ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- 英語名
- Welsh Corgi Pembroke
- 原産国
- イギリス
- サイズ
- 中型犬
- グループ
- 牧羊犬・牧畜犬
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの性格と特徴・飼いやすさ
ピンと立った大きな耳とキツネを思わせる顔立ちをもちつつ、胴長短足体型で一生懸命走る姿が愛らしいウェルシュ・コーギー・ペンブローク。明るく元気で遊ぶことが大好き。とても社交的なので、ほかの犬とも仲よくできます。「ロイヤルドッグ」の尊称が示すように、12世紀のヘンリー2世から現在のエリザベス女王に至るまで、英国王室で愛されてきた、イギリスを代表する国民的犬種です。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの飼いやすさ 各項目の数値が大きいほど飼いやすい傾向
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの性格
明るく元気で遊び好きで、社交的なので初めて会う人やほかの犬とも仲よくできます。ただし、牧羊犬としての気質も残しているため、ほかの犬や小動物を見たときに、吠えたり追いかけ回したりしてしまうことも。子犬のころから、「マテ」などの基本的なトレーニングをしっかり行うことが大切です。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの大きさ
体高はオス・メスともに約25~30cm、体重はオス10~12kg、メス9~11kgで、中型犬に分類されます。まっすぐずんどうに近い胴長短足体型が特徴的で、大きく丸みを帯びたお尻が歩くたびに軽く左右に振れるのがチャーミング。これまでは断尾をするのが一般的でしたが、近年では断尾を禁止する国も増えているため、日本でも今後は尾のあるタイプが主流になると予想されます。
オス 体高:25~30cm/体重:10~12kg
メス 体高:25~30cm/体重:9~11kg
※体高:地面から首と背中の境目付近までの高さで、人の身長に相当するもの。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの毛色の種類
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの被毛の色は、レッド、セーブル、フォーン、ブラック&タンの単色で、足、前胸、首、頭部の白斑は認められます。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの心配な病気
・椎間板の変形や破裂で脊髄神経が圧迫されて歩けなくなる「椎間板ヘルニア」
・股関節が先天的に異常な形になっている「股関節形成不全」
・痛みを伴わず、ゆっくりと麻痺が進行する脊髄の病気「変性性脊髄症」
・運動不足で陥りやすい「肥満」
・目の水晶体が白く濁って視力が低下する「白内障」
・水晶体を固定している靱帯が切れ、正常な位置からずれてしまう「水晶体脱臼」
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの価格相場(2024年)
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは一般的に入手が難しく、輸入や専門ブリーダーからや、保護犬譲渡がおもな入手方法です。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの飼い方
ポイント(1)遊びなどで楽しくエネルギーを発散させて
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、とても活発でスタミナがあります。運動不⾜はストレスになるので、毎⽇朝⼣30分程度の散歩を⽋かさないようにしましょう。また、いろいろな場所へのお出かけ、ボール投げなどをして楽しくエネルギーを発散させましょう。ドッグスポーツもおすすめです。ただし、ジャンプは腰に負担を与えるおそれがあるので控えましょう。
ポイント(2)飼い主さんの指示に従って行動できるしつけを
牧羊犬として活躍していたため、高い反応性を備えています。ほかの犬や小動物を見かけたときに吠えたり追いかけ回したりしないよう、子犬のうちから「マテ・スワレ・フセ」などのトレーニングをしっかり行い、飼い主さんの指示に従って行動できるようにしつけておきましょう。
ポイント(3)物を噛むトラブルに注意
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、家具の破壊トラブルが多い⽝種です。しっかりしつけがすむまでは、留守番の際はサークルに⼊れるなどしてトラブルを予防しましょう。また、噛むと命にかかわる電気のコード類や噛み傷をつけられたくない家具などには、噛み防⽌⽤の塗布剤を塗っておくのも有効です。同時に、⽝の ⽣活環境に、常に噛んでもいいおもちゃなどを置いておくことも⼤切です。
ポイント(4)被毛はまめにブラッシングを
家庭では、獣⽑ブラシでまめにブラッシングをしてムダ⽑を取り除き、⽪膚・被⽑を清潔に保ちましょう。抜け毛が多い犬種なので、換毛期はスリッカーブラシを使うのもいいでしょう。
また、足が短いため、散歩中におなかの下が汚れがちです。散歩後には汚れをよくチェックし、汚れていたらかたく絞ったタオルやペット用のお手入れシートで拭いて清潔に保ちましょう。
ポイント(5)フード量は毎回量って肥満を予防
主食には、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは⾷欲旺盛で肥満になりやすいので、フードのパッケージに記載された給与量を確認し、毎回 きちんと量って適正量を与えることを徹底しましょう。フードの要求が激しい場合は、同カロリーでかさが⾼く、満⾜感が得られやすい体重コントロールフードを選ぶのもよいでしょう。
また、フード選びに際しては、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは椎間板ヘルニアや股関節形成不全などの関節トラブルが多い⽝種であることから、関節をサポートする成分を強化したフードを選ぶのも⼀案です。迷う場合は、動物病院で相談を。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの飼い主に聞く 飼いやすさと飼い方のコツ
「いぬのきもちアプリ」ユーザーの、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの飼い主さんに、実際に飼ってみてどう感じたかをアンケート調査しました。
※この調査は飼い主さんの主観によるものです。また犬の性質は同じ犬種でも個体によって異なります。
■思っていたより飼いやすい
- 「トイレもすぐ覚えてくれて、あまりムダ吠えもなく、健康に育ってくれました」
- 「人の生活に合わせて行動してくれる。夜寝るときに電気を消すと、自分のベッドに行くなど、賢いです」
- 「お留守番が上手」
- 「とにかく頭がいいので、しつけがしやすい。コミュニケーションがとりやすい」
- 「ムダ吠えしない」
- 「家で何も悪さをしないし、言うことをよく聞いてくれる」
- 「とってもおりこうさんで、トイレの失敗はしないし、イタズラもたまにしかしないです」
■思っていたより飼うのが大変
- 「抜け毛がすごかったり、吠える声が大きかったり、朝の5時前から起こされたりする」
- 「前にも同じ犬種を飼っていたけれど、性格が違うので慣れるまで少し大変でした」
- 「排泄を外でしかしなくなり、台風でもお散歩が必要なことだけが大変」
- 「体力ありすぎて、散歩で引っ張りまくる。車、人、チャイムなどに吠えまくる」
- 「すごく毛が落ちるので掃除が大変。元気がよすぎて力も強いので、飼うには体力が必要。年配の方だと難しいかも」
- 「元気がありすぎて、落ち着かせられない」
- 「言葉が通じないところ。体調がいいのか悪いのか心配」
アンケートでは、「思っていたより飼うのが大変」と回答した飼い主さんのほうが多く、なかでも「体力やパワーがありすぎて散歩が大変」という意見が多数寄せられました。また、「抜け毛が多く掃除が大変」と感じている方も少なくないようです。なお、「思っていたより飼いやすい」と回答した飼い主さんからは、「頭がいい」「イタズラをしない」といった意見が寄せられました。
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ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの歴史や背景
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、イギリスにあるウェールズのペンブロークシャー地方で牧羊犬として活躍していました。1107年にはすでにこの犬種の原型となる犬が牛を追う仕事をしていたという記録が残っています。イギリスでは国民的な犬種で、12世紀から現在に至るまで、長い間王室で愛されてきた歴史と伝統をもつロイヤルドッグです。1934年に、それまで同一犬種とされていたウェルシュ・コーギー・カーディガンと別犬種として認定されました。
監修:
ヤマザキ動物看護大学 動物看護学部 准教授
福山貴昭先生 (博士[学術]愛玩動物看護師)
参考:『日本と世界の犬のカタログ』(成美堂出版)