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獣医師監修|安全なドッグフードとは?無添加がいいってホント?
愛犬には安全で良質なドッグフードを与えたいですよね。そこで今回は、安全なドッグフードの選び方、フードの安全性や添加物に関するQ&Aをあわせてご紹介します。
安全なドッグフードを選ぶポイント
ドッグフードの安全性を守る「ペットフード安全法」
この法律では、安全なペットフード流通のための守るべき基準や規格が、国によって設けられています。事業者はそれを守って製造・輸入・販売することが義務付けられているほか、同法で定められた基準・規格を満たしていないドッグフードは、国から廃棄・回収などを命令されるケースも。
現在、日本で流通しているドッグフードは、すべてこの法律に従ったものなので、安心して愛犬に合ったものを選んであげてください。
愛犬に合うドッグフードを選ぶには
主食には「総合栄養食」のドッグフードを選ぶ
総合栄養食とは、そのフードと水を与えるだけで犬の栄養基準を満たし、表示された成長段階の健康を維持できるよう調整されたフードのこと。ペットフード公正取引協議会が定めた試験をクリアした製品のみが「総合栄養食」の表記を認められていますので、健康な犬の毎日の主食は「総合栄養食」から選ぶようにしてください。
愛犬の年齢や体型に合ったものを選ぶ
《ライフステージ別ドッグフード選びのポイント》 | |
子犬 | 少量で効率よく必要なエネルギーや栄養素を消化・吸収できること。 |
成犬 | 栄養バランスを崩さずに肥満を防げること。 |
肥満傾向 | ダイエットには食事量を減らすのではなく、フード内のエネルギー量をコントロールすることで対応。 |
妊娠/授乳期 | 母犬だけでなく子犬の分まで栄養が必要なので、専用のフードでたっぷり栄養を摂らせることが大切。 |
シニア犬 | 食欲や消化・吸収能力が衰えるため、エネルギー効率がよいこと。 |
※肥満傾向、高齢期については総合栄養食の栄養基準がないので、各メーカーの考え方に基づいて開発されています。
以下の記事では、犬のライフステージごとの栄養管理について詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
愛犬の犬種や体質・健康状態に合ったものを選ぶ
愛犬の体質や健康状態によっては、機能性ドッグフードや犬種別ドッグフード、療法食を与える場合もあるでしょう。
ただし、療法食は特定の病気のときに与えるフードのため極端な栄養バランスになっていることがあり、健康な犬が食べるのには向いていません。療法食は飼い主さんの判断で購入せず、必ず獣医師の指示に従って利用しましょう。
以下の記事では、犬の食物アレルギー対処法や機能性ドッグフード、療法食について紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
フードのパッケージ表示を確認しよう
無添加がいいの?安いフードでも大丈夫?ドッグフードの安全性や選び方の疑問を解決!
無添加ドッグフードのほうが安全なの?
ドッグフード選びにおいて大切なのは栄養バランスなので、無添加ドッグフードにこだわる必要はないでしょう。もし気になる場合は、缶詰やレトルトパウチなどウエットタイプの総合栄養食から選択するという手も。ウエットフードは、使い切りで未開封であれば酸素に触れることがないので、酸化防止剤や保存料が使われていない製品が多くあります。
「ナチュラル」「オーガニック」なドッグフードのほうがいいの?
繰り返しになりますが、添加物は毎日食べたとしても健康被害が起きないよう使用できる量が定められています。また、日本国内で人の食品やペットフードで残留農薬が問題となった健康被害は知られていません。
「ナチュラル」や「オーガニック」と表記されたドッグフードのほうが健康面に優位というわけではなく、栄養バランスを保証するものでもないため、素材にこだわりたいなど、飼い主さんの好みの問題の範疇といえるでしょう。
以下の記事でも、「ナチュラル」「オーガニック」のドッグフードについて解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
国産と外国産でドッグフードの安全性に違いはある?
この法律によって定められた基準に合わない製品は、製造・輸入・販売ともに禁止されているため、それが遵守されていれば国産・外国産問わず安全なフードといえます。
以下の記事でも、国産と外国産のドッグフードについて解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
「安い」「コスパのいい」ドッグフードでも安全?
しかし、上述の「ペットフード安全法」が守られている限り、日本で危険なドッグフードが出回ることはありません。ドッグフード選びにおいて重要なのは栄養バランスですので、価格にとらわれず愛犬の年齢や体質などに合ったものを見つけてあげることが大切です。
原材料名の最初に「○○肉」と書かれているものを選んだほうがいい?
また、動物性の栄養素を肉や魚など複数の原材料から確保している場合は、一つ一つの素材の使用量が少なくなるため、ほかの原材料より後に記載されることになります。本当に大切なのは、犬の健康に必要な栄養バランス。原材料表示の順番ばかりに振り回されてはいけません。
「チキンミール」「ミートミール」は危険って本当?
むしろ、乾燥させて粉末状にすることで加工しやすくなったり、重量あたりの栄養価が高くなったりするなど、さまざまなメリットが生まれることもあるのです。
以下の記事でも、「ミール」について解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
「グレインフリー」「グルテンフリー」のフードのほうが健康にいい?
ドッグフードに使用されている穀類は、加熱調理によって消化性が高められているので、犬に与えても問題ありません。
むしろ、穀類を用いることで、犬種や健康状態に応じて栄養バランスの細やかな調整をすることができるのです。
そのため、「グレインフリー」「グルテンフリー」のフードは、穀物やグルテンにアレルギーがある犬以外には特にメリットがないといえます。
以下の記事でも、グレインフリーのフードについて解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
犬種別ドッグフードを選んだほうがいい?
ただし、どの観点に配慮するかは各メーカーによって異なるため、同じ犬種用のフードでもさまざまな種類があります。また、同じ犬種でも体質などの個体差があるので、獣医師に相談したうえで、愛犬の状態に合ったものを選ぶようにしましょう。
ウエットフードとドライフードはどちらが安全?
ウエットフードの特徴 | ドライフードの特徴 |
・水分含有量が80%前後あり、食事と水分補給が同時にできる ・量が多いので満腹感が得やすい ・食欲が落ちているときでも食べやすい ・一度開封すると保存がきかない ・総合栄養食でない製品も多い など | ・水分が少ないので保存がきく ・比較的安価なものが多い ・少量でも効率よく必要な栄養がとれる ・機能性の幅が広く選べる種類が豊富 ・総合栄養食がほとんど など |
手作りドッグフードのほうが安全で健康にいい?
手作りのドッグフードは、愛犬のお誕生日など、“たまのお楽しみ” としておやつ程度に与えることをおすすめします。または、総合栄養食を主食とし、1日の食事のうち20%以内程度を与えるのもOKです。
愛犬がより健康に暮らせるように、栄養面や原材料をしっかり確認したうえで、愛犬の健康状態や好みに合ったドッグフードを選んであげることが大切です。
文/寺井さとこ
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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