1. トップ
  2. 犬と暮らす
  3. 【獣医師が解説】愛犬が血尿に。原因は何?尿の色や症状をチェック!

【獣医師が解説】愛犬が血尿に。原因は何?尿の色や症状をチェック!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

犬の一回だけの血尿から病気の原因を判断するのは難しいです。血尿だけなのか、色は鮮血なのか茶色なのか、元気はあるのかを確認して、他の症状に頻尿や食欲不振、嘔吐、下痢などがあるか、尿がキラキラ光って見えるか、血の塊が出ているかなどを観察することが大切です。血尿は放置すると命に関わる場合もあります。今回は犬の血尿と考えられる原因や病気と対処方法についてご紹介します。


目次

血尿かも! 確認したいその他の症状

本当に⾎尿?尿の状態をくわしくチェック

血尿が現れる主な原因・病気と、なりやすい犬

血尿とともにこんな症状が出たら危険!

⾎尿が1度でも出たら、早めに診察を

血尿かも! 確認したいその他の症状

まいにちのいぬ・ねこのきもちアプリ

愛犬のおしっこに血尿が出ている場合、1回だけの血尿で病気の原因を判断するのは難しいです。病院へ行くべきか迷ったら、血尿の他に目で見てわかる症状がないかを確認して、動物病院に相談してみましょう。繰り返し血尿が続いたり、ポタポタと血が床に垂れている場合はすぐに動物病院へ連れていくべきです。

血尿以外の症状がなく元気な場合

愛犬に血尿が出ている以外は、ご飯も食べ、元気があるからと安心してはいけません。尿路に結石ができていたり、膀胱炎になっていたり、腫瘍がある可能性もあります。元気であっても何か気が付いたことはないかを思い出して、動物病院に相談してみましょう。


  • 血尿がどれくらいの期間続いているのか

  • 血尿の色はどんな色か

  • 普段のおしっこの回数と比べて何か違いはあるか

  • 避妊手術をしていないメス犬は、前回の発情期(ヒート)がいつ頃だったか、など

血尿と同時に見られる症状がある

血尿に加えて以下の症状がみられる場合は、速やかに動物病院へ連れて行きましょう。場合によっては命に関わる可能性もあります。


  • 元気がない、フラフラしている

  • 排尿時以外でも血がポタポタと垂れている

  • 食欲不振

  • 嘔吐

  • 下痢

  • 血便

  • 頻尿(何度もおしっこをする格好をするが少ししか出ない)

  • 多飲多尿(おしっこの量が多い)

  • 尿を含んだペットシーツを光に当ててみるとシートの表面がキラキラ光っている

  • 陰部を気にしている



これらの症状がある場合は、速やかに動物病院を受診することをおすすめします。

本当に血尿? 尿の状態を詳しくチェック

愛犬に赤い色のおしっこが出たときに、飼い主さんが血尿だと思っていても厳密には血尿ではない場合もあります。突然の尿の色の変化にびっくりして慌ててしまうかもしれませんが、まずはどのような状態の尿なのか、観察することも治療に役立ちます。

犬の血尿とは?

犬の血尿とは、文字通り尿に血液が混じることですが、血液の量によっては、犬の尿の色が以下のように違う色に見えることがあります。

ところどころ赤い血が混じってる尿


出血量が少ない場合は、尿全体が赤く染まるのではなく、赤い血が点々と混ざって出ることがあります。

全体的に赤い・ピンク色・オレンジ色の尿


全体的に尿が赤みを帯びている場合は、尿全体が血液で染まっている状態です。出血量がかなり多いときは赤くなり、それより少ない場合は、おしっこがピンク色やオレンジ色に見えることもあります。また、血液以外の色素によって、尿の色が著しく変化することもあります。いずれにしても、色が極端に変化している場合は、危険度の高い尿であると考え、
速やかな対応をするのが望ましいでしょう。

血の塊がまじる尿


膀胱炎などが原因で、膀胱の中で出血を起こした時に、膀胱の中で血が固まると、血の塊となって尿と一緒に排泄されることがあります。また、避妊手術をしていないメス犬の発情期間(生理・ヒート)の出血でも、レバーのような細かい塊が出ることもあります。

愛犬がおしっこをしたら、血の塊がペットシーツに付いていて、びっくりしてしまうかもしれませんが、心配の場合は、獣医師に相談するために携帯電話のカメラで「血のかたまり」の写真を撮っておくとよいでしょう。


おしっこを採尿しようとしても、我慢できず頻繁にちょっとずつおしっこが出てしまい、トイレで排泄できないほどの頻尿状態であったり、もう出る尿が少ししかない場合もあります。この場合は、ワイドサイズの大きなペットシーツをトイレトレーや愛犬がおしっこをしそうな場所に裏返して敷き、ビニールの上で採尿するか、携帯で写真を撮って血尿の画像を獣医師に見てもらうのも方法の1つです。
青や炭入りのトイレシーツを使っていたり、尿の量が少ないと、血尿かどうかわかりにくい場合もあります。そんなときは、排泄直後のペットシーツにティッシュペーパーを押し当ててみると、色が分かりやすくなります。

血尿の症状が現れる主な原因・病気と、なりやすい犬

まいにちのいぬ・ねこのきもちアプリ

犬に血尿の症状が現れる原因は、病気を抱えている場合だけでなく、病気でない場合(中毒症状、精神的な問題、メスの発情期など)もあります。しかし、中には命に関わる病気もあります。血尿を繰り返しやすい犬もいるので、尿の異常の早期発見が大切です。

病気の場合

子宮蓄膿症


避妊手術をしていないメス犬の血尿で、注意しなければいけないのが子宮蓄膿症です。生理でもなく、おしっこの排尿時だけでなく陰部からポタポタと出血していたり、膿が混ざっている場合は、すぐに動物病院を受診してください。子宮蓄膿症は命に関わる危険な病気で、治療には緊急手術が必要となることも少なくありません。

子宮蓄膿症はメスの子宮に細菌が入り込み、子宮内に膿が溜まってしまうメス特有の病気です。特に発情期(ヒート・生理)後の時期は、からだの免疫機能が低下しているため細菌が繁殖しやすくなります。避妊手術を行っていない高齢犬(老犬)がかかりやすい病気です。

前立腺炎


「前立腺炎」は、尿道に侵入した細菌に前立腺が感染し、炎症を起こす病気です。急性と慢性の2種類があり、慢性の場合は症状が出にくいこともあります。5才以上の未去勢のオス犬がかかりやすい病気とされており、血尿の他にも、排尿の回数が増えたり減ったりする、排尿時に痛がる、排尿姿勢をとる時間が長くなるなどの症状がみらることもあります。

泌尿器の腫瘍


膀胱や前立腺(オスのみ)などに腫瘍ができると、血尿になることがあります。腫瘍には良性と悪性があり、手術が必要となるケースもあります。ゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリバー、パグなどの犬種がかかりやすいといわれています。

尿道炎


「尿道炎」は、尿道が炎症を起こす病気です。細菌が侵入して尿道炎になることが多いですが、結石や腫瘍が原因となることもあり、排尿時の痛みや、1回の尿の量が減って頻度が増えるなどの症状がみられます。小型犬やメス犬は尿道が短いため細菌が侵入しやすく、尿道炎にかかりやすいと考えられています。

膀胱炎


「膀胱炎」は、膀胱に炎症を起こす病気の総称です。膀胱炎になると血尿以外にも、濃い黄色の尿が出る、トイレの回数が増える、膀胱に痛みを感じるなどの症状が出ることがあります。原因は細菌感染によるものが多く、他にも結石や腫瘍、外傷等が関係することもあります。尿道の短いメス犬やストレスを感じやすい犬がかかりやすい傾向にあります。

膀胱炎を何度も繰り返す犬は、飼い主さんの判断で良くなったからと治療を途中で止めずに、獣医師の判断のもと、処方された薬を飲みきることも大切です。膀胱炎は排尿時に犬が苦痛を感じることがあります。治療費はかかりますが、何度も膀胱炎を繰り返すよりも、きちんと薬を飲ませて炎症を抑えることで、愛犬の感じる痛みや不快感を減らすことができます。

尿石症


「尿石症」は、泌尿器に結晶や結石ができる病気の総称です。結石ができる部位によって現れる症状は異なりますが、排尿時の痛みや、1回の尿の量が減って頻度が増えることが多いです。ヨークシャー・テリアやパグ、ミニチュア・シュナウザーなどの犬種がかかりやすいといわれています。

バベシア症による「血色素尿」


マダニによって媒介される感染症バベシア症は、バベシアという原虫に感染することで溶血性貧血を起こす病気です。原虫というと、虫を連想してしまうかもしれませんが、実際は赤血球の中に寄生するほど小さな生物で、マダニの体内に潜んでおり、マダニの吸血とともに犬に感染します。

脾臓の腫大や貧血、発熱、黄疸とともに、尿がオレンジ色や赤になる「血色素尿」を起こす症状がみられます。

血色素尿とは、血液内の赤血球が何らかの原因で壊れてしまうことで、赤血球の色素が処理されず、そのまま腎臓から排出された尿のことをいいます。尿がオレンジ色や赤くなるので、血尿のように見えますが、この場合は血が混ざっているわけではないので、正確には血尿ではありません。

病気でない場合

生理(発情期・ヒート)


避妊手術をしていないメス犬は、生後6~10カ月頃に最初の発情期を迎えます。犬の場合、発情の1週間~10日くらい前から、陰部より出血する発情出血が始まり、その後に、本当の発情期間を迎えます。その後、年に1〜2回周期で発情期がやってきます。

発情期の期間は、陰部から鮮血の出血をし、排尿時にも血尿のように出血をすることもあります。鮮血は徐々に茶色の出血となり、生理が始まってから約2〜3週間程度で出血が止まります。

犬の生理(発情出血)は病気ではありませんが、発情期だと思っていても、膿が出ていたり、悪臭がする場合、多飲多尿やぐったりしている症状がある場合は、子宮の病気の可能性があるので、動物病院を受診してください。

中毒


マダニによる感染症「バベシア症」と同様に、たまねぎなどのネギ系による中毒症状では、血尿のように見える「血色素尿」が出ることがあります。血尿の原因を探るためにも、早めに動物病院を受診してください。

ストレス


病気でなくても、犬はストレスで血尿になることもあります。もし病気以外の精神的なストレスで血尿が出ている場合は、愛犬が重度のストレスを抱えていると考えてください。愛犬のストレスに気がつかず膀胱炎を繰り返すなど、原因不明の症状が続く場合もあります。

血尿とともにこんな症状が出たら危険!

まいにちのいぬ・ねこのきもちアプリ

歯茎や舌が青白くなっている

犬の歯茎や舌が青白くなっていたら、重度の貧血を起こしていることが考えられます。たまねぎ中毒や免疫疾患などが原因で血尿(血色素尿)が出ている可能性があるので、すぐに動物病院を受診しましょう。

ぐったりしている

膀胱腫瘍、前立腺腫瘍、子宮蓄膿症などの症状が悪化すると全身へ強いダメージを受け、犬がぐったりとしていることがあります。もし犬がぐったりしている場合は血尿が出ていなくても、すぐに病院へ連れて行かないと手遅れになるかもしれません。

尿の量がかなり少ない

尿の量が極端に少ない場合、尿道閉塞を起こしている可能性があります。完全に尿道が詰まると老廃物が体内に溜まってしまい、数時間で状態が悪化して命に関わることもあるので、早急に動物病院を受診しましょう。

熱中症と思われる症状で血尿が出ている

犬が熱中症と思われる症状に加えて血尿が出ている場合は、臓器へのダメージがあり、熱中症が進行している状態です。「熱中症+血尿」は、命に関わる緊急事態ですので、一刻も早く愛犬を動物病院に連れて行きましょう。

⾎尿が1度でも出たら早めに診察を

まいにちのいぬ・ねこのきもちアプリ

犬の血尿には、緊急性があるものが多いので、必ず獣医師に診てもらうことが大切です。動物病院へ行く際は、血尿を吸い込んだトイレシートを持って行くと、診断の手助けになります。

飼い主さんの目で血尿を確認できたのが1回だけでも、肉眼では見つけにくい少量の出血が続いていて、放置すると悪化して手遅れになることもあります。犬に元気があるのなら緊急性は低いかもしれませんが、愛犬の健康のためにも、血尿が1回で終わったからと安心せずに、しっかりと診察を受けましょう!そのままにするのは絶対にNGです!

血尿があらわれる病気のなかには、治療に長くかかるものもあります。愛犬との暮らしのために、ペット保険への加入を検討してみてもいいでしょう。

いぬのきもち健保
https://pet.benesse.ne.jp/hoken/dog/ani.html

出典元/『いぬのきもち』WEB MAGAZINE「獣医師が答えるQ&A」
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/maki

※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

<関連記事>
犬の子宮蓄膿症~症状や早期発見のポイント、治療法や予防法まで~
https://dog.benesse.ne.jp/withdog/content/?id=13637
【犬の発情期】獣医師のQ&A付き!オスとメスの違いや対処法~手術まで
https://dog.benesse.ne.jp/withdog/content/?id=17296
獣医師が答えるQ&A:「血尿が出る」について
https://pet.benesse.ne.jp/dog/sogojoho/qa/l/m/s/?id=141
【獣医が教える】本当は怖い犬の貧血 –疾患と原因・症状・治療・費用の目安−
https://dog.benesse.ne.jp/withdog/content/?id=14590
しぐさでわかるストレスレベル!愛犬がストレスを感じているとわかる「サイン」とは
https://dog.benesse.ne.jp/withdog/content/?id=11978
犬の熱中症(熱中症と血尿について調べ・熱中症が重症化したら…部分)
https://dog.benesse.ne.jp/withdog/content/?id=11919

犬と暮らす

更新

関連するキーワード 一覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

人気テーマ

あわせて読みたい!
「犬と暮らす」の新着記事

新着記事をもっと見る