2~3回、Kさんといっしょに行く公園の散歩。
カートでの散歩が基本ですが、公園の芝の上では、少し歩かせることも。
外の地面を歩くとき、後ろ足の甲が擦りむけないようにペット用サポーターを巻き、後ろ足用のハーネスをつけて、立ち姿勢をキープするリハビリも行っています。

「公園でガブは、遊び仲間の犬たちにも会えるので、いい気分転換になっています」

大好きな人たちに囲まれることも、愛犬にとって大切

ガブくんは、Kさんのお義母さんが大好き。週1回の来訪を心待ちにしています。お義母さんに抱っこをせがむことも。
また、週に1回はガブくんの大好きなKさんのお義母さんが遊びに来てくれるので、ガブくんの元気度もアップ。
「お義母さんも大の犬好きで、私ととても気が合うんです。
よく実の親子と思われることも(笑)」

最後にKさんは、「今年でガブは16才になりますが、『まだまだがんばろうね』ってガブには言ってます。これからも楽しくお世話をしていけたら」と語ってくれました。

無理をさせずに、現状維持を目指す!

室内を前足だけであちこち動き回れるガブくん。しかし最近は、リビングにあるガブくん専用ベッドで、こんなふうに穏やかにくつろぐことが増えたそう。
「ガブくんは15才と高齢なので、鍼治療で目指しているのは、無理はさせずに、これ以上症状を悪化させないこと。
後ろ足の機能が低下した犬は、徐々に歩くのをやめてしまい、最後は寝たきりになるケースも。
鍼治療は、体の気の流れを整え、筋肉組織に直接働きかける効果が期待できるので、ガブくんの症状には大変有効です。
今後もガブくんが自力で立ってゴハンが食べられるよう、治療を続けていきます」
(ガブくんの鍼灸治療を担当する獣医師からのコメント)
※各情報は2020年1月8日現在の情報です。
出典/「いぬのきもち」2020年3月号『困難と闘う!……その先のしあわせへ』
写真/筒井聖子
文/袴 もな
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