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【獣医師監修】犬のフケの原因 大量のフケの原因や考えられる病気も

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愛犬の被毛や皮膚に白い粉状のものがあったら、それはフケかもしれません。今回は、犬にフケが出るメカニズムや、フケの原因となる生活習慣や病気、シャンプーや環境改善によるフケ対策についてご紹介していきます。犬の皮膚コンディションを知るきっかけにしましょう。

この記事の監修

岡部 知 先生

 獣医師
 厚木プリモ動物病院院長

 日本獣医畜産大学(現 日本獣医生命科学大学)獣医畜産学部獣医学科卒業

●資格:獣医師

●所属:比較眼科学会

●主な診療科目:一般診療(外科、内科)/眼科

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フケの出る仕組み

おもちゃで遊んでいる犬
TeamDAF/gettyimages

基本的に、フケは動物なら出てきて当たり前のものです。まずフケが出るメカニズムを理解していきましょう。

犬の表皮とターンオーバー

表皮とは、皮膚の一番外側で常に空気にさらされている部分のことをいいます。人の表皮はとても薄く約0.2mmといわれていますが、犬の表皮はそれより薄く、人の1/3~1/5程度しかありません。犬はほぼ全身に毛が生えているため、表皮が薄くなっているのだと考えられています。

健康な表皮には細胞がきれいに整列しており、その細胞は常に新陳代謝を繰り返しています。「ターンオーバー」という言葉を聞いたことがあるかたも多いと思いますが、ターンオーバーとはまさに新陳代謝のことを指しており、古い細胞を捨てて新しい細胞が表皮上に出てくる「皮膚の生まれ変わり」のことをいいます。
人のターンオーバーは約28日といわれており、犬のターンオーバーは人より若干早く、約20日前後とされています。

ターンオーバーの副産物「フケ」

肌の生まれ変わりであるターンオーバー。では、生まれ変わる際に必要なくなった古い細胞はどうなるのでしょうか? 人はお風呂などで古い細胞を洗い落とし、犬は動いているときにフケを落とします。しかし被毛が長い犬は、落ちずに毛に絡まることも。

対応が必要なフケはどんなもの?大量の場合は?

常に生まれ代わりを繰り返している表皮からは、フケが出続けます。白く粉状なので目立たず、ホコリと一緒に掃除されてしまうことがほとんどでしょう。
しかし病気などでフケが大量に出る場合は、何気ない日常の中でも目につくことがあります。愛犬のお手入れのときなどに「いつもよりフケが多いな」と感じたら、何らかの皮膚トラブルの可能性も

フケの主な原因は?

柴
Thirawatana Phaisalratana/gettyimages

続いて、フケの主な原因となる生活習慣や環境についてみていきましょう。

肌に合っていないシャンプー

人も髪質や肌に合っていないシャンプーを使い続けると、頭皮に影響が出ることがあります。犬も同じように、脂性肌の犬に乾燥肌用のシャンプーを使い続けると、脂っぽさが改善できなかったり、皮膚病でもない犬に抗菌シャンプーを使い続けると、肌表面の脂を取り過ぎて刺激を受けやすくなったりと、皮膚にダメージを与えてしまいます。
皮膚のダメージはフケとなって表れ、悪化すると炎症を起こしてしまうかもしれません。愛犬の肌に合ったシャンプーを慎重に選びましょう

乾燥

乾燥が気になる季節にパラパラしたフケが出る場合は、乾燥肌を疑いましょう。乾燥肌はフレンチ・ブルドッグやミニチュア・ピンシャーなどの短毛種によくみられます
愛犬が乾燥肌の場合は、シャンプーをする間隔を見直して皮脂を取り除きすぎないようにしたり、保湿剤でケアをしてあげたりするのがおすすめです。今は動物用の保湿剤もいろいろなタイプのものが発売されており、シャンプー時に全身にかけるタイプやスプレータイプ、泡のタイプ、スポットタイプなどがあります。

乾燥肌は、アトピー性皮膚炎でも起こる症状です。乾燥肌を放置し続けると肌バリア機能が低下し、細菌感染などを引き起こしやすくなるので、乾燥したフケが気になるようなら獣医師に相談しましょう。

ストレス

ストレスから皮膚トラブルを引き起こし、フケが出る犬もいます。ストレス反応で血管が収縮し、新陳代謝が乱れることで皮膚の再生も乱れてしまい、フケが大量に出てくるのです。また、ストレスが免疫力を低下させてしまうおそれもあるため、皮膚炎やアレルギーなどが悪化して、皮膚の状態に悪影響を与える場合も。

そもそも人と行動パターンが違う犬は、生活環境からストレスを感じることもあるでしょう。たとえば愛犬にハウスが無い場合、安心してくつろげない犬もいます。ゆったりくつろいだり、動揺したときに逃げ込めたりするような「隠れ家スペース」を確保してあげると、ストレス軽減につながるでしょう。
ほかにも、トイレの場所が人の往来の激しい場所にあるなら、落ち着く場所へ移動してあげるなど、犬の本質を尊重した環境へ変えることが重要です。

フケが症状としてあらわれる病気

フレンチブルドッグ
Thitisate Thitirojanawat/gettyimages

先述した生活習慣や環境を見直しても改善が見られなかったり、ほかの症状を伴ったりしている場合は、病気が原因でフケが出ているおそれがあります。

アトピー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎の一種で、原因を特定しにくくかゆみも出やすいのが「アトピー性皮膚炎」です。アレルギーを起こしやすい体質が関係していると考えられており、食べ物や花粉、ハウスダスト、カビなどとの接触と、皮膚のバリア機能の異常や低下によって症状が表れます。

症状としては皮膚の激しいかゆみや炎症、大量のフケなど。犬は気になったところをかゆがったり、しきりになめたりするので、肌がただれることもあります。
最近は即効性があり副作用が少ない内服やかゆみを抑える注射薬が発売されたことで、その効果が期待されていますが、完治は難しく、生涯付き合っていく病気ともいえるでしょう。シャンプーや保湿剤によるスキンケア、環境アレルゲンの低減、お薬の投薬により、かゆみを抑えていきます。

アトピー性皮膚炎の詳しい内容は下記も参考にしてみてください。

脂漏(しろう)症

皮脂の分泌が過剰になることで皮膚がべたついたり、また、皮膚が乾燥して異常な角質化が起こる場合もあります。フケを伴う症状などもみられます。悪化すると、かゆみや脱毛を伴い、慢性化すると皮膚が硬化したり変色したりしてしまうおそれが
アメリカン・コッカー・スパニエルやウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、シー・ズーなどに比較的多く、遺伝的な要因で発症する場合もありますが、感染性皮膚炎やアレルギー、内分泌疾患、寄生虫感染、栄養性疾患、免疫介在性疾患、腫瘍などさまざまな要因で皮膚の代謝が乱れることで、脂漏症の症状が生じてフケを伴う場合もあります。

脂漏症の詳しい内容は下記も参考にしてみてください。

皮膚糸状菌症

真菌とよばれるカビの類が皮膚や被毛に侵入し、増殖することで発症する病気で、比較的若齢の動物に多くみられます。皮膚の免疫が落ちるような持病があるコも感染しやすい傾向があります。また、人にも感染するので注意が必要です。
症状としては、脱毛部位が円形に徐々にひろがっていく「リングワーム」という症状や、感染部位の被毛が脆くなって根元から折れたり千切れたりすることで短くボソボソした質感に変化したりなど、特徴のある症状がみられやすいです。また、大量のフケもみられます。

フケ対策にはシャンプーの地肌洗いがカギ!

ジャックラッセルテリア
undefined undefined/gettyimages

愛犬の体に触ったとき、ベタつきや犬特有のニオイがする、被毛がホコリっぽく感じるなどしたら、地肌洗いシャンプーを行いましょう。

シャンプーアイテム

  • 肌に合ったシャンプーとリンス
  • 泡立てネットとボウル
  • タオル
  • ドライヤー
  • ブラシ(コームやスリッカー)

Step1:シャンプー前に全身をブラッシング

地肌までしっかり洗うために抜け毛や毛玉を取りのぞき、もつれなどが無い状態にしておきましょう。

地肌までしっかり濡らす

シャワーの音や水流を怖がる場合もあるので、始めは弱い水流から徐々に慣らすとよいでしょう。シャワーヘッドを愛犬の皮膚に接着させるか、飼い主さんの手で水の出る部分を軽く覆って使用るようにすると、嫌がりにくいです。地肌までしっかり濡らしましょう。

Step3:モッチリ泡で洗う

シャンプー剤を泡立てネットでよく泡立てて、モッチリした泡を作りましょう。泡は手にのせて逆さにしても落ちないくらいの固さが目安です。
背中から泡をのせ、生卵を持つような力加減でやさしく洗っていきましょう。泡で3~5分程度つけ置きすると効果的に洗うことができます。

Step4:すすぎ

シャワーヘッドを皮膚に接着させ、ぬめりがとれるまでしっかりすすぎます。

Step5:保湿

シャンプーした後の皮膚は乾燥するので、水分を補充するために保湿をします。肌が乾燥すると、かゆくなったり、カサカサしたフケが出やすくなったりするので、しっかり保湿してあげましょう。
希釈して全身にかけるタイプの保湿剤の場合は、すすぎ後に保湿剤を全身にかけてタオルドライを。その後、タオルで体を巻いて10分ほど蒸らしてあげると皮膚への保湿剤の浸透がよくなります。

Step6:乾燥

保湿後、タオルで水を吸い取るようにタオルドライし、ドライヤーで乾かします。乾かし方があまいと皮膚トラブルを起こしやすくなるので、冷風と温風を切り替えながらしっかりと根元まで乾かしましょう。

犬のシャンプーについては、以下の記事も参考にしてみてください。

フケ対策のためにも、ストレスのない環境作りを

ゴールデンレトリバー
gorodenkoff/gettyimages

犬のフケは通常でも出るものですが、大量に出る場合や脱毛などを伴う場合は、体に異常が起きていることもあります。日ごろから愛犬の体をよく観察し、おかしいなと感じたら、必要に応じて獣医師へ相談しましょう。

犬の皮膚病についての詳しい内容は、次の記事も参考にしてみてください。

参考/「いぬのきもち」2017年7月号『ニオイ・ベタつき・皮膚病を予防する 夏のシャンプーは地肌洗いがカギ!』
   「いぬのきもち」2016年9月号『増えてきている病気から、注目の治療法まで一挙解説! スペシャリスト 獣医師が今、伝えたい犬の病気』
   「いぬのきもち」2016年5月号『自然とイイコになる! ケガ・病気を防げる! 愛犬のための生活空間の工夫20』
監修/岡部知先生(厚木プリモ動物病院院長)
文/kagio
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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