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【獣医師監修】安全でコスパのよいドッグフードは市販で買える? ドッグフードの安全性に関する疑問や選ぶ際の注意点
この記事では、安全なドッグフードを選ぶために知っておきたいポイントや、安全なドッグフードに関するFAQ、注意点、安全なドッグフード選ぶ際の基本事項を専門家監修のもとご紹介します。ぜひ愛犬の食事管理にお役立てください。
安全なドッグフードとは
「ペットフード安全法」とは、国内で流通するペットフードの安全性を確保し、犬や猫の健康を守ることなどを目的とした法律です。この法律では、安全なペットフード流通のための守るべき基準や規格が国によって設けられ、事業者はそれを守って製造・輸入・販売することが義務付けられているため、この法律がある限り、国内で販売されているドッグフードはすべて安全といえるでしょう。
しかし、どんなに良質で安全なドッグフードでも、愛犬に合わないことがあります。愛犬のドッグフードを選ぶ際は、「無添加のほうが安全」「市販のコスパがよいものは危険」「人気ランキング上位に入ったもののほうが良質」などと考えるのではなく、愛犬の体に合っているかどうか慎重に判断することが大切です。
無添加のほうがよい? 安全なドッグフードに関するFAQ
無添加ドッグフードのほうが安全なの?
◆「どうしても添加物が気になる」という場合は……
「ナチュラル」「オーガニック」なドッグフードのほうがいいの?
ドッグフードにおける「ナチュラル」とは、化学的に合成された原材料や着色料が含まれていない製品に記載が許される表現です。一方の「オーガニック」は、最小限の農薬を使用した原材料を用いた食品を指す言葉ですが、日本のドッグフードには基準が定められていません。
繰り返しになりますが、ドッグフードに使用される添加物は毎日食べたとしても健康被害が起きないように、使用する量が定められています。また、国内に流通するペットフードにおいて、食品添加物が問題となった健康被害も知られていません。ドッグフードが「ナチュラル」「オーガニック」であるかどうかは、素材にこだわりたいときなどの選択肢のひとつにするとよいでしょう。
ドッグフードが安全な国は? 国産と外国産で安全性に違いはある?
「安い」「コスパがよい」ドッグフードでも安全? 市販で買える?
ウェットフードとドライフードはどちらが安全?
ウェットフードの特徴 | ドライフードの特徴 |
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根拠のないランキングを信じるのはNG! 安全なドッグフードに関する注意点
根拠のない「ドッグフードランキング」に注意
もちろん、アフィリエイト自体は悪いものではなく、アフィリエイト広告を使って販売されているドッグフードの質が低いということでもありません。しかし、信ぴょう性の低いランキングなどを鵜呑みにして商品を購入するのは、愛犬の健康を害するおそれがあるので注意が必要でしょう。愛犬に合ったドッグフードを正しく選ぶためには、ドッグフードに関する基本的な知識や、情報の正確性を見極める力を身につけるがことが大切です。
※自身のウェブサイトやブログなどに特定の商品やサービスの広告を掲載し、訪問者がその広告をクリックして商品やサービスを購入すると、生じた利益に応じて広告を掲載した人に成果報酬が支払われる成果報酬型の広告のこと。
ドッグフードの原材料の安全性に関する誤った情報に注意
◆「チキンミール」「ミートミール」が危険!?
むしろ、乾燥させて粉末状にすることで加工しやすくなったり、重量あたりの栄養価が高くなったりするなど、さまざまなメリットが生まれることもあるので、噂に惑わされないようにしましょう。
◆「グレインフリー」「グルテンフリー」のほうが安全!?
むしろ、穀類を用いることで、犬種や健康状態に応じて栄養バランスの細やかな調整ができるといったメリットもあります。「グレインフリー」「グルテンフリー」のドッグフードは、穀物やグルテンにアレルギーがある犬を除き、特に与えるメリットがないといえるでしょう。
最初に「○○肉」と記載されているほうが安全!? 原材料の読み方に注意
しかし、消化がよくアミノ酸バランスが整ったタンパク質であれば、摂取する量は少なくても支障はなく、また必要な栄養素が得られれば、動物性・植物性どの原材料のドッグフードを選んだとしても問題ありません。
ちなみに、動物性の栄養素を肉や魚など複数の原材料から確保している場合は、一つひとつの素材の使用量が少なくなるため、ほかの原材料より後に記載されることになるでしょう。大切なのは犬の健康に必要な栄養バランスなので、原材料表示の順番ばかりに振り回されてはいけません。
「手作りドッグフードのほうが安全」という考え方にも注意が必要
専門的な知識のある人でない限り、手作りのドッグフードは愛犬のお誕生日など、“たまのお楽しみ” としておやつ程度に与えるようにしましょう。どうしても日常的に与えたい場合は、総合栄養食を主食とし、1日の食事のうち20%以内を目安に、手作りドッグフードを与えるという方法もあります。
安全なドッグフードを選ぶ際の基本事項
主食は「総合栄養食」のなかから選ぶのが基本
《ドッグフードの目的》 | |
総合栄養食 | 犬の主食として与えることを目的としたもので、当該ドッグフードと水を与えるだけで、指定された成長段階における健康を維持できるよう、栄養バランスが整えられています。 |
療法食 | 特定の病気や健康状態の犬の食事管理のために、獣医師の指示のもとで与えるドッグフードです。 |
間食 | おやつやごほうびとして与えることのできるドッグフードです。ジャーキーやガムなどが代表的でしょう。 |
その他の目的食 | 上記3つ以外で、カロリー補給や嗜好増進など、目的が定められたドッグフードです。 |
愛犬の犬種や体質・健康状態に合ったものを選ぶ
なお先述のとおり、療法食は特定の病気のときに与えるものなので、健康な犬の食事には向いていません。療法食は飼い主さんの独断で購入せず、必ず獣医師の指示に従い利用するようにしましょう。
愛犬の年齢や体型に合ったものを選ぶ
《ライフステージ別ドッグフード選びのポイント》 | |
子犬 | 急激な成長をサポートするため、少量で効率よく必要なエネルギーや栄養素を消化・吸収できるものを選ぶとよいでしょう。 |
成犬 | 犬にとって必要な栄養バランスを崩さず、肥満を防げるものを選ぶとよいでしょう。 |
肥満傾向 | 低カロリーで満腹感を与えられるよう、高タンパク、低脂肪、高食物繊維といった、体重管理に適した栄養バランスが整えられたドッグフードを選ぶとよいでしょう。 |
妊娠/授乳期 | 母犬だけでなく子犬の分まで栄養が必要なので、たっぷり栄養を摂取できる専用のドッグフードを選ぶとよいでしょう。 |
シニア犬 | 食欲や消化・吸収能力が衰える傾向にあるため、エネルギー効率がよいドッグフードを選ぶとよいでしょう。 |
以下の記事では、犬のライフステージごとの栄養管理について詳しく紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。
ドッグフードのパッケージ表示を確認することも大切
パッケージ表示の見方については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
ドッグフードは愛犬に合ったものを選ぼう
ドッグフードが愛犬の体に合っているかどうかは、飼い主さんが判断してあげなければなりません。愛犬がより健康に暮らせるように、栄養面や原材料をしっかり確認したうえで、愛犬の健康状態や好みに合ったドッグフードを選んであげることが大切です。
文/長谷部サチ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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