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専門家解説|1回何分くらい? 犬種別 散歩時間の目安
犬に必要な散歩時間(散歩量)の目安は、犬種によって異なることをご存じでしょうか? 今回は、犬種別の散歩時間の目安を解説します。散歩量が足りているかチェックする方法や、散歩時間にまつわる疑問もご紹介するので、あわせて参考にしてみてくださいね。

いぬのきもち獣医師相談室
犬に最適な散歩時間は犬種によって異なる
犬に必要な散歩量の目安は、小型犬・中型犬・大型犬など、体の大きさ別に語られることが多いですが、実はその犬種がどのような目的でつくられたかという点にも大きく影響されます。
例えば、1日中走り回って羊を追いかける仕事をするためにつくられた「牧羊犬」は、ペットとして人と暮らすためにつくられた「愛玩犬」よりも、必要な散歩量は多くなる傾向が。では、どの犬種にどのくらいの散歩量が必要なのでしょうか。次から具体的に見ていきましょう。
※ご紹介する散歩時間の目安は、1日2回散歩に行くことを仮定し、1回あたりの散歩時間を算出したものです。
※犬の年齢や健康状態などによって、必要な散歩時間は異なります。
1回あたり20~30分程度の散歩が必要な犬種
- チワワ
- 狆
- シー・ズー
- ヨークシャー・テリア
- ポメラニアン
- トイ・プードル
- パピヨン
- ラサ・アプソ など
チワワやポメラニアンなどの超小型犬(小型犬)でも散歩は必要
まれに「チワワやポメラニアンなどの超小型犬(小型犬)は散歩に行かなくて大丈夫」という声を耳にします。たしかに、犬によっては室内遊びだけで、1日に必要な運動量を補えるかもしれません。
しかし、散歩には運動としての役割だけでなく、ストレス発散や気分転換などの重要な役割があります。犬の心と体の健康のためにも、悪天候や体調不良などの日以外は、毎日散歩に連れて行くようにしましょう。
また、トイ・プードルは鴨猟犬として活躍していた犬種なので、パワフルな一面も見られます。遊び好きな犬も多いとされているので、その欲求を満たすためにも毎日散歩に連れて行ってあげましょう。
1回あたり30~40分程度の散歩が必要な犬種
- 柴
- マルチーズ
- フレンチ・ブルドッグ
- ミニチュア・ダックスフンド
- ペキニーズ
- パグ
- 日本スピッツ
- ブリュッセル・グリフォン
- シャー・ペイ など
柴は体重と同等の距離の散歩が必要
個体差はありますが、成犬の柴の場合、体重と同等の距離の散歩が必要といわれています。つまり、体重が10kgの柴であれば、1日10kmの散歩が必要になるということです。運動不足になるとムダ吠えなどの問題行動に発展することもあるので、毎日の散歩で運動欲求を満たしてあげましょう。
また、猟犬として活躍していたミニチュア・ダックスフンドも、活発でアクティブな犬種とされています。毎日散歩ルートを変えてみたり、歩く速度を変えてみたりするなど、メリハリをつけてあげると、遊び気分も味わえて満足度がアップするでしょう。
1回あたり40~50分程度の散歩が必要な犬種
- シェットランド・シープドッグ
- ビーグル
- ミニチュア・ピンシャー
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- ミニチュア・シュナウザー
- ボストン・テリア
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- ビション・フリーゼ
- ブル・テリア など
シェットランド・シープドッグは散歩に加えドッグスポーツを取り入れると◎
シェットランド・シープドッグは遊ぶことが大好きで活発な犬種といわれています。毎日の散歩はもちろん、ボール投げの相手をしたり、ドッグスポーツに挑戦したりしてみるとよいでしょう。
1回あたり60分以上の散歩が必要な犬種
- シベリアン・ハスキー
- ボーダー・コリー
- イタリアン・グレーハウンド
- サモエド
- ダルメシアン
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- ゴールデン・レトリーバー
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- ラブラドール・レトリーバー
- バーニーズ・マウンテン・ドッグ
- ジャーマン・シェパード・ドッグ
- ジャック・ラッセル・テリア など
シベリアン・ハスキーはドッグランで思いきり走らせる時間も必要
シベリアン・ハスキーはそり犬だったため、運動欲求が高くスタミナが豊富な犬種とされています。エネルギーが十分に消費されないとストレスをためてしまうので、毎日の十分な散歩に加え、ドッグランで思いきり走らせる時間も設けるようにしましょう。
また、ラブラドール・レトリーバーは体が大きくかなり活動的なので、散歩などの運動時間がきちんと確保できる人向きの犬種といわれています。飼う場合は、ご自身の体力などとよく相談するようにしましょう。
犬の散歩量が足りているかチェックする方法
愛犬が今の散歩量で満足しているか気になる場合は、散歩中の様子とふだんの様子をよく観察してみてください。以下の項目に当てはまるものが多いほど、今の散歩量に満足しているといえるでしょう。
散歩の満足度チェック項目
- 散歩から帰宅後は落ち着いて過ごしている
- 日ごろからあまりムダ吠えをしない
- 愛犬から遊びに誘ってくることが少ない
- 日ごろからあまり家の中を走り回らない
- 家具のかじりグセやおもちゃの破壊グセがない
※犬の性格やしつけ状況などにもよりますので、あくまで参考程度にとどめてください。
犬の散歩時間にまつわる気になる疑問
最後に、犬の散歩時間にまつわる疑問をご紹介します。
老犬になると散歩時間は変わる?
老犬になると体力が落ちます。しかし、だからといって散歩量を極端に減らしてしまうと、さらに体力が低下し、骨や関節に病気を抱えたり、足腰の筋力が弱ってきたりすることが。
散歩の途中で立ち止まる回数が増えるなど、愛犬が疲れやすくなったと感じる場合は、まずは1回の散歩時間を短くして、その分回数を増やしてあげましょう。また、愛犬のペースに合わせて歩くことを心がけてください。
散歩に行けないときはどうすればいい?
1~2日程度なら散歩に行けなくても大きな問題はありません。しかし、飼い主さんのケガなどで散歩に行けない状況が続く場合は、親族や友人などにお願いして散歩に連れて行ってもらいましょう。
それが難しい場合は、散歩代行サービスを利用するという手もあります。散歩代行サービスとは、ペットシッターが依頼人である飼い主さんの自宅に出向き、犬を散歩に連れて行ってくれるサービスです。プラン内容などはお店によって異なるので、気になるかたはお近くの散歩代行サービスを検索してみてください。
犬の散歩におすすめの時間帯は?
基本的には、飼い主さんが連れて行きやすい時間帯でOKです。ただし、夏などの暑い時期は、熱中症予防の観点から、日が昇る前の早朝の時間帯に連れて行くようにしてください。
なお、寒さに弱い犬種の場合は、冬は暖かい時間帯を選んで散歩に連れて行ってあげるのがおすすめです。
以下の記事でも、犬の散歩にまつわる疑問についてご紹介していますので、あわせて参考にしてみてくださいね。
犬にとって散歩は大切な時間!しっかりと確保してあげて
犬にとって散歩は、心と体の健康を維持するために大切な時間ですので、毎日十分な散歩時間を確保してあげましょう。
犬の散歩については、以下の記事もあわせてチェックしてみてくださいね。
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/ハセベサチコ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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