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【獣医師監修】犬の皮膚病の原因、症状、治療法は?家でできる予防方法も解説
犬が皮膚病になると、かゆがるようなしぐさをするほか、皮膚が赤くなったり、脱毛したりするので注意が必要です。この記事では、犬の皮膚病の種類や症状、原因、治療法、予防法について、獣医師監修のもと詳しく解説します。
いぬのきもち獣医師相談室
犬の皮膚病の種類と主な症状、原因、治療法
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の治療法
アトピー性皮膚炎は、アレルギーの原因物質が特定できればできるだけ避けるようにし、かゆみや炎症を抑える薬で治療していきます。最近は即効性があり副作用の少ない新薬が発売されたり、病気のメカニズムが少しずつ明らかになったりしているため、新たな治療法が出てくる可能性もあるでしょう。
マラセチア皮膚炎
マラセチア皮膚炎の治療法
マラセチア皮膚炎の治療には、薬用シャンプーや抗真菌薬、外用薬などが使われます。
皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)
皮膚糸状菌症の治療法
治療には抗真菌薬を使用します。また、毛を短く切ったり、抗真菌成分配合シャンプーで洗ったりします。万が一愛犬が発症してしまったら、飼い主さんにも感染しないよう室内をこまめに掃除しましょう。
膿皮症(のうひしょう)
膿皮症の治療法
通常であれば、薬浴や抗生物質の投与などで完治させることが可能です。しかし、最近は抗生物質への耐性をつけた「多剤耐性菌」によって発症するケースも増えています。
治療のためには獣医師が指定した投薬やスキンケアを行うのがポイント。また、適切な食事や運動によって改善することもあります。
疥癬症(かいせんしょう)
なお、疥癬症は人にも一時的にうつり、かゆみなどを引き起こすので、愛犬が発症した場合は早めに治療することが大切です。
疥癬症の治療法
駆虫剤を使用して治療します。ただし、薬の種類によってはコリー犬およびその系統の犬種に副作用が表れる場合もあります。
食物アレルギー
食物アレルギーの治療法
アレルゲンを特定するために血液検査をしたり、食事はアレルギーを引き起こす可能性がある食材を避けたフードや低アレルギー性の療法食を使います。栄養バランスを崩さないためにも、必ず獣医師の指示のもと行いましょう。
膿皮症や外耳炎を併発している場合は、抗生物質や抗真菌薬の投与、薬浴などで治療することもあります。
脂漏症(しろうしょう)
脂漏症の治療法
獣医師に指示されたシャンプーを使って、週1~3回を目安に皮膚を洗います。かゆみが強い場合や、膿皮症やマラセチア感染症を併発している場合は、内服薬を投与することもあります。
犬の皮膚病を予防・早期発見する方法
皮膚病の予防にはシャンプーも役立つ!選び方や頻度は?
シャンプーを選ぶときのポイントは、愛犬の皮膚にあった種類を選ぶこと。たとえば、皮膚が乾燥しがちな犬には、被毛をしっとりさせてくれるシャンプーがおすすめです。反対に脂性肌の犬には、ドライに仕上げてくれるシャンプーにしましょう。また、皮膚が弱い犬には低刺激シャンプーを選ぶようにしてください。
ただし、薬用シャンプーにはさまざまな効果・効能があるため、使いたい場合はかかりつけの獣医師に相談することが大切です。
皮膚病の予防や清潔さを目的とする場合、汚れ具合にもよりますが、シャンプーの頻度は4週間に1回程度を目安にするといいでしょう。
皮膚病を予防するシャンプーのコツ
①シャワーは地肌に近づけて流す
シャンプー剤の洗い残しを防ぐためにも、シャワーヘッドを地肌に密着させ、毛の根元まですすぎましょう。皮膚からしっかり流すことで、炎症を起こしにくくなります。
②水分をしっかり拭き取る
シャンプー後に毛が生乾きの状態だと、毛の中に水分が残って蒸れてしまい、皮膚病の原因になります。タオルで体をしっかり拭き取ってからドライヤーをかけましょう。自然乾燥はNGです。
早期発見にはブラッシングも大切
愛犬をしっかりお手入れして皮膚病を予防しよう
参考/「いぬのきもち」2018年4月号『データで解析!今月の予防したい犬の病気』
「いぬのきもち」2016年2月号『病気・ケガから守るお手入れ厳選10』
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/松本マユ
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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