小型犬
UP DATE
ミニチュア・シュナウザーの性格 飼い方のコツ・飼い主の悩みQ&A|いぬのきもち 犬図鑑

ミニチュア・シュナウザー
- 英語名
- Miniature Schnauzer
- 原産国
- ドイツ
- サイズ
- 小型犬
- グループ
- 使役犬

福山 貴昭 先生
認定動物看護師
DGS(旧:PGS) ドッグ・グルーミング・スペシャリスト
サンフランシスコ動物愛護協会ヒアリングドッグトレーナープログラム修了
●書籍:『トリマーのためのベーシック・テクニック』緑書房/『明るい老犬生活―今日からできる頑張りすぎない12のこと』文一総合出版
ミニチュア・シュナウザーの性格と特徴・飼いやすさ
長くて立派な口ひげと、愛嬌たっぷりの眉毛がチャームポイントのミニチュア・シュナウザー。思慮深い老人を思わせる風貌ですが、明るく好奇心旺盛で、遊ぶのが大好きな親しみやすい性格です。また、がっしりとしたたくましい骨格をしながらも、心も体も柔軟性にも富み、飼い主さんに寄り添います。
ミニチュア・シュナウザーの飼いやすさ 各項目の数値が大きいほど飼いやすい傾向
ミニチュア・シュナウザーの性格
明るく活発で遊ぶのが大好き。また、とても親しみやすく、家族に愛情深くて従順なので、よい家庭犬になります。ほかの犬とも仲よくできます。多くの小型犬と同様に高い声でよく吠える性質があります。都市部で飼育するにあたっては、吠えをコントロールできるように子犬の頃からしっかりとしつけることが大切です。
ミニチュア・シュナウザーの大きさ
オス・メスともに体高30~35cm、体重4~8kgほどで、小型犬に分類されます。体高と体長がほぼ等しいスクエア形の体型で、小型ながらがっしりとした頑丈な体つきをしています。垂れた耳を立ち耳にするために断耳をする場合もありますが、近年では自然な姿で飼育することが増えています。
体高:30~35cm/体重:4~8kg
※体高:地面から首と背中の境目付近までの高さで、人の身長に相当するもの。
※体長:前胸の出っ張り部分から、お尻の出っ張り部分までの長さ。
ミニチュア・シュナウザーの毛色の種類
ミニチュア・シュナウザーの被毛の色は、ソルト&ペッパー、ブラック、ブラック&シルバー、ホワイト。被毛は密生したダブルコートで、ワイヤーのように硬い上毛が特徴です。この硬い上毛は光沢がなく、シュナウザーの落ち着いた外見を演出しています。
ミニチュア・シュナウザーの心配な病気
・夜間や暗い場所で目が見えにくくなる「網膜萎縮症」
・6才以前に発症、視力が低下する「若年性白内障」
・胆のうが拡張する「胆のう粘液嚢腫」
・血尿や頻尿、尿が出づらくなる「尿路結石症」
・尿に糖が排出される「糖尿病」
・かゆみを伴う湿疹ができる「アトピー性皮膚炎」
ミニチュア・シュナウザーの価格相場(2022年)
愛犬の迎え入れ方にはペットショップ、ブリーダーから、保護犬などさまざまな方法があります。例えばペットショップで購入する場合だと、下記のような価格相場です。
価格 | 38万円~ |
※ペットショップ・ブリーダーのウェブサイトを編集部で調査(2022年1月)
ミニチュア・シュナウザーの飼い方
ポイント(1)充分な運動や遊びでエネルギーを発散
ミニチュア・シュナウザーは、かつて農場や牧場でも活躍していた歴史をもち、小さくてもタフで活発です。毎⽇朝⼣30分程度の散歩を⽋かさないようにし、ときにはドッグランなどで思い切り⾛らせてエネルギーを発散させましょう。また、ボール投げやゲーム性のある遊びも大好きなので、たくさん遊んであげて。散歩に出られない天候の悪い⽇などは、おやつを使って新しい遊びのトレーニングをして頭を使わせましょう。噛ませるタイプのガムやおもちゃなどを与えて発散させるのもよいでしょう。
ポイント(2)吠えをしっかりコントロール
ミニチュア・シュナウザーは勇敢な番犬気質で、刺激への反応性が⾼く、吠えやすい性質をもっています。都市部で飼育するにあたっては、飼い主さんの指⽰に従って吠えをコントロールし、落ち着かせられるよう、しっかりトレーニングすることが⼤切。一度吠え癖がつくと直すのが難しいので、子犬の頃から正しくしつけを行いましょう。専門家のアドバイスを受けるのも一案です。
ポイント(3)食いしん坊なので誤食に注意
ミニチュア・シュナウザーは食いしん坊なので、誤食には充分な注意が必要です。人の食事や食べ物のニオイがついたビニールや串などを誤食すると、中毒を起こしたり、消化管で詰まって命にかかわる危険もあります。犬の届くところに置かないように注意しましょう。
また、しっかりしつけが済むまでは、留守をするときなどはサークルやケージに入れるなどしてトラブル予防を。噛むと命にかかわる電気のコード類や噛み傷をつけられたくない家具などには、噛み防止用の塗布剤を塗っておくことも有効です。さらに、犬が生活する環境中には、つねに噛んでよいおもちゃを用意しておくことも大切です。
ポイント(4)こまめにブラッシングと口ひげ、歯のお手入れを
ミニチュア・シュナウザーは、剛毛のダブルコート。下毛は密集し、上毛は硬い毛質です。抜け毛は少ないですが、毛玉予防のため、毎日ブラッシングしましょう。また汚れやすい口ひげは、散歩後、食後、水を飲んだあとなど、こまめに拭いて清潔に保ちましょう。
さらに、ミニチュア・シュナウザーのような口が小さい小型犬は口内環境も悪くなりがち。毎日、歯ブラシを使ってやさしく歯磨きをすることを子犬の頃から習慣化しましょう。
ポイント(5)粒が小さく飲み込みやすいフードがおすすめ
主食には、フードと水のみで栄養のバランスがとれるように作られている、総合栄養食を与えましょう。総合栄養⾷の中でも、ミニチュア・シュナウザーのような⼩型⽝には、粒が⼩さいもの、飲み込みやすいものを選ぶのがお すすめです。フード周りの細かな粉がフードを飲み込みにくくすることもあるので、フードに⽔を絡めても よいでしょう。
また、フード選びに際しては、ミニチュア・シュナウザーは尿路結石症など泌尿器系の病気にかかりやすいことから、獣医師と相談のうえ、泌尿器系の疾患に配慮したフードを選ぶのも⼀案です。
ミニチュア・シュナウザーの飼い主に聞く 飼いやすさと飼い方のコツ
「いぬのきもちアプリ」ユーザーの、ミニチュア・シュナウザーの飼い主さんに、実際に飼ってみてどう感じたかをアンケート調査しました。
※この調査は飼い主さんの主観によるものです。また犬の性質は同じ犬種でも個体によって異なります。

■思っていたより飼いやすい
- 「シュナウザーを飼い始めて7頭目。多頭飼いをしてきています。とても活発な性格なので、しつけもしっかりしてやりがいのある犬種。JKCの競技会にも出ています。たまには違う犬種と考えますが……。トリミングは大変ですが、抜け毛がないのも飼いやすいところです」
- 「賢いので覚えるのが早い」
- 「無駄吠えもほとんどせず、しつけするときもすぐに覚えてくれた」
- 「毛が抜けない」
- 「体臭もまったく感じないし、トイレもすぐに覚えてくれたし……家具を噛んだり部屋を荒らしたりすることもまったくなかったから」
- 「毛が抜けない。ニオイがしない」
- 「シュナウザーは頑固だといわれるけど、そうでもなかった」
- 「トイレもすぐに覚えてくれたし、イタズラをまったくしない。お留守番も4時間くらいなら問題なくしてくれます。ほかのワンちゃんや飼い主さんにとてもフレンドリーなので、散歩も楽しくできています」
■思っていたより飼うのが大変
- 「以前飼っていた犬がおとなしかったので、今いる子が活発すぎて散歩が大変」
- 「噛みグセがなかなかな直らない」
- 「トイレトレーニングがうまくいかなくて、今でもたまに失敗してしまう。転勤があるので、家が変わると失敗しやすくなる」
- 「元気でエネルギーもたくさんなので、どんなに忙しい日でもお散歩は3回(夏は2回くらい)行くため、少しまいってしまうこともある。でもお散歩行ってしまえば、なんてことない」
- 「定期的に皮膚病を繰り返し、通院や投薬が大変。家族以外になつかないので、病院の待合室で吠えるのも肩身が狭い」
- 「加齢に伴い、病院のお世話になる頻度が高くなった」
- 「子犬の頃はトイレのしつけで苦労しました……。かまってほしくてどこにでもついてくるのは、子犬の頃から変わりません」
「思っていたより飼いやすい」と回答した飼い主さんからは、「抜け毛が少ない」「体臭を感じない」といった意見が多く寄せられました。一方、「思っていたより飼うのが大変」と回答した飼い主さんからは、「毎日の散歩や運動が大変」といった声も。ミニチュア・シュナウザーは活発な犬種とされているので、飼う場合は、飼い主さんの体力も必要なのかもしれませんね。
ミニチュア・シュナウザーの飼い主さんアンケート結果はこちら!
ミニチュア・シュナウザーとあわせて読みたい犬の種類
ミニチュア・シュナウザーに関連する記事
ミニチュア・シュナウザーの飼い主さんのQ&A
ミニチュア・シュナウザーのかわいい画像
ミニチュア・シュナウザーの歴史や背景
ミニチュア・シュナウザーは、19世紀後半にネズミ捕りに適した犬を目的として、スタンダード・シュナウザーとアーフェン・ピンシャーをかけ合わせて作出されました。口ひげは、ネズミの反撃から身を守るために残されたといわれています。その後、農場や牧場の番犬として活躍していきました。「シュナウザー」はドイツ語で「口ひげ」という意味。シュナウザーには大きさによってミニチュア・シュナウザー、スタンダード・シュナウザー、ジャイアント・シュナウザーの3つのタイプがあります。
監修:ヤマザキ動物看護大学講師 福山貴昭先生 (危機管理学修士)
参考:『日本と世界の犬のカタログ』(成美堂出版)
UP DATE