犬の健康のためにも、日々の散歩は欠かせません。そこで今回は、犬の散歩の回数や時間、散歩にまつわるFAQをご紹介します。散歩に行く際のマナーやルール、注意点、持ち物についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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1日に必要な犬の散歩の時間や回数
犬の散歩量(運動量)は、体の大きさだけではなく、その犬種がどのような目的でつくられたかという点に大きく影響されます。たとえば、1日中走り回って羊を追いかける仕事をするためにつくられた牧羊犬は、ペットとして人と暮らすためにつくられた愛玩犬よりも、必要な散歩量は多くなるでしょう。
では、どの犬種にどのくらいの散歩量が必要なのか、具体的に見ていきましょう。
【必要散歩量(目安)】1日20~30分×2回
チワワ/狆/シー・ズー/ヨークシャー・テリア/ポメラニアン/ラサ・アプソ など
【必要散歩量(目安)】1日30~40分×2回
柴/マルチーズ/フレンチ・ブルドッグ/ミニチュア・ダックスフンド/ペキニーズ/パグ/スピッツ/ブリュッセル・グリフォン/シャー・ペイ など
【必要散歩量(目安)】1日40~50分×2回
トイ・プードル/シェトランド・シープドッグ/ビーグル/ミニチュア・ピンシャー/キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル/ミニチュア・シュナウザー/ボストン・テリア/ウエストハイランド・ホワイト・テリア/パピヨン/ビション・フリーゼ/ブル・テリア など
【必要散歩量(目安)】1日60分以上×2回
ボーダー・コリー/イタリアン・グレーハウンド/サモエド/ダルメシアン/ウェルシュ・コーギー・ペンブローク/ゴールデン・レトリーバー/アメリカン・コッカー・スパニエル/ラブラドール・レトリーバー/バーニーズ・マウンテンドッグ/シベリアン・ハスキー/ジャーマン・シェパード・ドッグ/ジャック・ラッセル・テリア など
ただし、犬の必要散歩量については個体差があります。犬の散歩量などについては、下記の記事もご覧ください。
散歩に行けないときの対処法
このように犬にはある程度の散歩量が日々必要になるのですが、飼い主さんがケガをしてしばらく安静にしないといけないなど、一時的に愛犬を散歩に連れて行くことが難しくなるケースもあるでしょう。近くに愛犬の散歩をお願いできる人がいればいいのですが、そういう人が近くにいない場合は、愛犬の運動不足やストレスが心配に。
そんなときは、散歩代行サービスを利用するという手があります。散歩代行サービスとは、ペットシッターが依頼人である飼い主さんの自宅に出向き、犬を散歩に連れて行ってくれるサービス。プラン内容によっては、散歩だけでなく飼い主さんのかわりに水やごはんを与えてくれたり、トイレの片付けといった犬の身の回りのお世話をしてくれたりします。
1~2日くらいなら散歩に行けなくても大きな問題はありませんが、散歩に行けない状況が続く場合は、このようなサービスの利用も検討してみるといいでしょう。それだけ、犬にとっての散歩は大切なのです。
知っておきたい! 犬の散歩に関するFAQ
ではここで、犬の散歩に関するFAQをご紹介します。
小型犬は散歩が必要ないって本当?
ときどき「小型犬は散歩に行かなくてOK」という人がいますが、それは間違いです。
たしかに、犬によっては室内遊びだけで1日に必要な運動量を補えるかもしれません。しかし、散歩には運動としての役割だけでなく、ストレス発散や気分転換などの役割があるため、犬の心と体の健康のためにも、悪天候や体調不良の日をのぞき、毎日連れて行くのが理想です。
子犬の散歩はいつから?
子犬は免疫力がまだ低く、ほかの犬や地面にある排泄物などから、伝染病に感染するおそれがあるため、散歩デビューをさせるのは、ワクチンプログラム終了後2週間経ってからにしましょう。
なお、犬の生後1か月~4か月ごろまでの時期を「社会化期」といい、この時期に外のニオイや音など、さまざまな刺激を感じさせることで、犬は社会性を身に着け、落ち着いた行動ができるようになるといわれています。そのため、ワクチンプログラムを終えるまでは、抱っこをして散歩するなどして、外の世界に慣らしてあげるのがおすすめです。
子犬の散歩については、以下の記事もご参照ください。
雨の日も散歩させたほうがいい?
雨や嵐の日は無理に散歩に連れて行く必要はありません。悪天候の日は、室内遊びで運動不足やストレスを解消させてあげましょう。ロープ状のおもちゃを引っ張って遊ぶ「引っ張りっこ遊び」は、飼い主さんが疲れにくい反面、犬の体力を消耗できるのでおすすめですよ。
犬の散歩に行くおすすめの時間帯は?
基本的に飼い主さんが連れて行きやすい時間帯でかまいません。しかし、夏場などの暑い時期は、熱中症予防の観点から、日が昇る前の早朝の時間帯に連れて行くのがおすすめ。朝の7時には家に戻ってこれるよう、逆算して家を出るとなお安心です。
また、寒さに弱い犬種の場合は、冬場は暖かい時間帯を選んで散歩に連れて行ってあげるようにすると◎。
愛犬が歩かないときはどうすればいい?
犬が散歩中に歩かなく理由はさまざま。外の世界を怖がっていたり、単にわがままになっていたり、はたまた病気や体調不良が原因の場合も。まずは何が原因で歩かないのかを探り、それに合った方法で対処しましょう。以下の記事も参考にしてみてください。
新型コロナウイルス流行下の散歩は
新型コロナウイルス流行下における犬の散歩において、は東京都獣医師会が下記のような発表をしています。
引用元:東京都獣医師会 2020年4月24日時点の情報
犬の散歩のマナーやルール、注意点
散歩に行くときは以下のようなマナーやルール、注意点を守ることが大切です。
必ずリードをつける
愛犬を散歩させるときは、必ずリードを着けましょう。十分にしつけられている犬でもリードは必要不可欠です。
なお、環境省が定める「動物の愛護及び管理に関する法律」(動物愛護管理法)や、各都道府県が定める「動物の愛護及び管理に関する条例」によって、警察犬や猟犬など以外の犬の放し飼いは禁止されており、ノーリードで散歩させることは法律や条例に反する行為となりますので注意しましょう。詳しくは以下も参考にしてみてください。
リードは短めに持ち、伸縮リードの使用は避ける
リードが長すぎると飼い主さんのコントロールが効かず、思わぬ事故を引き起こしてしまうおそれがあります。リードは飼い主さんが愛犬をコントロールできるよう、短めに持つようにしてください。
また同様の理由から、ふだんの散歩で伸縮リードを使用することもおすすめできません。ロックをかけていても何かのはずみで外れてしまう心配があるので、伸縮リードは使用が認められた広い公園などで使うようにしましょう。
基本的なしつけをしておく
散歩中によくあるトラブルとして、ほかの人や犬への飛びつきや吠え、拾い食いなどが挙げられます。このようなトラブルを防ぐためにも、犬が飼い主さんと適度な距離を保って歩く、「リーダーウォーク」の練習をしておきましょう。
また、万が一リードが外れて飛び出してしまったときは、「オイデ」のしつけができていれば、愛犬を呼び戻すことができますし、「マテ」のしつけができていれば、車道への飛び出しを防げるなど安心です。
愛犬の排泄物は必ず持ち帰る
基本中の基本ですが、散歩中に愛犬がしたうんちは飼い主さんがきちんと処理し、持ち帰るのがマナーです。
また、愛犬におしっこをさせるときは、道路脇にある側溝や排水溝周辺でさせ、そのあとで持参した水を使って洗い流すようにしてください。トイレシートでおしっこを吸い取ってから、水で流すのもいい方法です。ほかの人の家の前にある電柱や、商店街の店頭などでおしっこをさせるのはマナー違反ですのでやめましょう。
無理にほかの犬とコミュニケーションを取らない
犬にはそれぞれ性格があり、ほかの犬が苦手な子や警戒心が強い子もいます。また、犬同士の相性もありますので、散歩中に出会ったほかの犬と無理にコミュニケーションを取らせるのはやめましょう。相手の飼い主さんが嫌そうにしているときも同様です。
なお、犬同士で挨拶させるときは事前に「大丈夫ですか?」などと声をかけ、お互いの犬の性格を確認し合い、様子を見ながら徐々に近づけるようにしましょう。
その他注意したい散歩の「NG行動」
そのほか、犬が入ってはいけない公園で散歩をしたり、ベンチの上に直接犬をのせたりするのはNGです。また、“歩きスマホ”をしながらの散歩や、自転車での散歩は大変危険ですのでやめましょう。とくに自転車での散歩は法令違反となる場合があります。詳しくは以下の記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
犬の散歩に持って行くもの
散歩に行くときは、以下のものを持って行くようにしましょう。
散歩の必需品
- リード&首輪(ハーネス)
- うんち用のビニール袋
- 水が入ったペットボトル(マナー水)
- トイレシート
- 携帯・スマートフォン など
上記はすべて「これがなければ散歩ができない」というものばかり。なかには、携帯やスマートフォンを持ち歩かないかたもいるようですが、緊急事態がおこったときになど、すぐに家族や動物病院と連絡を取るためにも持っておくと安心です。
散歩に持って行くと便利なもの
- 迷子札(首輪やハーネスにつけておく)
- ティッシュ・ウエットティッシュ
- 犬・人用レインコート
- タオル
- おやつ
- 現金 など
上記は散歩時に持っておくと、何かあったときに役立つものです。タオルやレインコートは突然の雨のときに持っておくと便利ですし、おやつは愛犬が歩かなくなったときに使えます。また、水を忘れてしまったときなどは、少しの現金があると自動販売機で購入できるので◎。そのほか、暗くなってから散歩に行くときは、犬の首につけるライトなどがあると安心です。
散歩の持ち物に関する詳しい情報は、以下の記事でもご確認ください。
マナーを守って楽しく愛犬と散歩しよう!
日々の散歩は愛犬とのコミュニケーションにもつながりますので、マナーやルール、注意点を守って、楽しく行うようにしましょう。
なお、犬の散歩の基礎知識については、以下の記事も参考にしてみてください。
参考/「いぬのきもち」2020年9月号『地震、台風、ウイルスに備え、ドリル形式でおさらいしよう!防災ドリル’20>>>’21』
「いぬのきもち」2016年6月号『ふろくのいぬのきもち×BEAMSdesign®ショルダーバッグでもっとおしゃれに デキる飼い主さんのスマートお散歩術』
「いぬのきもち」2019年8月号『油断大敵!その穏やかな風景にキケンが潜む……。先輩飼い主さんたちの体験談!こんなときこんなところで熱中症になりました』
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/ハセベサチコ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。