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獣医師監修|犬の血尿の原因を写真付きで解説 オス・メス別の要因も

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犬が一度でも血尿をしたら注意が必要です。今回は、犬の血尿の症例写真とともに、考えられる病気などの原因について解説します。病気以外で血尿が出るケースや、血尿が出たときの治療法(対処法)、危険度の高い血尿の特徴も解説するので参考にしてください。

この記事の監修

症例写真つき! 犬の血尿の原因として考えられる病気とは

秋田
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

犬の血尿とは

犬の血尿とは、文字通りおしっこに血液が混じることです。しかし、血液の量によって、おしっこの色は異なるため、出血量が少ない場合は、血尿だとすぐに気が付かないケースも少なくありません。

犬の血尿は血液の量によって、以下の症例写真のような色になることがあります。原因として考えられる病気とともに見ていきましょう。

ところどころ赤い血尿が出た場合

犬のオシッコチェック
参考・写真/「いぬのきもち」2017年5月号『4つのポイントですぐわかる! 健康? 病気?愛犬のオシッコチェックやってみよう』

出血量が少ないときの血尿。出血量が少ないと、おしっこ全体が赤く染まるのではなく、赤い血が点々と混ざって出ることがあります。

疑われる主な病気

膀胱炎・尿石症・前立腺炎・腫瘍など

全体的に赤い(真っ赤な)血尿が出た場合

犬のオシッコチェック
参考・写真/「いぬのきもち」2017年5月号『4つのポイントですぐわかる! 健康? 病気?愛犬のオシッコチェックやってみよう』

おしっこ全体が血液で赤く染まった状態。泌尿器の炎症や出血などが原因かもしれません。すぐに動物病院を受診してください。

疑われる主な病気

膀胱炎・尿石症・前立腺炎・腫瘍など

全体的にピンク色をした血尿が出た場合

犬のオシッコチェック
参考・写真/「いぬのきもち」2017年5月号『4つのポイントですぐわかる! 健康? 病気?愛犬のオシッコチェックやってみよう』

おしっこ全体が血液で染まっている状態です。赤色ではなくピンク色なのは出血量がそれよりやや少ないためですが、危険度が高いおしっこであることには変わりありません。

疑われる主な病気

膀胱炎・尿石症・前立腺炎・腫瘍など

血の塊が混じるケースも

膀胱の中で血が固まると、血の塊となっておしっこと一緒に排泄されることがあります。また詳しくは後述しますが、未避妊のメスが子宮蓄膿(ちくのう)症にかかると、陰部から血の混じった膿の塊が出るケースも。

ちなみに、青や炭入りのトイレシーツを使っていたり、尿の量が少なかったりすると、血尿かどうかわかりにくいことがあります。血尿かどうか心配な場合は、排泄直後のトイレシーツにティッシュペーパーを押し当ててみると、色がわかりやすくなるので試してみるといいでしょう。

犬の血尿の原因として考えられる病気について詳しく知ろう

ミックス中型
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

ここからは、血尿の症状が見られる犬の病気について、詳しくご紹介します。

膀胱炎

膀胱炎は、膀胱に炎症を起こす病気の総称です。膀胱炎になると血尿以外にも、濃い黄色のおしっこが出る、トイレに行く回数が増える、おしっこをするときに痛みを感じてトイレでうずくまったり鳴いたりする(排尿痛)などの症状が出ることがあります。

原因は細菌感染によるものが多く、そのほか、結石や腫瘍、外傷などが関係することも。尿道の短いメスや、ストレスを感じやすい犬がかかりやすい傾向にあるので注意しましょう。詳しくは以下の記事も参考にしてみてください。

膀胱腫瘍

血尿や頻尿などの症状を引き起こす、悪性または良性の腫瘍を膀胱腫瘍といいます。犬の膀胱腫瘍の多くは「移行上皮癌(いこうじょうひがん)」とよばれる悪性腫瘍で、老犬やメスのほか、シェットランド・シープドッグやビーグルなどに多く見られる傾向に。

膀胱腫瘍の初期症状としては、血尿や頻尿、おしっこをするしぐさをするのに尿が出ない(排尿困難・残尿感)などがあります。症状が進行すると、膀胱全体に腫瘍が広がるため、尿漏れなどの症状が起こることも。なお、腫瘍が肺に転移した場合、呼吸困難や咳が、骨に転移した場合は足の痛みが確認されるケースも見られます。

尿道炎

尿道炎とは、細菌感染や結石などにより、おしっこの通り道である尿道に炎症が起きる病気です。尿道炎になると、排尿痛ほか、1回のおしっこの量が減って頻尿が見られます。

尿道が短い小型犬やメスは細菌が侵入しやすいため、尿道炎にかかりやすいと考えられています。詳しくは以下の記事も参考にしてみてください。

尿石症(尿路結石症)

尿石症(尿路結石症)は、尿路(腎臓→尿管→膀胱→尿道)に結石ができる病気の総称で、結石にはストルバイトやシュウ酸カルシウムなど、いくつかの種類があります。

結石ができる部位にもよりますが、尿石症の一般的な症状としては、血尿や頻尿、排尿痛、排尿困難などが挙げられます。結石が尿管もしくは尿道に詰まると、尿路閉塞(尿管閉塞・尿道閉塞)を引き起こす危険も。

尿路閉塞になると腎臓に負担がかかるため、治療が少しでも遅れてしまった場合は、急性腎不全や尿毒症などの命に関わる病気を引き起こすことがあるので注意しましょう。

なお、ダルメシアンやシー・ズー、ヨークシャー・テリアやパグ、ミニチュア・シュナウザーなどの犬種がかかりやすいとされています。詳しくは以下の記事もチェックしてみてください。

血尿と似た症状が出る病気も

血尿に似た症状に、血色素尿(けっしきそにょう)というものがあります。これは尿中の赤血球が壊れて溶血している状態で、おしっこの色がオレンジ色や赤色になるので、血尿のように見えますが、遠心分離しても赤血球は分離されません。血尿を遠心分離すると血尿の上澄みは薄い黄色で下に赤血球が溜まるのに対し、血色素尿は赤色のままです。
したがって、血色素尿は血尿ではありません。

血色素尿の症状が見られる病気としては、自己免疫性溶血性貧血、腫瘍、タマネギ中毒、急性フィラリア症、マダニによって媒介されるバベシア症などが挙げられます。バベシア症に感染した場合は、血色素尿のほかにも、脾臓(ひぞう)の腫大や貧血、発熱、黄疸などの症状が見られるでしょう。

犬の血尿の原因として考えられるオス特有の病気

ダックス
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

前立腺炎

前立腺炎は、尿道に侵入した細菌に前立腺が感染し、炎症を起こす病気です。急性と慢性の2種類があり、慢性の場合は症状が出にくいことも。
去勢手術を受けていない5才以上のオスがかかりやすい病気とされ、血尿のほかにも、排尿の回数が増えたり減ったりする、排尿痛や残尿感、排尿困難などの症状が見られます。

前立腺腫瘍

犬の前立腺腫瘍は悪性であることが多く、発症すると血尿や血便、うんちを出そうとするが出ない(しぶり)、食欲減退、元気消失などの症状が見られることがあります。10才以上の老犬がかかりやすく、シェットランド・シープドッグやドーベルマンなどの犬種は注意が必要です。

詳しくは以下の記事もあわせて参考にしてみてください。

犬の血尿の原因として考えられるメス特有の病気

ミックス
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

子宮蓄膿症

子宮蓄膿症は子宮に細菌が入り込み、子宮内に膿がたまってしまう病気で、避妊手術を行っていない老犬に多く見られます。
 
生理でもないのに、陰部からポタポタと出血したり、血の塊が混じった膿が出たりする場合は、この病気が疑われるのですぐに動物病院を受診してください。子宮蓄膿症は命に関わることもあり、治療には緊急手術が必要となるケースも少なくありません。詳しくは以下の記事も参考にしてみてください。

生理(発情期・ヒート)の場合も

避妊手術をしていないメスは、生後6~10カ月頃に最初の生理(発情期・ヒート)を迎えます。そのため、初めて愛犬に生理が来たときは、血尿だと勘違いしてしまう飼い主さんもいるようです。
 
発情期には陰部が腫れるほか、食欲不振や落ち着きがなくなるなどの症状が見られることがありますが、病気ではないので基本的に治療は必要ありません。犬の発情期に関する情報は、以下の記事をご確認ください。

犬の血尿は病気以外が原因の場合も

チワワ
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

病気以外にも、犬は以下のようなことが原因で、血尿になるケースがあります。

食べ物による中毒

厳密には血尿ではありませんが、先ほどご紹介したバベシア症と同様に、たまねぎなどのネギ系による中毒症状では、血尿のように見える血色素尿が出ることがあります。命に関わることもあるので、すぐに動物病院を受診することが大切です。

なお、犬が食べると危険な食材について知りたいかたは、以下の記事を参考にしてみてください。

ストレス

犬はストレスで血尿になることもあります。ストレスで血尿が出ている場合は、愛犬が重度のストレスを抱えていると考え、原因を取り除いてあげることが重要です。
なお、ペットホテルに預けるたびに血尿が出るなどの場合は、ストレスが原因で膀胱炎になっている疑いもあります。

犬の血尿の治療法(対処法)とは?

芝生と犬
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

犬の血尿の対処法や治療法は原因によって異なります。そのため、愛犬に血尿の症状が見られたら、早く動物病院を受診して必要な検査を受け、治療を受けましょう。ここでは、犬の血尿の治療法の一例をご紹介します。

尿石症が原因なら投薬治療や食事療法を行うケースが

例えば、尿石症が原因で血尿が出ている場合は、結石の種類にもよりますが、原則的には薬で結石を溶かす治療を行います。また、自宅で療法食を与えるよう指示されたり(食事療法)、抗生物質が処方されたりすることもあります。

なお、治療期間は結石の状態や場所によって異なり、結石が大きい場合は、手術で取り除くケースもあります。

細菌が原因の膀胱炎の場合は投薬治療がメイン

検査の結果、膀胱炎と発覚した場合は、原因となっている細菌を突き止め、抗生物質で治療するのが一般的です。基本的には2週間程度で治ることが多いですが、再発を繰り返すケースも見られます。

このように、原因となる病気によって血尿の治療内容や期間が異なるのはもちろん、治療費なども大きく変わってきますので、どのような方法で治療するのかは、かかりつけの獣医師の指示に従いましょう。

こんな症状が見られたら要注意!危険な犬の血尿とは

柴
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

一度でも血尿の症状が見られたら動物病院を受診するべきですが、血尿に加えて以下の症状が見られる場合は、命に関わる危険もあるのでとくに注意が必要です。

歯茎や舌が青白くなっている

犬の歯茎や舌が青白くなっていたら、重度の貧血を起こしていることが考えられます。たまねぎ中毒や免疫疾患などが原因で血色素尿が出ている可能性も。

ぐったりしている

膀胱腫瘍や前立腺腫瘍、子宮蓄膿症などの悪化により、体調が急激に悪くなると犬がぐったりとすることがあります。

おしっこの量がかなり少ない

トイレに行ってもおしっこが出ない、またはおしっこの量が極端に少ない場合は、尿路閉塞を起こしているかもしれません。完全に尿道が詰まると体内の老廃物や毒素が排出できないことにより尿毒症になり、状態が急速に悪化し、命に関わり大変危険です。

熱中症と思われる症状で血尿が出ている

血尿に加えて、犬が熱中症と思われる症状が見られる場合は、熱中症が進行し、臓器がダメージを受けている状態と考えられます。「熱中症+血尿」は、命に関わる緊急事態ですので、一刻を争います。

熱中症の詳しい情報は以下を参照してください。

その他注意したい症状

  • フラフラしている
  • 排尿時以外で血がポタポタと垂れている
  • 食欲不振
  • 嘔吐/下痢
  • 血便
  • 頻尿(何度もおしっこのポーズをしても少ししか出ない)
  • 多飲多尿
  • 尿がキラキラ光って見える
  • 陰部を気にしている など

動物病院へ行く際の注意点・ポイント

愛犬に血尿の症状が見られて動物病院へ行くときは、以下のような点をメモしておくといいでしょう。

  • 血尿が出た回数や期間
  • 血尿の色
  • ふだんの尿との違い(頻度や色、様子など)
  • 避妊手術をしていないメスは前回のヒートの時期 など

採尿をして持参すると診察に役立ちます。難しい場合はスマートフォンのカメラなどで、血尿の写真を撮っておくのもいいでしょう。

一度でも愛犬に⾎尿の症状が見られたら早めの受診を

アメリカン・コッカー・スパニエル
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

犬の血尿は、飼い主さんの目で確認できたのが一度だけであっても、実は肉眼では見つけにくい少量の出血が続いていることもあります。

愛犬に元気があるのなら緊急性は低いかもしれませんが、一度でも血尿の症状が見られたときは放置せず、必ず獣医師に診てもらうことが大切です。

いぬのきもち健保

参考・写真/「いぬのきもち」2017年5月号『健康?病気?4つのポイントですぐわかる!愛犬のオシッコチェック やってみよう』
監修/石田陽子先生(石田ようこ犬と猫の歯科クリニック院長)
文/ハセベサチコ
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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